Decap:Pushで感じるままにパフォーマンス

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Decap:Pushで感じるままにパフォーマンス

サンフランシスコをベースに活動するヒップホップ・プロデューサーDecapは、今週、ニュー・シングル『Feeling』の技巧が光るビデオを公開しました。ステディカムで撮影されたこのビデオでは、ヒップホップのベテラン・プロデューサーであるDecapが、Pushを用いてワンテイクでトラックを演奏する様子がご覧いただけます。シーケンスもループもソロも、すべてまったなしのワンテイクで演奏されています。イーストコースト出身で13歳でビートメイキングを開始し、これまでタリブ・クウェリ、Smoke DZA、スヌープ・ドッグなど蒼々たる面々と仕事をしてきたDecapは、ますます頻度を上げる彼のライブにおいてPushが欠かせないものとなっていると話します。以下のインタビューで、Decapはビデオの撮影プロセスと2015年の展望について語っています。ビデオについて少しご説明いただけますか?ビートをつないでからループにして手を加え、さらにソロを加えているように見えますが、クオンタイズは使用されていないようですね?ええ、クオンタイズは使用していません。間違えずに最後まで演奏し、すべてを撮影することが目的でした。あのときはとにかく興奮していました。はじめのうちは、「弱ったな、すごいプレッシャーだ」という感じでしたが、やってみるとけっこう簡単で最高の気分でした。トラックの冒頭ではヘッドフォンでメトロノームクリックを聴いていたので、タイミングを合わせることができました。一糸乱れぬクオンタイゼーションは逆にタイトさを失わせます。感情とタイミングを表に出してもいいのです。クオンタイズをするとどうしても硬直した感じになるし、このトラックについての感情を音楽という言葉に翻訳して、リスナーの心の奥底に実感させること、それが私の目指すところです。撮影の1日半前にロサンゼルス入りして、何度も練習を重ねて完璧に仕上げました。いくつか別ショットも撮影してリラックスしてから、深呼吸して、パフォーマンスを始める前に瞑想してから、なんとかワンテイクでやりました。プレッシャーを感じ、それに打ち勝ったあの瞬間を体験したのは最高でしたね。本当にいい気分でした。技術的な点についてもお聞かせください。Pushはどのように使用されていますか?Live 9.2ベータがあったので、64パッドすべてをパフォーマンスに使用することができました。トラックの主要構成すべてを64のパッドに配置しておいたのですが、ライブ・セッティングにすご便利だと思いますね。ドラムマシンのほとんどが16パッドです。これだと、1画面でやるには少し手狭です。ハイクオリティなAkaiパッドを右手と左手両方でそれぞれ使用することで、できることが大幅に増えます。ビデオでやっている演奏ができるようになるまでかなり練習しなければなりませんでした。両手の動きについて同時に考えなければなりませんからね。始めてもう数カ月になりますが、その可能性を発見しつつあるところです。ソロはまるでもの悲しいエレクトリック・ギターのようにも聞こえますが、タッチ・スライダーを使用してピッチ調整しているのではないのですよね?いいえ、あれは一番上のノブで、ワウにマップしたLFOです。(タッチ・スライダーも)使用しましたが、最後になってからです。これも、Pushが大好きな理由のひとつなのですが、表現力がすばらしいんですよ。独創性を刺激してくれます。ソロは、練習するたび違ったものになるのが面白かったですね。タイトルどおり、まさに「フィーリング」です。自分の表現に忠実であること、その瞬間に自分にとって自然だと思えるものを演奏することが大事でした。活気に満ちたソロもあったり、リラックスしたソロもあったりでしたね。 Pushを64パッド・モードで演奏するDecap ビデオにあった、サンプルのチョーキングはどうやって実現したのですか?まず、パフォーマンスの冒頭で、長いサンプルのループを録音しておきます。音量を落としているけれど、演奏中のサンプルと同じチョーク・グループにある2つのパッドを使用してチョーキングしてバリエーションを作成します。これで、ぎくしゃくした粗さのあるヒップホップな感じが出ます。尊敬するアーティストのひとり、DJ Premierといった名手たちも作品のなかでこのテクニックを使用しています。2015年の活動についてお聞かせください。LPリリースやライブの予定は?2014年に録音したスヌープの未リリース・トラックがあるのですが、今年はリリースされません。今はアルバム制作のまっただ中ですが、パフォーマンスについても考えを巡らせています。これまでは、タリブやスヌープ、その他のアーティストとの仕事でプロデューサー的役割を担うことが多かったのですが、Pushのおかげで別のアイデンティティに移行できそうです。かねてから、アーティストとして活動し、自分の作品をパフォーマンスしたいと思っていました。Pushが発売されたとき、スタジオに置くことになるだろうとは思っていましたが、パフォーマンスで重要な役割を果たすようになるとは思っていませんでした。パフォーマンスが自分にとってこれほど重要なものになるとは考えてもいませんでした。こうして、プロデューサーがパフォーマンスを行うアーティストとして活躍できる時代になったのはすばらしいことだと思います。Decapについて詳しくは、FacebookおよびSoundcloudをご覧ください。

James Hoff:ウイルスとアートの関係

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James Hoff:ウイルスとアートの関係

James Hoffは進取の気性に富んだアーティストであり、音楽とサウンドによるその作品は複合的活動の一部です。ニューヨークを拠点に活躍する彼は画家として成功し、国際的な美術館やギャラリーで開催されている展覧会は高評価を博しており、コンセプチュアル・アーティストとしてそのアイデアはオールラウンドに広がっています。また彼は詩人でもあり、コンテンポラリーおよび1960年代まで遡る過去の掘り出し物を扱う芸術関連書籍の出版社Primary Informationの共同設立者(Miriam Katzeffと共に)でもあります。音楽においては、Hoffは2014年にエレクトロニック・ミュージック・レーベルPANからリリースされたアルバム『Blaster』で最もよく知られています。目的と力を持って放たれる収縮するグリッチーなリズムが特徴的なこのアルバムには、Hoffが斬新な効果を得るために収集、分類したコンピューター・ウイルスに感染させたサウンド・ファイルがフィーチャーされています。(彼の絵画にも、イメージの裏にあるコードを侵入にさらしてイメージを根底から改ざんするウイルスが活用されています。)彼のウイルスを伴うサウンド作品群には、非常になじみ深く支離滅裂でもあるさまざまな種類の携帯電話の着信音も含まれています。『Blaster』リリース以降、Hoffはさまざまなメディアで作品作りを続けてきており、ニューヨークでの絵画のソロ展覧会、ベルリンでの絵画とサウンドの展覧会、ドイツの放送局Deutschlandradioが放映権を獲得したプロジェクトが継続中です。ブルックリンにあるおいしいドーナツが供されるHoffの自宅で、作品と世界各地で話題を呼び起こすその方策について話を聞きました。 さまざまな領域で開発され、進化し、うごめくウイルスを用いていらっしゃいますね。ウイルスをツールとして使用することへの興味とはどのようなものですか?私にとって、ウイルスは2通りに興味深いものです。自分が考えるとおりにやった場合とは異なる方法で作品を生み出すことができ、複数のメディアを介して作業することができます。コンセプトのフレームワークとしてのきっかけと、幅広いジャンルにおけるさまざまなメディアを介した作品作りのためのツールを与えてくれます。ウイルスはありふれた風景のなかに隠れる性質があり、さまざまな顔を呈するので、これは1種類ではなくさまざまな種類の芸術活動に興味を持つ私のような者にプラットフォームを超えた作品作りの手段を提供してくれます。それがとても気に入っています。ウイルスには突然変異があり、また突然変異にもさまざまなものがあり、それぞれ異なって現れます。あなたの作品の一部、特にアルバム『Blaster』は、ダンス・ミュージックをテーマに取り上げているように思えます。ダンス・ミュージックはウイルスによる攻撃というアイデアを受容しやすいと?耳障りなノイズや聴き応えのあるサウンド・パレットを含むダンス・ミュージックに人々が興味を持つようになったのと同じように、私たちの時代ではより受容されやすくなっていると思います。ただ、これは私のプロジェクトに『Blaster』制作を決めたとき、すでにいくつかのコンピューター・トーンを感染させていて、そのプロセスに興味を持ち、仕組みを解明しようと思いました。コンピューターで生成したチャープやハム、モーターの回転音など、いくつかのトーンを感染させてみました。こういった方向に向かいたい、こういった音が欲しいというイメージがあって、概念上こうなるのではないかというものが私にはありました。ストックしてあったコンピューター・サウンドを用いて、それらを感染させてたくさんのソース素材を作成しました。地下鉄に乗って、イヤホンでそれらを聴いていると、子供たちがやって来てブレイクダウンスを始めたのです。彼らはビート・ミュージックを流していて、それが私の聴いている音に重なったとき、ひらめいたんですね。「これだ!」と。Blasterウイルスを選んだのもこれがきっかけでした。少なくとも私の世代は、子供の頃大型ラジカセを「ゲットーブラスター」と呼んでいたと思います。「Stuxnet」や「Morris」ワームではなく、「Blaster」を選んだのはそのためです。目的とセレンディピティ、両方を少しずつ取り入れた結果です。制作プロセスにおけるあなたの役割をウイルスに完全に譲ってしまうのですか?作曲におけるアルゴリズム的処理に興味はありますが、究極の目的としてそれに興味があるわけではありません。私自身の制作の手段を譲ってまで作曲におけるプロセスを妨げることはしません。音楽について言えば、私が扱うほとんどのことはどこか別のプロジェクトでもやっています。そのプロセスを使用してパレットを作成し、その上に何かを制作するのです。『Blaster』には、まるで破損しているかのようなビートやサンプルが見られます。しかしそこには、そういったビートやサンプルを使用して新しい音楽を作成しようと試みる私の存在があるのです。コンセプトとプロセスは重要ですが、プロセスを無視して、マシンだけでは生み出すことのできない何かを生み出すためにそれを使用するアーティストとしての権利を留保することも非常に重要だと思うのです。アルバムのリリース以降発表されたさまざまな作品でこれと似たプロセスを使用されていますが、どのように違ってきていますか?比較的新しい作品では、(Maxによる)トランスクリプション・プロセスを使用しています。ノートをウイルスのソースコードの各キャラクターに割り当て、MIDIにリアルタイムで描画します。『Blaster』の素材と同じ系列のその他の素材は、聞こえ方において非常に独特です。しかし、このプロセスは他の楽器構成にも使用でき、より大型のパレットも可能になるので、異なるジャンルにもアプローチすることができます。ベルリンでの展覧会では、Stuxnetコードをキース・ジャレット風のアルペジオ・ピアノに変化させました。ニューエイジ・ミュージックのようですが、数日にわたって続きます。非常に巨大なコードです。Deutschlandradio用に『Operation Olympic Games』をいう一連の作品群を制作されましたね。タイトルには何か特別な意味が?Stuxnet、Flame、Skywiper作成に使用されたCIA作戦の名前です。ドイツのラジオ用に作成したこの長編は、Blaster、Stuxnet、Skywiperで作成しています。Skywiperは、ニューヨークで開催された私の展覧会のタイトルでもあります。ベルリンでの展覧会のタイトルは『The Quick Brown Fox Jumps Over the Lazy Dog(すばしっこい茶色のキツネはのろまなイヌを飛び越える)』でした。この英文にはアルファベット26字すべてが使用されています。タイピング試験に使用されるほか、コンピューター・ソフトウェアでのアルゴリズムの検証にも使用されます。また、ロシアとアメリカが60年代に大西洋横断ケーブルを設置した際、アメリカ側が送った最初のメッセージがこれでした。ロシア側は非常に困惑したそうです―その意味が分からなかったのですから。あなたのプロセスは大きく進化し、また今でも進化を続けています。『Blaster』制作の基本的なプロセスはどのようなものだったのか、お話しいただけますか?Hex Fiendというバイナリエディターを使用しています。たとえば、クラップ音なら、それをエディターにかけて、16進コードに分解します。その後、ウイルス・コードを放り込みます。コードにウイルスを満たすわけです。コードをどこに置くか(また何回置くか)で、効果は大きく異なります。元のサウンドにどのような影響を与えるかには大きな幅があります。この方法で、『Blaster』用のサンプルを800ほど生成しました。これらは、このアルバムのビルディングブロックになりました。このプロセスにおけるLiveの役割は何ですか?ほぼすべてにLiveを使用しましたが、私が使用したのは数ある機能のうちごく基本的なものです。ただ、もしかするとそれこそが重要な違いなのかもしれません。制作する作品の多くは、その過程を進めるに従って、このプログラムを学び、開拓する機会を与えてくれます。私にとって、これらの知識ははじめから身についていたものではありません。Liveは2002~2003年から所有していますが、当時はライブ・パフォーマンス用でした。しかし『Blaster』では、スケッチ、作曲、アレンジとすべてをLiveで作成しています。ライブのセットアップもLiveを使用しています。今、感染後に感染の内容を修正でき、それにより少し異なる音色を得ることができるサウンドデザイン機材の使用を始めているところです。これはLive外ですが、その他すべてはLive内部のままです。新しい試みを始めたばかりなので、どうなるかはみてのお楽しみです。これまで音楽についてお話を伺ってきましたが、絵画でも同じくらいすばらしい作品を制作されています。音楽と絵画の間を行ったり来たりといった感じなのでしょうか、それとも一定期間どちらかに集中して取りかかる、というやり方でしょうか?現時点では、絵画と音楽をほとんど同時に行っています。私にとっての第三の柱は、Primary Informationと出版です。私には、出版社としての仕事とアーティストとしての仕事を分けて考える傾向があります。芸術という枠内においては、音楽とビジュアル・ワークは常に同じ歩調で進行します。これらは、アーティストとしての私にさまざまな関心を提供してくれます。また、どちらにもそれぞれの定型みたいなものがあるので、こういったパターンを脱するためにも、両方を行ったり来たりするのはいいことです。サウンドはイメージに比べてウイルス攻撃に対する受容度が高いのでしょうか?それとも逆でしょうか?ビジュアル素材のほうがずっと受容度が高いと思います。できることが多いです。イメージをありとあらゆる種類の方法で感染させて、ひとつのフォルダーに入れます。画として上手くいきそうに思えるものを選び出して、「maybe(多分)」という名のフォルダーに入れます。絵画約20点の展覧会ごとに、少なくとも1,000のイメージを生成します。そのうち50ほどが「maybe」フォルダーに入り、そこからさらに選別していきます。元のイメージはすべて絵画の下地となる素材です。いつもそうではありませんが、そうであることが多いです。ビジュアル素材の方がより受容度が高く可鍛性があるとのことですが、結果として生まれる作品の観点から、絵画と音楽のどちらを好まれますか?素材のレベルでは、絵画の方がプロセスの受容度が高いと思いますが、コンセプトのレベルにおいて、私がより好むのは音楽というメディアです。文化に流通していくさまは、絵画に比べてはるかに優れています。ある絵画を偶然目にしたとして、それが頭に焼き付いて離れないということはあまりありません。私は音楽を聴くということにおいてかなり受動的で、何か別のことをしながら常に音楽を聴いているのですが、バックグラウンド・ミュージックとしての音楽というアイデアが好きなのです。座って聴くというのも好きです。人々が私のショーを見に来てくれるのはうれしいことですが、おもいがけない場面に音楽が現れるというアイデア、日常の背景に音楽があるというアイデアにずっと強く興味を引かれます。ウイルスを使用した作品で難しいのは、そこに辿りつくことです―つまり、制作内容を、さまざまな環境においてシームレスでありながらそれぞれがある種の独自性を保つ音楽制作を行える段階に到達させることです。これらのウイルスからピュアなポップ・ミュージックを作ろうとは思いませんが、ポップな作品が生まれたり、たとえば病院の待合室に流れるような音楽が生まれるのも面白いなと思います。音楽には、その生みの親の思いも寄らないようなふうに進む潜在的な力があるという考えが、私は好きなのです。 James Hoffによる着信音『I Just Called To Say I Love You』のダウンロードはこちらから。James Hoffについて詳しくは、Hoffのウェブサイトをご覧ください。

OSCiLLOT、最新アップデートで高度なオシレーターと出力モジュールを発表

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OSCiLLOT、最新アップデートで高度なオシレーターと出力モジュールを発表

おやまあ、私たちの子猫ちゃんは急速に成長している模様。そうなのです。Max for Catsのモジュラー・シンセシス・システム、OSCiLLOTがさらに成長しました。最新アップデートには、高度なオシレーター・ペアと、非常に便利なマルチチャンネル出力が搭載されています。試聴や詳細は下のビデオをご覧ください。Wave X、Swarm、Multichannel OutputWave Xオシレーター・モジュールには5,504のウェーブ・サイクルがあり、128のスムーズにモーフィングする波形として43のセットに分類されています。43のモーフィング・セットには倍音のシェイピング、フィルター・スイープ、母音フォルマント、各ウェーブサイクルに対するランダムなループが含まれています。もうひとつの新しいオシレーターは、その名も「Swarm」です。7基のサウンド・ジェネレーターと4種類の波形をデチューン、ランダマイズ、モジュレートし、非常に幅広い厚みのある豊かなトーンを生成できます。Multichannel Outputモジュールは、最大8のOSCiLLOTからのオーディオ・ストリームをLive内の個別のオーディオ・トラックまたはオーディオ・インターフェースの複数の出力にルーティングでき、スタジオの他の機器との統合をより興味深いものにします。OSCiLLOTから外部ハードウェア・シンセをコントロールするのに最適です。 OSCiLLOT 1.0.4 の新機能について詳しく見るOSCiLLOT by Max for Catsについてさらに詳しく

インプット/アウトプット:Valet

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インプット/アウトプット:Valet

シリーズ「インプット/アウトプット」では、Abletonコミュニティに属するプロデューサーのスタジオを訪ね、彼らの制作プロセスに取り入れられるインスピレーション、テクニック、技術と、そこから生まれる最新の音楽作品に光を当てていきます。ポートランドのアンダーグラウンド・ミュージック界で長年にわたり活躍するHoney Owensは、音楽ですでに数々のキャリアを重ねています。Nudge、Jackie O Motherfuckerなどのグループでコラボレーターとしても活躍するOwensは、ドローンとツイストの効いたブルースをValet名義で、サイケデリック・ハウスを(パートナーRafael Fauriaとのコラボレーションである)The Miracles Club名義でそれぞれ発表しています。今年5月、Owensは2008年以来となるValetとしての新アルバムを由緒あるKrankyレーベルからリリース。LP『Nature』にはギターが印象的な8作品が収められており、プロジェクト初期の自由な実験的レコーディングを構造化し、(Fauria、ポートランドのドラマー/マルチインストゥルメンタリストのMark Burdenの優れた妙技により)バンドライクな形に仕上げられています。Valetの新たな―そして少し意外な―進化の裏側に興味を引かれたAbletonは、OwensとFauriaにインタビューを敢行。新アルバムについて、『Nature』のクリエイティブな要素とテクニカルな要素について、The Miracles Clubをより実験的なテリトリーへと進めるプランが、偶然にもValet3枚目のアルバムと変化したいきさつについて、二人に話を聞きました。Valet名義の前作のリリースは2008年でしたが、あれから今日までに数々の音楽的試みがなされていますね。Valetプロジェクトに戻るきっかけは何だったのでしょうか?Honey Owens(HO):ある種偶然の出来事でした。友人から、Miracles Clubとしてチャリティ・イベントで演奏して欲しいと依頼されたのです。このイベントは、サンフランシスコでギャングに襲われ、病院で数回にわたる手術を受けなければならなくなった別の友人のためのものでした。ショーの日程が息子を産んだ数週間後だったので、どっぷり音楽につかるという状態ではありませんでした。私の妊娠中、RafがDJをして、私は出かけていってそれを鑑賞するといった感じだったのですが、出産予定日が近づくにつれて、母親になるということ、子供が生まれるということが、刻々と現実のものとなっていきました(笑)。そうこうしているうちに、Miracles Clubの新曲制作について話し始めるようになり、そのアイデアをもとにいろんな試みを始めるようになって、(曲やパフォーマンスの)構築し始めました。私がギターを使用するというのはRafのアイデアで、それはMiracles Clubの元のアイデアがそこから始まったからです。Rafael Fauria(RF):バギーでシューゲイザー的なダンス・ミュージックを作ろうと思って始めたのですが、全然ダンスの要素がないロック・ミュージックになりました(笑)。HO:それに、そのときはドラマーもいなかったので、Rafがドラムをプログラミングしたんです。それまで、ハウスやテクノの作品でしかドラムを制作したことがなかったので、「それじゃ、ぼくたちのお気に入りのバンドのドラム・サウンドがどんな風なのか考えてみよう」ということになって、それで「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド ドラム」とググって、モーリン・タッカーのドラミングをコピーしようとしてみたり、とにかく手に入るドラム・サウンドを片っ端から試してみました。RF:結局、(Roland)R-70ドラムマシンを使用することになりました。HO:これを使うと決めてからも、「どうやったらモー・タッカーみたいなドラム・サウンドを出せるのか」という試行錯誤は続きましたね。それに、結局ドラマー(Mark Burden)が参加するまで「ロック」っぽいサウンドにすることはできませんでした。Markが参加するまではチャリティ・イベントでMiracles Clubとして演奏していましたが、実際はValetの作品をプログラミングしたドラムと一緒に演奏していました。RF:当初は、アルバムすべてにプログラミングしたドラムだけを使用していたのですが、その後Markが録音した実際のドラムと入れ替えたりミックスしたりしました。HO:基本的には、Rafがレコ―ディングしたすでに存在しているリズムにあわせてMarkがドラムを演奏し、それをあたかもプログラミングされたドラムのように扱うという形をとりました。各ヒットにコンプレッションをかけたり、スイングを加えたりと、合成ドラム・サウンドをリアルなドラム・サウンドにするためのさまざまな加工を施しました。RF:主に行ったのは、Liveの オーディオ-MIDIマッピング機能です。それまであまり使ったことはありませんでしたが、ドラマーのニュアンスはそのままに、ドラムキットにマイキングしたサウンドを使用しただけの場合に比べて非常に巧みなヒットを作成することができました。生のドラムキット・サウンドだけを鳴らすのではなく、ドラムマシンのスネアとリバーブを欠けたアコースティックのスネアを同時に鳴らして音を重ねています。『Nature』はその大部分をLiveを使って自宅でレコーディングしたのですか?Live使用歴はどの位になりますか?HO:実は、(これまでのValetのアルバムである) 『Naked Acid』と『Blood is Clean』もLiveで制作しています。なので、Live歴はかなりになりますね。RF:あの頃、HoneyはLiveを4トラックのように使用していました―トラックをひとつ作っては再生、録音し、また別のトラックを作っては再生、録音…という感じで。HO:基本的に、Liveは私の2インチ・テープでしたね(笑)。RF:でも『Nature』では事情は違っていました。というのも、すべてライブ演奏用に作成されていたので、どの作品もセッションビューで制作をスタートしました。小さなループから始めて、ソング間を行き来できるコントローラーを使って即座にアレンジを作成しました。Miracles Clubのトラック構築でも同じようにLiveを使用すると思います。『Nature』はドリーミーなテクスチャと豊かなアトモスフィアのレイヤーが特徴的です。これらの要素はハードウェアとペダルを使用して外部で作成されているのですか?それともLive内部で?あるいはその組み合わせでしょうか?RF:内部で使用したエフェクトはリバーブとディレイをほんの少しだけ、それと主にコンプレッサ―関連です。より目立つテクスチャはペダルやラック・ユニットによるものです。こういったサウンドは、ライブ演奏中に録音したものですか?それとも、後で追加したり微調整したりしているのでしょうか?RF:ええ、ゆっくり調整を加えていき、ペダルを繰り返し演奏して「パーフェクト」なサウンドを見つけてから、演奏しながら録音して微調整を加えていきます。HO:アルバムに収録されている(アンビエント)テクスチャのほとんどは、古いBossペダルやEventideといったペダルや外部機器を通したギターなどの演奏によるものです。RF:ときには、後で変更するつもりでLiveのリバーブをボーカル・パートに重ねておいて、結局そのサウンドに慣れてそのままにしておくということもあります。なので、リバーブが強調されているということはありますね。外部シンセやドラムマシンを使用する際、ライブで演奏して演奏内容をサンプリングするのでしょうか、それともMIDIを使用してユニットをコントロールするのでしょうか?RF:両方ですね。シンセでは普通MIDIを使用しますが、それは時間に沿ってきちんと作成したいからです。このレコードでは、シンプルなシンセ・トーンとDrum Rackを使用して作成したクイック・ビートから始めて、Honeyがそこにギターを加えて、それをアンプに通して録音し、ループするクリップにしました。より自由な印象のこれまでのValetのLPとは異なり、『Nature』はどこか調和を感じさせる構成になっていて、ひとりのミュージシャンが多数のギター・ペダルを操っているというよりも、まとまりのあるミュージシャンのグループによる演奏を思わせます。『Nature』と、これまでの2作品『Blood is Clean』と『Naked Acid』をつなぐものとは何だと思われますか?HO:私もそれについて考えを巡らせました。曲を作っている間、それがMiracles Clubの作品ではないことは分かっていましたが、Valetの作品だとも思えず、「これをどう呼べばいいのだろう?」と考えていました。1991年、私は20歳かそこらでしたが、(マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの)『ラヴレス』や(ニルヴァーナの)『ネヴァーマインド』、ほかにもたくさんの(影響力の大きい)作品が発表された頃でした。当時の私といえば、友達のアマチュア・バンドでドラムや他の楽器を演奏していたに過ぎません。でも、91年に本当のバンドが組めていたとしても、あのときのバンドがそのバンドにあたるものになっていたと思います。だからこう思ったんです。このレコード用には新しいバンド名が必要かもしれない。でも、「いや、これはValetのアルバムだ。他のアルバムにも、いかにもValetという曲が1~2曲ある」と人は言うでしょう。そう考えるようになって、つながりを見出すようになりました。これまで多数のさまざまな音楽プロジェクトに参加されており、キャリアを通じて幅広いジャンルをカバーされていますが、こういった異なるインスピレーションをどのようにナビゲートされているのですか?プロジェクトやレコードごとのアイデアを構築する際に意識されていることはありますか?あるいは、クリエイティブなプロセスにおいて自ずから明らかになるようなものはありますか?HO:実際のところ、こういったことをやるアーティストがあまりいないことに驚いています。音楽好きなら、あらゆる種類の音楽が好きであるのが普通です。ラップトップのトラック・リストやレコードのコレクションを見ると、必ず誰のコレクションにもラップ、ダブとさまざまなセクションがあります。たくさんの音楽を聴いていろんなものを吸収すれば、「よし、今すぐこれをやってみよう」という気になります。Rafはレコードを通してヴァイブにこだわることに興味を持っているのですが、それを実行するのは楽しかったですね。「これはハウスだな」とか、「この曲には、このドラムと、ギターと、これら2つのキーボードだけを使用しよう」とか。いろいろと切り替えるのはごく自然なことだと思います。それができるのなら―ハウス・ビートもギター音楽も作れるのなら―両方やらない手はないでしょう? Valetについて詳しくは、KrankyのSoundcloudページおよびウェブサイトをご覧ください。その他のインプット/アウトプット・シリーズ記事はこちらから。

新Pack:フレッシュなドラム、濃厚なサウンド。Goldbaby Urban Cookbook 1

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新Pack:フレッシュなドラム、濃厚なサウンド。Goldbaby Urban Cookbook 1

ビンテージ機器を愛するGoldbabyは、キャラクターとヴァイブ豊かな優れたサウンドのインストゥルメントとサンプル・ライブラリの作成で高い評価を得ています。最新Pack、Urban Cookbook 1も例外ではありません。テープ、ビニール盤ダブ・プレート、ビンテージ・サンプラー、幅広いハイエンド外部機器をレコーディング段やプロセッシング段に使用し、温かみ、サチュレーション、パンチのあるサウンドを提供します。 3,000を超えるドラム・サンプル、コード、MIDIクリップ、ループ、Simplerインストゥルメントを収録したUrban Cookbook 1は、ドラムキット、ヒット、コード、ベース、各種プロダクション・ツールを豊富に提供。ダブステップ、ヒップホップ、ドラムンベース、エレクトロ、その他関連ジャンルの制作に最適です。 Urban Cookbook 1 by Goldbabyについてさらに詳しく

Lakker、サウンドとイメージの境界をあいまいに

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Lakker、サウンドとイメージの境界をあいまいに

音楽は、私たちの頭の中にイメージを浮かばせます。サウンドは、私たちの意識の目の前に、実際には存在しない空間上に形や景色を写しだします。数々のミュージシャンやプロデューサーが空間の変化を意識した音楽に取り組んでいるのも、この想像上の内部空間を実体化するための自然な発展といえます。オーディオとビジュアルをつなげることはプロデューサーやデザイナーにとって必須となりましたが、説得力と迫力のある両メディアの関係を構築することは、口で言うほどたやすいことではありません。 幸運にも、アイリッシュ・デュオのLakkerのメンバーDara Smithは、デザインとビジュアル・エフェクトのバックグラウンドを持っています。同じくメンバーのIan McDonnellと共に、Smithは、LiveとTouch Designerの組み合わせを使用して、Lakkerのテクノを強調し劇的な力を放つ多種多様な形状、テクスチャ、カラーを作成しています。下の実演ビデオでは、Lakkerがサウンドとイメージの間で注目のバランスを保つ方法が説明されています。始まりと終わりは抽象的になり、循環がもたらす求心力のあるコンセプト―音楽だけ、またイメージだけでは実現し得ない、深い概念―が姿を現します。LakkerがLiveとTouch Designerをビジュアルに使用する方法、わずか数個のベーシックな要素から驚くほど幅広いビジュアルをもたらすその手法については、こちらをご覧ください。Lakkerについて詳しくは、ウェブサイトおよびSoundcloudをご覧ください。Lakkerの『Tundra』はR & S recordsからリリースされています。

Aron Ottignon:バランスの問題

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Aron Ottignon:バランスの問題

ニュージーランド出身で現在はパリを拠点に活躍するピアニスト、Aron Ottignonは、ソロとして、またStromaeやWoodkidといった他のアーティストとのコラボレーションで、ジャズ・ピアニストとしてのピアノの腕を着実に成長させています。最新リリースで、OttignonはRodi Kirk、UKのスティールパンおよびパーカッションの名手Samuel Duboisとタッグを組みました。その結果生まれた『Starfish E.P.』は、エレクトロニックを効かせたパーカッション満載の21世紀ジャズの万華鏡のような作品となっており、幅広い非西洋音楽のスタイルからひらめきを受けた作品ともなっています。 EPを素材とするライブを準備するなかで、この3名のミュージシャンにとっての課題は、ジャズ・パフォーマンスの醍醐味でもある即興性を残しつつ、スタジオ・レコーディングの複雑さを再現することにありました。Rodi Kirkは、Push、ドラムマシンTempest、ミキシング卓、カスタムのMax for Liveデバイスを取り入れたソリューションにたどり着きました。これにより、エレクトロニックな要素をピアノやパーカッションと対等に使用することができるようになり、Ottignonのダイナミックな作品でトリオが駆け引きをする余裕が生まれました。 オーディエンスの前で試す準備を整えたOttignon、Kirk、Duboisの3名は、歴史的なスタジオFunkhaus Berlinで親密なライブ・レコーディング・セッション用に楽器をセットアップしました。Abletonのカメラ・クルーは、このパフォーマンスの全貌を記録するべく現場に立ち会いました。カリビアンな雰囲気を伴うトラック『Starfish』のライブ・テイクをご覧ください。3名のミュージシャンが、ライブ感豊かな活気にあふれた装飾で緊密に組み合うグルーヴを構築する様子がご覧いただけます。Abletonのミニ・ドキュメンタリー『A Question of Balance』では、Aron Ottignon、Rodi Kirk、Samuel Duboisが作品をスタジオからステージへともたらす方法、音楽的自由度を最大限に広げるためにセットアップを調整する手法をご覧いただけます。PushのユーザーボタンをMIDIマップ可能にする(Pushユーザーモードをオフにする)には、この無償のMax for Liveデバイスを使用します。Aron Ottignon、Rodi Kirk、Samuel Duboisによる30分にわたるFunkhaus Berlinでのパフォーマンスはこちらをご覧ください。 Aron Ottignonについて詳しくは、ウェブサイトおよびFacebookをご覧ください。Rodi KirkによるBandcampでの音楽プロジェクトはこちら。Samuel Duboisについて詳しくは、Facebookをご覧ください。

Magic Racks:オールインワンのダンス・ミュージック・ツールキット、Sample Magicから登場

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Magic Racks:オールインワンのダンス・ミュージック・ツールキット、Sample Magicから登場

Sample Magicが、オールインワンの制作/パフォーマンス・ツールキットとしてデザインされたRackの総合コレクションを発表しました。ダンス・ミュージック制作の基本をくまなくカバーし、カスタマイズ性にも優れたインストゥルメント、エフェクト、ミキシング、マスタリング用Rackは、トラックのあらゆる側面で思い通りのサウンド作りに活躍します。詳しくは、Magic Racks by Sample Magicをご覧ください。

Anthony Pirog:オーディオからMIDI、そしてまたオーディオへ

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Anthony Pirog:オーディオからMIDI、そしてまたオーディオへ

Anthony Pirog アメリカ人ギタリストAnthony Pirogは、その多才さが特徴です。ブルース、ジャズ、ロックのるつぼで育った名手であるPirogは、ずらりと並んだペダルと変幻自在なテクニックで、その姿を自由自在に変えます。そんな彼のデビュー作『Palo Colorado Dream』は、ある種の新たなギターヒーローとしてのPirogの存在を決定づけるものとなりましたが、彼はそういった賛辞にあぐらをかいたり、定評のサウンドに手を出すようなアーティストではありません。新しい何かを求めて、Pirogが目を付けたのは、Liveのオーディオ-MIDI変換機能の可能性でした。アナログシンセのレイヤーやアレンジのトリガーにギターを使用するかどうかに関係なく、Pirogのストーリーは、テクノロジーを使用してよく知る何かに新たな命を吹き込むケーススタディとなっています。 Audio-MIDI変換機能を使うアイデアはどこから得られましたか?この機能に初めて触れたのは?2013年3月、私はデビュー作『Palo Colorado Dream』の制作にとりかかっていました。The Brinkというスタジオでポストプロダクションを行っていたのですが、ギターのトーンが思っているのとかなり違うように感じていました。ギターパートをシンセでダブリングして優れたテクスチャを加えたのですが、2つのトーンをうまく組み合わせるのは簡単ではありませんでした。まるで、2名のミュージシャンがそれぞれのフィーリングで演奏しているような感じでした。私が求めていたのは、ギタートーンの特定の部分を補強することでした。 そこで役に立ったのが、LiveのオーディオをMIDIに変換する機能です。当時はまだLiveを持っていなかったので、1カ月間無償で試用できる試用版をダウンロードして、ギター演奏をインポートし、MIDIに変換しました。すぐにLiveに内蔵のシンセサウンドを使用してギタートラックのMIDI録音をチェックしましたが、セッションでの自分のパフォーマンスの人間らしいリズム感にマッチしたことに感動を覚えました。これで、サウンドの組み合わせを使用するまったく新しい可能性の扉が開かれたのです。The BrinkのオーナーでありエンジニアのMike Reinaは、私のデビュー作の共同プロデューサーでもあるのですが、ビンテージアナログシンセをかなりの数コレクションしています。彼と一緒に、Liveから抽出したMIDIトラックをいくつかのシンセ(特に、Sequential Circuits Prophet 5とsynthesizers.comのモジュラーシンセ)に送信することを始めました。 このシンセサウンドは必ずしも目立つものではなくギターパートを圧倒するようなことはまずない一方、温かみと減衰を加え、レコーディングセッションから取り上げたギター演奏を強化してくれました。ギター演奏に完全にマッチするようシンセパートにフェードインするオプションがとても気に入りました。 コンピューター、シンセ、MIDIがオーガニックなツールとして語られることはあまりありません。装飾を省いた美が特徴のあなたのスタイルにこれらのツールを適合させ、強化ツールとして使用するのにどのような手法を用いたのですか? シンセを用いた音楽を長い間聴いてきました。シンセのテクスチャを使用することは、スタジオ作業中によく考えるアイデアです。10代前半、私は録音物とライブ演奏はまったく異なるものだと考え、それらは同一である必要はないし、ケースによっては同一なものにはなり得ないと思っていました。今回の作品では、Michael Formanekをベースに、Ches Smithをドラムに迎えたトリオでの録音を考えていました。2日間に渡ってライブ演奏し、単なるスタジオでのライブ演奏以上の何かを制作するために時間をかけました。録音される音のまわりの空間に注目し、単に録音した音を並べるのではなく、それらの空間に十分配慮したサウンドにしたいというのが私のアイデアでした。ジャズミュージシャンとして捉えられることが多いのですが、インディーロックもよく聞きますし、今気に入っているレコーディングにはシンセが多用されています。それらによって興味がそそられ、シンセサウンドを作品に使用する気になりました。 このセットアップでの作業を始めるにあたって、慣れるまでに時間はかかりましたか?実はかなり簡単でした。ほとんど時間はかかりませんでした。ギターのオーディオトラックをインポートして、ボタンを押すだけでMIDIに変換できました。変換は完全ではありませんでしたが、非常にすばらしいと思いました。上音やいくつかの音の検出ミスがあったので、MIDIトラックに手を加える必要がありました。でも、演奏のリズムはそのまま変換されていたので、音にいくつか手を加えなければならなかったことはたいしたことではありませんでした。少しの修正が終わると、「MIDIの世界へようこそ!」という感じでした。ワークフローと結果には正直圧倒されました。次の作品では、ドラムとアコースティックベースにこのツールを使用するつもりです。このツールには大きな可能性があると思います。 スタジオでMIDIギターを抱えたAnthony Pirog それでは、レイヤーの次は何でしょうか?オーディオ-MIDI変換機能で次に実現したいことは?次の目標は、ギターをライブ演奏やレコーディングにMIDIコントローラーとしてうまく使用できるようになることです。キーボードはあまり上手ではないので、MIDIやソフトシンセをギターでコントロールできるようになることは、非常にエキサイティングでインスピレーションをかきたてます。私にとって、ギターとシンセのミキシングは美的見地からいって危険なテリトリーですが、自分に何ができるのか非常に楽しみです。Anthony Pirogについて詳しくは、彼のウェブサイトをご覧ください。

Amazing Noises、2つのワイルドなエフェクトでLiveにカオスをもたらす

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Amazing Noises、2つのワイルドなエフェクトでLiveにカオスをもたらす

オリジナリティに優れたDark SynthとSpectrum Effectsで知られるAmazing Noisesが、先進的なプロデューサーやサウンド・デザイナー向けのアナーキーなエフェクト・デバイス・ペアChaos Bundleを発表しました。Packnに含まれるDedalus Delayは、2つのフィードバック・ディレイ・ラインに連続的なグラニュレーションとモジュレーションをかけて入力信号を変化させ、複雑なエコーを生成します。もうひとつのデバイスはStutter Switchで、フィードバック・ディレイ、スイッチ・モジュレーション、エンベロープ・ジェネレーターを包含したゲートおよびスタッター・エフェクトです。Chaos Bundle by Amazing Noisesについてさらに詳しく

美しきデータ:マックス・クーパーと音楽における創発

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美しきデータ:マックス・クーパーと音楽における創発

その概念について見聞きしたことはないかもしれませんが、創発は、私たちを取り巻く世界に深く組み込まれています。創発は、はるか昔から万物を形成する力であり、今も生命の行く末を決定し続けています。大まかに言って、小さな特性が相互に作用し、より複雑な現象を形成するプロセスのことをいいます。結晶を形成する水の分子、有機体へと進化する細菌などがそれにあたります。創発が意味するところは、生物学者、哲学者、化学者と、それを誰に尋ねるかにより異なります。遺伝学者からプロデューサーへと転身したマックス・クーパー(Max Cooper)にとってそれは、彼の新しいオーディオビジュアル・ライブの概念的枠組みです。サウンド・デザイン、音楽構造、ビジュアル・モチーフを創発に結び付けることは、人々の興味を引きつける組み合わせです。あなたの音楽が均整美により進化し、宇宙そして生命を形成するとしたら?Abletonは、目がくらみそうなこの概念下で何が起きているのか、普遍法則が音楽にどのような影響を与えているのかについて、クーパーに話を聞きました。 創発の概念に出会ったのはいつですか?科学とは、要は還元主義で、自然現象と過程を説明するのに使用できるシンプルな原理や法則を学ぶことです。しかし、気体分子の作用のシンプルな方程式を学んだとしても、現実はずっと複雑です。創発はそこに内在しています。つまり、部分の性質の単純な総和にとどまらない性質が、ひとつの科学的観点では説明できない方法で、私たちを取り囲む世界においてより豊かで多面的に現れるという考えです。創発は、初期段階で教わる概念ではありませんが、常に表面下に存在しています。それがいつだったかは分かりませんが、いつだったにせよ、私のそれまでの知識の延長線上にあるものだと捉えることができました。これは、あらゆる種類のさまざまなアイデアをショーに持ち込むことを可能にする一般的原理です。科学的データ内に存在する自然の美を利用する優れた方法です。私たちの周りには、たくさんの美しいデータがあるのです。音楽における創発の現れはどこにあるとお考えですか? グラニュレーションは音楽的創発の好例です。音楽からごくごく微量の断片を取り出し、それをまったく新しい作品の起点として使用するというところです。前からミクロなディテール、クリック、グリッチが好きでした。ライブでは、Grain DelayやMonolake Granulatorを、ビジュアルに影響するパラメーターにマップ下ローパス・フィルターと組み合わせて使用しています。これらのオーディオ・グリッチをフィルターして、画像をビジュアル・グレインへと徐々に分解していき、オーディオとビジュアルの相乗効果を得ています。これは、コンセプトとプロセスを結び付ける試みのひとつです。ショーではこの反対を試みることも数多くあり、その場合曖昧なところからスタートして具体的な何かを形成していきます。スクリーン上にある何だかよく分からないものが、ゆっくりと識別できる何かへと変化していきます。こんな感じで、脱構築することも、構築することもできます。ソースが分からなくなるようなサウンドの扱い方や加工の仕方、またそのプロセスを逆転させて行う方法を常に模索しています。そうすることで、ごみに思えるものからこのような興味深いサウンドやボーカルの創発を得ることができるのです。カオスから秩序へとつながるこの推移は、私が愛するもののひとつです。 Emergenceショーのセットアップについて説明するマックス・クーパー このストーリー展開は創発を反映していますか?ストーリー展開は創発についてですが、宇宙の時系列について語っています。このショーはビックバン以前からスタートし、素数分布、数学的形式における数の構成、宇宙の出現前に存在した自然法則の概念について見ていきます。その後、ビッグバンから星と惑星の形成、初期の生命体の進化へと進んで行きます。さらに人類の登場と人口の爆発、資本主義、悪夢を思わせるバランスを失った私たちを取り巻く現在の状況へとつながります。ストーリーのこの部分はどうみても暗くネガティブなので、それに合わせて音楽はよりアグレッシブで不穏なものとなり、一方、初期のパートの多くは比較的美しいものとなっています。このストーリー展開によって特定の感情の連鎖へと追い込まれたことで、これまでとは少し違った音楽になりました。音楽に普遍的法則はありますか?自然法則は単なるパターンです。何億年も前そして今も真である物事の相互作用を定義するものです。そこには対称性があり、時間的なパターンがあります。そして音楽も、時間的なパターン、波形におけるパターンです。つまり、音楽と自然法則の間には深いつながりがあります。人類は環境にパターンを求めるよう進化してきました。人間が音楽を楽しいと感じるのも、もしかするとそのしるしなのかもしれません。パターンを見つけると、人はそれを好ましいと感じます。好ましいと感じると、人はよりいっそうそれを探し求めます。これこそ、人類が非常に成功した種である理由です。私たちを取り囲む環境をコントロールし、人間ならではの方法で理解するのはそのためです。これと同じ論理を、人類がなぜ音楽を楽しむのかという問いにも当てはめることができます。パターンの探求という人類の基本的欲求が関係しているのです。 マックス・クーパーについて詳しくは、FacebookおよびSoundcloudをご覧ください。

Max for CatsがOSCiLLOTをアップデート:7つのモジュールと新シンセシス・チュートリアル・ビデオをリリース

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Max for CatsがOSCiLLOTをアップデート:7つのモジュールと新シンセシス・チュートリアル・ビデオをリリース

Max for CatsのOSCiLLOTはその成長を止めません。新しい無償アップデートでは、7つの新モジュールがモジュラー・シンセシス・システムに追加され、既存のモジュールの機能の一部が拡張されています。新たに追加された機能には、カープラス-ストロング・ベースのオシレーター、入力オーバードライブ搭載のフィルター、レスリー・スピーカー・シミュレーター、ロボティック・ボイスやボコーダー・サウンド・エフェクトを作成できるボイス・モーファー・モジュールなどがあります。サウンドの試聴や詳細は下のビデオをご覧ください。モジュラー・シンセ・マスタークラスOSCiLLOTを使用することで複雑なデバイスのパッチングに興味を持ったのなら、ますます拡大を続けるMax for Catsのビデオ・チュートリアルもぜひお見逃しなく。最新ラインナップにはマスタークラス・シリーズの第1回も含まれており、本シリーズではさまざまな種類のオーディオ合成について、またOSCiLLOTを使用した実行方法について説明しています。マスタークラス第1回では、全シンセサイザーの95%に見られる減算合成を扱っています。OSCiLLOT 1.0.2の新機能を見るOSCiLLOT by Max for Catsについてさらに詳しく

Peaking Lights:廃品置き場からLiveまで

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Peaking Lights:廃品置き場からLiveまで

Aaron CoyesとIndra Dunisの夫婦デュオPeaking Lightsは、がらくたの山からお宝を見つけ出すのが得意。古い電子機器の廃棄部品を集めて素朴なサウンド・ジェネレーターを構築するという彼らの少し怪しげでダブの効いたスタイルは、クリエイティビティに対するDIYな姿勢の産物なのです。地に足の付いたメンタリティと相まって、昨年リリースされた『Cosmic Logic』など彼らの作品は伝統と革新の間の微妙な境界線を牽引するものとなっています。Abletonは彼らにSkypeインタビューを敢行。テープ同期によるパフォーマンスからLiveを利用したセットへの移行についてCoyesに話を聞きました。 Peaking Lightsのライブの様子(WFMU) まず、そのケースに入っているシンセについてお話を聞かせてください。不思議なパワーを帯びたCasioという感じに見えますが…。 どこのメーカーだか分かりませんが、Casioではありません。ある種のモジュラーのように構築しています。ちいさなEQノブはすべてスイッチになっていて、いろんなエフェクト用のポテンショメーターも付いています。サーキット・ベンディングの経験がおありで?いいえ、15年の間になんとなく分かるようになってきただけです。これまでに何か(あるいは誰か)を爆発させてしまったことは?アクシデントはいい結果につきものですが、まあ、間違って電気の通っている電線を口にくわえてしまったり、ばかなことをしてしまったことはありますね。なんでも手で済ませようとしてしまって、ワイヤー・ストリッパーとかを使ったりしないんです。電線を手でちぎって、歯で被覆をはがしてしまうんです。そのケース、なかなか素敵ですね。ええ、ツアーにうってつけです。すべてを詰め込んだこういうコンパクトなものが欲しかったんです。EMSに影響されているところはかなりありますね。あのSynthiみたいな。あれだったら飛行機に乗るときも手荷物にできるので、預け荷物にする必要がありません。今は、手作りシンセはすべて家に置いています。まだ動くことは動くんですが、かなりダメージもありますから。