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Ambivalentによる「Hexen」大解剖 - 無償Liveセットとインタビュー

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Ambivalentによる「Hexen」大解剖 - 無償Liveセットとインタビュー

遊び心を感じさせる「R U OK」、2012年のイマーシブなミックス「_ground」などの良質なリリースで、Ambivalent名義で活躍するKevin McHughは、ミニマル/テクノ・ミュージック界で一流ミュージシャンのリストに名を連ねています。Kevinは長年にわたるLiveユーザーでもあり、スタジオ制作、ライブ・パフォーマンス、DJセットの一部としても使用しています。 Octopus Recordingsからの最新リリース「Blackfish EP」と同時に、Kevinは新曲「Hexen」の主要サウンドとシーケンスをフィーチャーした無償Liveセットを公開しました(注:使用にはLive 9 Suiteが必要です)。AbletonはKevinにインタビューを行い、「Hexen」のサウンド・デザイン、ミニマル・ミュージック制作における苦労、完全五度の美しさについて話を聞きました。 「Hexen」では数少ないパートが効果的に使用されていますが、この制約がトラックにスリリングさを与えているように思えます。トラックのパート数の判断の決め手となるのは何ですか? 「シンプルであることは簡単だ」などと言う人にかぎって、間違ったことをやっているのではないかと思います。私も同じで、しっかり理解できているとは断言できません。制作における自制はてこずる事柄のひとつです。アイデアには複雑さが必要になることもありますが、重要なのは、「今加えようとしているこれは、最終形に必要なものなのか?」という問いを投げかけることです。私はこの問いをプロセスの早い段階で投げかけるようにしています。完全なアイデアがありながら、そこから逸脱する余地のある状態に達することができればいいですね。欠かせない要素を取り出し、その声を優れたアレンジとして形にすることが重要です。切りのいいところに到達するまで、出来の良し悪しについて自問しないように気を付けています。何週間もかけても完成しない考えすぎのループ1つが出来上がるより、完成させたトラック10つをあきらめる方がましです。 「Hexen」のアレンジでは、クリップとエフェクトは生で演奏したのでしょうか?それとも手動で編集されたのですか?通常、アレンジはどのように行っていますか? Live Packにはオリジナルのセッションと同じシステムを使用しています。キーボードを使って演奏したあるアイデア(シンプルなペンタトニックのリフ)からスタートし、他のシンセを加えてレイヤーを追加しました。その後、AbletonのMIDIツールChordを使用して各シンセに完全五度とオクターブを追加し、シンプルさを保ちながら、ハーモニーに厚みを与えました。元となるツールが同じなので、オリジナルのセッションをこのLive Packで再現するのはとても簡単でした。 「Hexen」では、和音に3種のシンセがレイヤーされています。各レイヤーのサウンドのデザインについてお聞かせください。 オリジナルのトラックにある外部シンセで使用したパッチのいくつかを再現しようと考えました。オリジナルでもレイヤーされていたものです。Abletonシンセにも同じパワーがあり、場合によっては私が使用したオリジナルのシンセより機能に優れています。アナログ機器とデジタル機器の違いは、単に好みの問題だと思っています。あるインストゥルメントで別のインストゥルメントを再現しようとする試みはなかなか面白いものでした。どれほど重複するものなのか理解することができました。レイヤーにより、シャープでアタックの強いサウンド、オリジナルのパッチで気に入っていたエンベロープや波形を残すことができました。その一部は、特定のパッチの進化具合とアレンジ内の別のボイスによる強化の必要度により決まります。Operatorのインスタンスのひとつはすばらしいのですが、他が変化を続けるのに対して、こちらは変化しません。Analogのインスタンスはハーモニーを強化するために置かれていますが、他を打ち消してしまうようなことはありません。 パッチの設定が完了したら、Dynamic Tubeツールで少し色づけし、プリアンプなどのサウンドを再現していきました。その優れた再現能力には驚きました。 Ambivalentの「Hexen」のコード進行 コードの複雑度もトラック内で変化しています。これについてもお聞かせいただけますか? 常々思うのですが、アイデアについて考える際、最も重要な場面は、そのアイデアがどこまで広がるものなのかを試すときだと思います。そういう意味で、テクノは、あるフレーズから最後の一滴までアイデアを絞り出すのに適しています。このトラックは、このフレーズからドラマとストーリーを生み出す試みでした。目新しいことは何もありません ― 私より上手くやれたアーティストはたくさんいるはずです ― ただ、一定のゾーンだけにとどまるべきフックではないように感じられました。私が求めていたのはジェットコースターでした。行き先のわからないまま上へ上へと引っ張り上げられ、ゼロ地点に突き落とされ、またスタートするというような感覚です。 ハイハットはAnalogでシンセサイズされています。このような形でドラムをシンセサイズすることは多いのですか?サンプリングではなくシンセサイズすることの利点とは何でしょうか? オリジナルのセッションはVermona DRM1を使用して録音されていて、ハイハット・ボイスのディケイとフィルターをオープンにしたライブ・テイクを録音しました。コントロールを触りながらアレンジに合わせて演奏するのはとても楽しかったですよ。Analogプラグインは自然な選択でした。ノイズ・フィルターとエンベロープというクラシックな構造とサウンドを持っていますからね。ここでもDynamic Tubeを使用してオリジナルで用いたシグナル・チェーンをエミュレートしました。Live Packのアレンジ・セクションのオートメーションと自分のライブ・スタジオ・レコーディングが近づくよう努力しました。 ベースのトラックでのおさまりがいいですね。EQが効果的に使用されているように思えます。これについて詳しくお話しいただけますか? ベースの倍音には長い間苦労してきました。特に、キック・ドラムに合わせて調整する際は大変でした。トラックの出来はそこにかかっているといっても過言ではないでしょう。ベースは十分な倍音の幅が必要ですが、ミックス全体を支配してしまうことがあってはいけないし、キックがしっかり抜けるよう余裕を持たせなければなりません。このトラックでは、キックの基音と二次倍音の周波数をベースから引き出し、ベースラインのリーチがローミッドにおさまるようにしました。これで、シンセ・レイヤーの副倍音のじゃまをせず、私の好きなブーミーなサウンドを聴かせることができます。ベースがリードと同じピッチを追うようにすることで交差するポイントを見つけ、ベースのローパス・フィルターと、リードのハイパスとシェルフをそれぞれ設定することができます。少しだけサイドチェーンをかけるとキックに余裕ができ、ふくらみが強調されすぎることがありません(多少の膨張感はありますが)。サイドチェーンには、ソースがデジタルであるかアナログであるかにかかわらず、いつもAbletonのコンプレッサーを使用しています。シンプルで、機能と透過性に優れたツールです。Abletonのエフェクトでのサイドチェーンはすばやく簡単に設定できますし、またLive 9のEQにはハイパスとローパス用のシェイパー・カーブ、スペクトル表示、ミッド/サイド処理などの便利な新機能がたくさん搭載されています。 Ambivalentについてさらに詳しく 「Hexen」LiveセットをOctopus Recordingsからダウンロード

Tunde AdebimpeがDubspotでLiveを体験

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Tunde AdebimpeがDubspotでLiveを体験

Tunde Adebimpeは、テレビやラジオでマルチな才能を発揮しているアーティストです。マッシブ・アタックやデヴィッド・ボウイなどとのコラボレーション、ミュージック・ビデオの監督およびアニメーション、「レイチェルの結婚」など映画出演でも有名です。これほど経験豊富なTundeが、プロダクションとサウンド・デザインのスキルを向上させようとDubspotでクラスを受講し始めました。下のビデオでは、Tundeが、Ableton Liveの操作を学ぶ過程でこれまでの経験に関連させて話をする様子や、Dubspot Abletonのユーザー・グループ・ミーティングでの認定トレーナーDan Freemanによる演奏をご覧いただけます。 Dubspotブログでさらに詳しく

アーティストのスタジオ - Exercise OneとHeartthrobをフィーチャーしたPoint Blankビデオ

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アーティストのスタジオ - Exercise OneとHeartthrobをフィーチャーしたPoint Blankビデオ

Exercise Oneのスタジオにて どのアーティストにも、その制作手法には独自のニュアンスというものがあります。アーティストのスタジオを観察することで多くを学ぶことができます。Ableton認定教育機関Point BlankはBeatportと協働し、ベルリンをベースに活動するエレクトロニック・ミュージック界のアーティストを紹介するシリーズを開始しました。こちらから、Exercise Oneをフィーチャーした最新回をご覧いただけます。 シリーズ第1回では、Heartthrobが自身のレーベルIsnisntからリリースした最新作について説明しています。Max for LiveのMIDIエフェクトがいくつか紹介され零ます。 Point Blankについてさらに詳しく

Tim Shiel、進化するゲームのサウンドトラック制作について語る

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Tim Shiel、進化するゲームのサウンドトラック制作について語る

ソロ・アーティストとして、またGotyeのメンバーとして活躍するTim Shielは、新しいアイデアやチャレンジを取り入れることをいとわないミュージシャンです。難易度が変化するiOSのパズルゲーム「Duet」のサウンドトラック制作を依頼されたTimは、ゲーム内容にマッチするスコアをデザインしました。長いLiveセットとして作成された「Duet」サウンドトラックについて、自身が受けた影響について、サウンドの源についてTimに話を聞きました。 このゲームのサウンドトラックは、ゲームの進行やプレイのクオリティに応じて動的に変化していますが、これはどのようにして実現したのですか? このゲームの核をなすシステムは非常にシンプルで、ビジュアルも極めてミニマルなスタイルです。ゲームが進行するに連れて難易度が上がることを除けば、ステージを進めるごとに変化する要素はあまりありません。とても病みつきになるゲームでトランス状態を引き起こすほどですが、ストーリー性はそれほど強くないので、そこをカバーする音楽を作成するというアイデアはどうかな、と思いました。全体としてのまとまりがありながら、特定の場面や感情、集中力、緊張感、解放感とシンクロする、ストーリーを感じさせるものにしたいと考えたんです。より動的でノンリニアなアプローチ(音楽がプレイ要素に反応する仕組み)を採ることも検討したのですが、最終的にはより一般的なリニアなスコアになりました。しかし、流れや動きの要素が十分に含まれているので、プログラミング・レベルではそのような仕様になっていなくても、まるで音楽が指の動きに直接反応しているかのように感じられるようになっています。 サウンドトラック制作開始に際するメーカーからの指示はどのようなものでしたか? (Duet開発元である)Kumobiusのスタッフは、僕に信頼を置いてくれて、好きなようにさせてくれました。これにはとても感謝しています。唯一の参考基準として提供されたのがAphex Twinの「Xtal」で、ここからイメージをふくらませていきました。基準点を示してくれたことで、彼らが求めているものが、エレクトロニックでありながらオーガニックで、音楽的でありながらテクスチュアルなものだと理解することができました。ゲームのビジュアル要素が非常にミニマルなので、ゲームにおける音楽の役割は、シーンの明暗、コントラスト、表現力をもたらすという意味においてより大きなものとなることを、Kumobiusのスタッフは感じていたのだと思います。 Tim Shielによる「Duet」サウンドトラック用Liveセット サウンドトラックは1つの大きなLiveセットとして作成されたとのことですが、このような手法を採った理由は? スコア全体に一貫して同じサウンド・パレットを使用したかったのと、全体を通して繰り返すモチーフや要素があったからです。音源数を最小限にとどめ、暴走しないようにするためにも、1つのLiveセット内でスコア全体を作曲するのは面白い方法かも、と思ったのです。よく言われることですが、ワークフローに制約を設けることで、よりクリエイティブになり、より興味深い結果を得られることがあります。可能性が無限で制約がなさ過ぎるように思えるデジタル・オーディオではまさにその通りです。またこの手法を採ることでより注意深くなり、いくつかの要素をつなぎ合わせたものではなく、スコアを全体として確認するようになりました。あるサンプルのテクスチャに変化を加えれば、同じトラックを使用している他のトラックのミックスにも影響を与えます。ということは、私がアレンジメントで加える変更に反応してスコア全体がコンスタントに変化しているのです。結果として、非常にまとまりのあるスコアとなったと思います。どの場面も「Duet」らしい出来になり、満足しています。 サウンドトラックに使用されたサウンドの作成についてお聞かせください。 Phon.0のBlack Boulderドラム・ラックは重要なスターティング・ポイントとなりました。このドラム・ラックの別バージョン(独自のサウンドを加えたもの)が、サウンドトラックのメイン・キットとなりました。エレクトロニック・ドラム・サウンドと自然な聞こえの木製打楽器と室内音のミックスには、人工的なサウンドとオーガニックなサウンドの調和が重要になると思います。シンセ・サウンドとノイズや即興のドローン・エフェクトにはTeenage EngineeringのOP-1も多用しました。それと、ドラマチックな場面を強調するのにSonicCoutureのeBow Guitarも使用しました。eBow Guitarはアンビエントでテクスチュアルなサウンドの作成に特に最適ですが、私はこれを少し奔放でワイルドな感じにして、月に向かって吠えているようなサウンドにしました。バーチャルのeBow Guitarと、Gotyeのバンド仲間のBen Edgarが弾くスチール・ギターが、面白い相互作用を生んだ瞬間がいくつかありました。 実は私が気に入っているサウンドはゲームの効果音なんです。落ちてくるレンガとぶつかると聞こえる巻き戻しサウンドです。この衝突音と巻き戻し音は、OP-1のバーチャル・テープ・マシンで作成したものです。OP-1には独自のテープ・エフェクトがあるんです。OP-1の巻き戻し音は一日中聞いていても苦にならないのですが、この特徴的なサウンドがぴったりな場面を見つけることができました。 Duetについてさらに詳しく Tim ShielによるDuet OST GotyeとTimの制作についてウェブサイトの特集記事を読む

Moldover:パフォーマンスとコントローラーイズム

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Moldover:パフォーマンスとコントローラーイズム

Moldoverと彼のコントローラー群 ミュージシャン、起業家、教育者として、Moldoverの名は「コントローラーイズム」と同義といっても過言ではありません。コントローラーイズムとは、クリエイティブで表現力豊かなインターフェースをデザインするムーブメントです。macProVideoの新コースとアルバムの制作で現在多忙なMoldoverに、愛用ソフトウェア、コントローラー、鼻を使った2本のリコーダーの演奏について話を聞きました。 音楽を始めたきっかけとなったインストゥルメントは何でしたか? 小学校のリコーダー・アンサンブルで一番まじめに演奏していた子供でした。「歓喜の歌」の2パートを、2本のリコーダーを鼻で演奏することができたんですから。コンサートでこの技を披露することはかないませんでしたが。 あなたにとって「コントローラーイズム」とは何ですか?コントローラーイズムに影響している特定の音楽スタイルはありますか? コントローラーイズムとはシンプルです。新しいテクノロジーを使って音楽を作ることです。今はコントローラーに注目が集まっており、そこからこのムーブメントの名が付けられました。ボタン・プッシャー、フィンガー・ドラマー、デジタルDJ、ライブ・ルーパー、マルチ・インストゥルメンタリストなどは皆コントローラーイストです。すばらしいのは、ムーブメント自体がまだ新しく未発達で、スタイルが一定でないことです。音楽的に解放されることがすべてなんです。 コントローラーイズムのこれまでの発展についてはどのようにお考えですか? 私自身のコントローラーイズムに対する考えはあまり変わっていませんが、私を取り囲む世界は違います。ソロ・コントローラーイストとして初のセットを2003年のBurning Manで演奏しましたが、これまでの人生で最高の時間でした。音楽の未来の一部を体験したと実感しましたし、それを世界と共有するという目的を果たすこともできました。さまざまなコントローラーとソフトウェアを活用し、アンダーグラウンド・パーティを開き、インターネット・ビデオを制作してアイデアを広めるといったことを始めました。それから時が経ち、今では楽器店に行けば、ソフトウェアにシームレスに統合する、目を見張るようなコントローラーを購入することができます。主催していたパーティももはやアンダーグラウンドではなくなり、ツアー・アーティストをサポートできるまでに大きく成長しました。最近では、さまざまな企業とコラボレートしてビデオを制作しています。視聴者数も数千から数百万になりました。このように私の周囲の環境は変わりましたが、あらゆる方法で音楽的に人々の心を解き放つという私の目的は今でも変わっていません。コントローラーイズムが何らかの形でその役に立つのなら、参加できることを誇りに思います。 下:Liveでのクリップ作成とアレンジのワークフローについて説明するMoldover スタジオ・ワークフローでは、Ableton Liveをさまざまなコントローラーとどのようにしてご使用ですか? スタジオでは、パフォーマンス/コントローラーのThe MojoとThe RobocasterをAbletonに常時接続しています。クリップのコントロールとシーケンスには、Ableton Push、Novationキーボード、Vestaxドラム・コントローラーを使用しています。新作コントローラーを試すこともよくあるので、新しいデバイス用のスペースも十分に用意しています。 ライブでのセットアップはどのような形ですか? Liveを作曲とパフォーマンス用ソフトウェアの中心として使用しています。つい先ほどmacProVideo用に2時間のコースを録画したのですが、そこでこのセットアップの詳細について説明しています。ビデオの半分以上の時間を構成と操作方法の説明に使っています。Liveのほぼすべての機能を使用していると思います。さらに多数のプラグインとカスタムのMax for Liveデバイスも使用しています。セットアップは複雑ですが、1つのソフトウェアだけでショー全体のプレイがコントロールできるという機能性には代えられません。 今後のプロジェクトについてお聞かせください。 いつも複数のプロジェクトに同時進行で取りかかっているのですが、今のところは、新作「FOUR TRACK」のKickstarterプロジェクトにほとんどのエネルギーを注いでいます。新曲をたくさん書き、新しい音楽スタイルを作り上げ、他にはない新しいハードウェア・インストゥルメントを作成しています。これらはすべてアルバムにパッケージされる予定です。こちらのビデオを見ていただければうれしいです。ありがとうございました!

Dusty Kid、最新アルバム「III」とLiveについて語る

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Dusty Kid、最新アルバム「III」とLiveについて語る

スタジオでのDusty Kid 10年間にわたる作品リリース、そして20年以上にわたる音楽制作を続けてきたDusty Kidは、もはや「キッド」ではなくベテランの域に達しています。Dusty Kidの最新アルバム「III」は、ダビーなリズム、現実離れした雰囲気、心地よいシンセラインが詰まったダブルディスクです。Dusty Kidは、ビンテージ・シンセのコレクションとLiveを使用して、エレクトロニック・ミュージックへと回帰しながら、神童と呼ばれた幼少時代のピアノやバイオリンといったクラシック音楽における経験も活かしています。 そんなDusty Kidに、アルバムについて、無償ダウンロードとして提供されているミックス・バージョン公開について、アルバム・ツアーの計画について聞きました。 Dusty Kid「III」カバー このアルバムを個別のトラックとしてではなく1つの長い体験として聴いて欲しいというリスナーに対する意図を表明されていますね。このことは作曲プロセスにどのような影響をもたらしましたか?たったひとつの巨大なセットを扱っての作業だったのでしょうか? 単一のトラックとして構想していた「Leather Bears Cinematic Suite」以外は、まずトラックごとに作業を開始しましたが、すべてがつながった形となる完成形を強く意識してすべての作業を行いました。トラックが形になってきたところで、それぞれのトラックのすべてのパートを含む1つのセットを作成し、連続するミックスを作成しました。トラック間のトランジションは、結果として作業する上で最もクールな場面になりました。トラックの「寝床」となるさまざまなランドスケープを作成することができました。 最新ビデオでハードウェア・インストゥルメントの再評価についてお話しされていましたが、アルバム制作にはソフトウェアも使用されていますね。ハードウェアとLiveをどのように組み合わせて使用されていますか? サウンドやエフェクトの多くは、外部ハードウェアで録音しています。ここではLiveが重要な役割を果たしています。Liveには、シンセサイザーやエフェクトなどのハードウェアを内部プラグインとして使用・管理するのに必要な設定(MIDIチャンネル、イン/アウト設定など)すべてを含むプリセット・ファイルを作成できるクールな機能があって、クリックひとつですぐに使用できるようになります。これが可能なのは、オーディオ・カードAntelope Orion 32を使用しているからです。このカードには32のアナログ入出力があるので、使用しているハードウェアすべてをカードに接続し、スタジオ全体を簡単に操作し、まるで巨大なモジュラー・セットアップのように扱うことができます。たとえば、SH-101の出力をEms Synthiのフィルターに接続し、結果をSpace Echoに送ってArp 2600でフィルターするといったことが簡単に行えます。こうすることで、複雑なプロセス・チェーンを作成し、時には非常に変わった結果を得ることができます。アイデアとして初めからあったのは、アルバム全体のサウンドを、最近聴かれる耳慣れたサウンドとは異なるものにするということでした。ここ最近の作品は非常にデジタルかつ大音量で、パーフェクトでクリーンなサウンドで、冷たく、時に個性のないものが多いと思います。批評するつもりは一切ありませんが、こういった要素が含まれていれば、90年代にインスパイアされたサウンドからはかけ離れたコンセプトの作品になっていたでしょう。 Dusty Kidのハードウェア・シンセ・コントロール・ラック スタジオでのAbleton Liveの役割は? Liveは私のスタジオの核となっています。他のソフトウェアは使用していません。先ほど話したとおり、Liveならコンピューターからすべてをコントロールできます。外部ハードウェアを使用したいときもクリック操作ひとつですぐに準備できます。これは作曲する際にも重要な機能です。ワークフローのじゃまをしませんからね。 クラシック・ピアノを学ばれていたとお聞きしましたが、電子機器やコンピューターを使用し始めたきっかけは何でしたか? ピアノとバイオリンを勉強したのですが、子供の頃から音楽にとりつかれていたといっても過言ではありません。音楽以外に興味がありませんでしたから。普通なら習得に6~7年かかる作品をあっという間に演奏できるようになる子供でした。それで音楽学校に通うようになり、教師たちから将来有望だと言われていました。11歳のとき、モーツァルトのピアノ・コンサートを演奏したくなり、コンサートのオーケストラ部分をだけを録音できる機器が欲しいとねだりました。こうすれば、録音したオーケストラに合わせてソロ・パートを演奏することができるからです。それがYamaha QY20でした。これをMIDIで手持ちのデジタル・ピアノに接続したのですが、これが電子機器との初めての出会いでした。このモジュールにはベーシックなサウンドだけしかありませんでしたが、TR-909や808のサンプルも含まれていました。こうして、モーツァルトが4つ打ちに化けてしまったというわけです。両親にとってはとんだ災難でしたね! 新作アルバム「III」のミックス・バージョンを無償デジタル・ダウンロードとしてリリースされていますね。今回無償リリースを決断した理由は? 2013年は重要な年でした。Dusty Kid名義で初トラックをリリースしてから今年で10年だったからです。長年私の音楽を聴いてくれている皆さんに何かしなければと思い、感謝の気持ちを伝えるために無償アルバムをプレゼントするのがいいのではと思ったのです。 「III」リリースに続いて大規模なツアーを予定されていますね。アルバムには多数のハードウェアが使用されていますが、ライブはどのような構成となっていますか? すべてのパートは8つのチャンネルにステムとループとして録音されていて、すべての作品のほぼあらゆるパートを完全にコントロールできるようになっています。こうしておけば、トラックのサウンドを他のソングとミックスし、使用できるあらゆる要素を組み合わせて、非常に複雑であるにもかかわらず管理が簡単なライブ・パフォーマンスを構築できます。外部ハードウェアをライブ・パフォーマンスに加えたいとは思いますが、それが可能なのは(自宅に近い)サルデーニャで演奏するときだけです。扱いに注意が必要なシンセを運ぶことは問題ではありませんが、飛行機での移動は無理です。ハードウェアをライブ・パフォーマンスに大規模に使用しているのを見て感心することがありますが、彼らはどうやってすべての機器を運搬しているのでしょうか?飛行機での手荷物の紛失、サウンド・システムの不調、そういった話をよく耳にします。だからセットアップはできるだけシンプルにしようと決めているんです。

Nicolas Bougaïeff:ミニマル・テクノとSteve Reichの出会い

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Nicolas Bougaïeff:ミニマル・テクノとSteve Reichの出会い

「Decompress」ビデオからの1ショット Nicolas Bougaïeffの名を聞いてピンとこなくても、彼のアーティスト、プログラマー、アカデミックとしての作品を見聞きしたことがあるでしょう。Liineの創立メンバーのひとりとして、NicolasはLemur、Griid、iOS用アプリKaptureなどさまざまなアプリケーションを世に送り出してきました。Nicolasはテクノ・プロデューサーでもあり、ソロ、またMax Cooperなどのコラボレーターとともに作品をリリースしています。 最新リリース「Decompress EP」のために、Nicolasは彼自身の博士論文を利用し、友人であり、コラボレーターでもあるPlastikmanことリッチー・ホーティンのミニマル・テクノを、スティーブ・ライヒやラ・モンテ・ヤングの20世紀ミニマリズムにリンクさせました。下からタイトル・トラックのビデオをご覧いただけます。 Liveで制作された「Decompress」で、Nicolasは彼が「Reich Delay」と呼ぶカスタム・ミックスのMax for Live MIDI Effect Rackを使用しています。Covert Operatorsによる複数のM4L MIDIディレイから構築された「Reich Delay」は、スティーブ・ライヒの作品「Four Organs」の構成をOperatorで演奏したシーケンスに適応させています。Nicolasは、ディレイとキックドラム、ベースライン、「Decompress」で使用されているOperatorパッチをフィーチャーした無償Liveセットを作成しました。無償でダウンロードできます(使用するにはLive 9 SuiteとMax for Liveが必要です)。 Nicolasの作品とDecompressについて詳しくご覧になりたい方は、先進的なこの新作リリースを特集したCreate Digital Musicの詳細インタビューをぜひご覧ください。

BoombaptistのPushパフォーマンス

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BoombaptistのPushパフォーマンス

アーティストがAbleton Pushをスタジオやライブ・パフォーマンスで活用する様子には、いつもインスピレーションをかき立てられます。Ableton認定トレーニングセンターのDub Academyが、アーティスト/インストラクターBoombaptistの素晴らしいクリップを公開しています。歌、Push演奏、追加コントロールとしてのiPad操作と、Boombaptistのパフォーマンスはクリエイティビティを刺激する要素が満載です。下からビデオをご覧ください。

「ゲーム・オブ・スローンズ」のPushジャム

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「ゲーム・オブ・スローンズ」のPushジャム

認定トレーナーMitch Lee aka Mr. Elasticは、デビュー以来そのPushスキルで人々を驚かせてきましたが、最新作も期待を裏切らないものになっています。認定トレーニング機関Beat DropとMr. ElasticはJocelyn Aliceをゲストボーカルに迎えてテレビ番組「ゲーム・オブ・スローンズ」のテーマに洗練さを与えています。下からビデオをご覧ください。 Push on Film:Jamming - こちらでもMr. Elasticのビデオがご覧いただけます Push Beatsビデオをすべて見る

Erin Barra & Paul Wilsonの「Get Lucky」

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Erin Barra & Paul Wilsonの「Get Lucky」

Daft Punkの「Get Lucky」は、一度聞けば耳から離れない印象的なチューンで2013年夏の大ヒットとなりました。Robots、Nile Rodgers、Pharellからインスピレーションを受けたErin Barra(現在米国内でAbleton Push Tourのプレゼンテーション中)と、コラボレーターのPaul Wilsonが、この人気作を独自にアレンジしました。下からパフォーマンス・ビデオをご覧ください。タイトルが繰り返されるコーラス部分には心地よい驚きを得られることでしょう。 Erin BarraについてAbletonのアーティスト特集を読む Erin Barraのウェブサイト

Nishimoto & Lippok

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Nishimoto & Lippok

国際的ギター奏者ペペ・ロメロの元でクラシック・ギターを学んだ西本毅は、ミニマリストなソロ作品、ジョン・テハダとの「I’m Not a Gun」プロジェクトなどのコラボレーション作品、サウンドトラックなどで頭角を現しています。すでに大きな活躍を見せている彼ですが、最新アルバム「Lavandula」は自身にとって新たな一歩であると感じているといいます。新興レーベルSonic Piecesからの初リリース作品となるこのアルバムは、コラボレーション作品でもあります。「Lavandula」セッションに、西本は、To Rococo Rotの創設メンバーであり、老舗レーベルRaster-Notonでソロ・アーティストとしても活躍するエレクトロアコースティック・ミュージックのベテラン、ロバート・リポックを起用しました。 「Lavandula」は、作品制作に手練れた、気心のしれた2名の熟練アーティストの競演から生まれた作品です。また、互いの新たな探求として作品を印象づける繊細な変化を受容する2名のミュージシャンの姿を映した作品ともなっています。Abletonは、「Lavandula」制作、アコースティック楽器とエレクトロニクスを使用したインプロビゼーション、間近に迫った日本ツアーについて2人に話を聞きました。 お二人は知り合ってどれくらいになるのでしょうか?また一緒に仕事をするようになってどのくらいになりますか? ロバート・リポック(以下リポック):ベルリンを拠点に活動するビジュアル・アーティスト、ニーナ・フィッシャーとマロアン・エルサーニーと長いつきあいがあり、彼らのビデオ・インスタレーションに参加していたのですが、彼らが成田空港に関する映画を撮ったとき、サウンドトラックを作成して欲しいと頼まれたんです。そのときギターを使うアイデアが思い浮かびました。 西本毅(以下西本):「このプロジェクトを一緒にやらないかい?」と声をかけてもらったとき、とても興奮したのを覚えています。「ああ、もちろんだよ!」と即答しました。 リポック:ベルリンでの映画初上映に、毅と、僕の友人でハープ奏者のベアトリス・マルティーニを招き、サウンドトラックを生演奏しました。別の2作品にもサウンドトラックを作成しました。 新作でのコラボレーションのプロセスはどのようなものでしたか?同時に作業されたのでしょうか、それとも別々に? リポック:まず毅から、2~3曲参加して欲しいと話がありました。一緒にスタジオに入って即興で演奏し始めると、たくさんのアイデアが生まれました。どのトラックもとても良い出来で、結局ほとんどのトラックに参加することになりました。もともとは数曲に少しだけ参加する予定だったんです。制作は2人同時に行いました。トラックの編集はあまり行いませんでした。 西本:どのトラックもほぼライブ・レコーディングです。即興で演奏し、そのまま録音しました。 リポック:そうです。To Rococo Rotでの作品制作と、イタリア人作曲家ルドヴィコ・エイナウディとの仕事にヒントを得ました。(エイナウディの)グランドピアノ演奏のプロセッシングの一部を担当したのですが、こういった状況の要件に詳しくなりました。それに、Ableton Liveを使用すればレコーディングに適切なセットアップを見つけることは難しくありません。 西本:これこそ、ロバートに参加して欲しかった理由のひとつです。ラップトップ・アーティスト、優れたエレクトロニック・アーティストはたくさんいます。でも、私に言わせれば、彼ほどラップトップとAbleton Liveの使用に長けていて、ライブ・プロセッシングに巧みなアーティストはいないと思います。実は、このプロジェクトが形になるずっと前、数年前にはすでに彼に話はしていたんです。実際に一緒に作品を作り始めるまでに時間がかかってしまいましたが、一度取りかかってしまえば、3日で作品ができあがりました。 リポック:そうなんです。私はかなり時間がかかる方だと思います。最初の作品をリリースするまでに10年かかったくらいですから。制作のスパンが長いんです。 ということは、ソロ・デビュー・アルバム「Redsuperstructure」に収録の作品のいくつかは、To Rococo Rot時代に生まれたということになりますね。To Rococo Rotは現在も活動中ですか? リポック:はい、アート・リンゼイとスタジオで数曲を録音しました。このまま制作を続けて、2014年の春には次の作品をリリースする予定です。 時間をかけて制作するのが好きなんです。急いで作業しなければならなかったり、「これが終われば来週はマスタリング」などと予定が詰まっているのは好きではありません。音楽に関してだけでなく、人間関係においても同じです。ゆっくりと成長していくのがいいんです。なので、スタジオで過ごす時間よりも、パブで一緒に過ごす時間の方が長くなることもあります。 すべて即興とのお話でしたが、楽曲のおおまかなイメージのラフ・スケッチはあったのでしょうか? 西本:そうですね、いくつかの楽曲についてはアイデアがありました。でも、スタジオに入るとクリエイティブ・モードのスイッチが入って、聞きたかった音が生まれてくるんです。 この作品には繊細なエレクトロニックさが加えられていますが、サンプルを追加したり、シンセを使用したりといったことはありましたか?それとも、エフェクト・プロセッシングのみでしょうか? リポック:基本的には、毅の演奏にエフェクト・プロセッシングを加えただけです。毅のギターのループもいくつか追加しています。ピアノやギターをプロセッシングしたものには素晴らしい作品があふれています。たとえば、クリスチャン・フェネスの作品は、どれもとても美しい。オヴァルの最新作もいいですね。このタイプの、リッチで複雑なプロセッシングがとても好きなんです。 でも、このアルバムには別のアプローチを採りました。そうですね、90年代のエフェクト・ラックのようなものを考えたのです。一定の雰囲気を作り出すには、どのシンプルなエフェクトを積み重ねれば良いだろう?と考えたわけです。エフェクトの多くはAbleton Live付属のもの、リバーブ、ディレイ、ディストーションなどです。シグナル・チェーンでリバーブ前にディストーションを多用し、サウンドをより豊かで深いものにしました。トランスポーズもありますが、複雑なものはありません。どのエフェクトも、92年以前にはすでに存在していたものです。 L-R: Takeshi Nishimoto, Robert Lippok このアルバムは非常にまとまりがよく、詰め込んだ感がありません。西本さん、リポックさんのエレクトロニクス用に余地を残すために、演奏スタイルを意識的に変化したということはありましたか? 西本:ロバートに絶大な信頼を置いていたので、彼のすることについてはまったく心配しませんでした。この作品に彼を起用したかった理由はたくさんありますが、特に自分のサウンドに変化を加えたいという気持ちがありました。彼を信頼していたからこそ、彼のために自分のスタイルを変えるということを意識する必要はありませんでした。自分の音楽を演奏しさえすれば、彼がうまくやってくれると確信していたからです。 Abletonやその他のアウトボード機器を使用してご自身でエフェクトを加えた部分などはありましたか? 西本:はい、いくつかのトラックで行いました。「6/8」ではループを使ったと思います。「Straßenlaterne」ではブーメラン・ペダルを使用しました。それ以外は、すべてのトラックを通して演奏し、ロバートがエフェクトを加えました。ほとんどのトラックがワンテイクで録音できました。アコースティック・ギターで演奏した2曲目は、いくつかテイクを重ねましたが。 各トラックにLiveテンプレートを設定したのですか?それとも変更を加えましたか?...

GrazeのLiveスタジオ・レッスンをダウンロード

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GrazeのLiveスタジオ・レッスンをダウンロード

L-R: Adam Marshall, XI Adam MarshallとChristian Andersen aka XIからなるGrazeは、ユニット名を冠したデビューEPで話題をさらいました。ベース・ミュージック、テクノ、ハウスの要素を混合し、ハイハットとディープなリズムに引き立てられたみずみずしいシンセが特徴のGraze。近日リリース予定のデビューアルバム「Edges」にも大きな注目が集まっています。 そのGrazeがライブ・スタジオ・セッションを録音しました。XLR8Rがストリーミングおよびダウンロードを提供しています。 Download the session at XLR8R Download free Operator patches from XI

メイク・ノイズ:Diasiva & Rory St. John

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メイク・ノイズ:Diasiva & Rory St. John

L-R: Rory St. John, Mads Lindgren, Simon Hayes 音楽の歴史においては個々の作曲家やパフォーマーに称賛が集まりがちですが、実際の音楽の発展と進化はコミュニティとコラボレーションから生まれています。Mads Lindgren aka Monolog、Rory St. John、Simon Hayes aka Swarm Intelligenceの場合、コミュニティとは、コラボレーションであり、拡大しつつあるなじみの会場でのクラブ・ナイトであり、毎年開催されるフェスティバルBurn the Machine。これらが、ベルリンをベースに活躍するミュージシャン・グループから生まれる、ベースが打ち乱れるサウンドのショーケースなのです。 さまざまに異なるバックグラウンドと国籍を持つMads、Rory、Simonは、ベルリンで出会い、Sublandなどの会場やAd Noiseamといったレーベルで、新しいシーンの形成において大きな役割を担っています。3名とも、10月終わりから11月頭にかけてのBurn the Machineフェスティバルで演奏を披露しました。3名ともフェスティバルのスタート当初から毎年出演しています。DJイングと制作におけるキャリアを重ねる3名は、Abletonのスタッフでもあります。Abletonは、スタジオ作品をステージで披露する際の移行手段、3人集まってのライブ演奏、サウンドデザインについてMads、Rory、Simonに話を聞きました。 それぞれの音楽制作歴について教えてください。現在の名義での活動はどれくらいになりますか? Rory St. John:数年にわたってさまざまな名義で作品を発表してきましたが、多くはRory St. John名義です。UniNerves名義でもいくつかリリースしました。こちらはよりディープなエレクトロ/エレクトロニックなタイプのヴァイブです。こちらの要素は、最近はテクノ作品ににじみつつあります。現在は別のプロジェクトに取りかかっていて、バックトゥベーシックなテクノになる予定です。どちらかというと、4つ打ちのダンスフロア作品です。本名名義での活動では、ジャンルに囚われず興味のあるものをやっています。 Simon Hayes:かなりの間Swarm Intelligence名義で制作を行ってきました。Liveは10年くらい使用しています。MadsとはDiasiva名義で一緒に活動しています。また、Roryともいろんな活動をしています。個人レーベルStasis Recordsからいくつかリリースしていますが、初のEPはアイルランドのレーベルInvisible Agentからでした。最新作はスコットランドのレーベルAcre recordingsからリリースしています。Ad Noiseamからも出せるといいですね。 Mads Lindgren:きっかけは96年のメタルのプロジェクトです。メシュガーのようなニューメタルで、強烈でヘビーな抽象的な音楽を演奏していました。その後メンバー全員がコペンハーゲンに行ってしまったので、99年に仕方なくFastTrackerを使用し始めました。2000年にデビューアルバムをTInder Productionsからリリースし、それ以来19作品をさまざまなレーベルから発表しています。デジタル、LP、CDなどさまざまですが、ほとんどはレコードです。最近はAd Noiseamからのリリースが多く、ベルリンのジャズシーンで演奏しています。 Roryの最新EP「Astroakoustic」はエディットがかなり含まれていますね。かなり正確なサウンド・デザインを聞き取ることができます。ループ作成のプロセスからこういった特別なアレンジに至ったいきさつについて聞かせてください。ループ作成のプロセス中にこのアレンジが生まれたのですか? Rory:ある意味そうですが、それは一定の可能性の範囲内でありえることです。なので、こういった変化が可能なエフェクトラックやシナリオをたくさん作成するようにしています。エフェクトラックから、また何かを別の長さでループさせることからループのアイデアが生まれることもあります。ループの長さがテンポにロックされていない場合や、拍子が異なっているためにまるでループが時間の経過と共に変化しているように聞こえる場合なども、アイデアの源になることがあります。とはいえ、ループは一定であることが多いので、スタッターエディットをかけたり、ヘビーなディストーションを大量にかけたりします。私独自の個人的なデバイスといえるかもしれません。エディットでは、ミュートさせておいたいろんなインスタンスのトラックをアレンジ全体にわたって一列に並べて、時間軸に沿ってセクションを取り込んでいきます。Liveのアレンジメントビューでは、これが本当に簡単に操作できます。その後APC40かPushとエフェクトラックを使ってジャミングしますが、こうすることで人間らしいアプローチを簡単に加えることができます。 L-R: Rory St. John, Mads Lindgren, Simon...

Nicolas Bernier:インティメートな周波数

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Nicolas Bernier:インティメートな周波数

おおまかに「サウンドアート」と定義されている分野に、今、注目が集まっています。ニューヨークのMOMAやメトロポリタン美術館などの有名な団体がオーディオ作品の展覧会を開催したり、CTM、Mutek、Unsoundといったエレクトロニック・ミュージックのフェスティバルでは、サウンドを彫刻作品、パフォーマンス、ビデオ、その他の音楽以外の分野と結びつけた作品が多く盛り込まれるようになっています。 この文脈において、モントリオールを拠点に活動するNicolas Bernierは、現在最も注目を集めるアーティストのひとりといえるでしょう。彼は、自身の作品を、過去のオブジェクトを用いて作成し、現代的な手法(LiveとMax for Liveを含む)を用いて操作するエレクトロニック・ミュージックであると説明しています。その洗練された手法に加え、Bernierは知性と肉体的感覚の見事なバランスを実現させており、それは「frequencies (a)」にもはっきりと現れています。この作品で、彼は名誉あるArs Electronica Golden Nica for digital musics and sound artを受賞しました。 Golden Nicaの受賞おめでとうございます。「frequencies (a)」での音叉を使用するアイデアはどこから生まれたものですか? 音叉のアイデアはかなり前からありました。ノイズやオブジェクトをベースとするサウンド・パフォーマンスに安定したピッチを組み込む方法を探していたときに思いついたものです。トーナルな要素として一般的な楽器を使用することを避けたいと思っていました。旧式の物を使用することが多いので、音楽、サウンド、新旧の技術の間の関係についてはいつも考えを巡らせています。音叉の使用はパーフェクトだったと思います。音叉はもともと科学的な精密ツールとして使用されていましたし、調性音楽を象徴するものでもあり、また何よりも、エレクトロニック・ミュージック作品で使用される非常にプリミティブなサウンド、純粋な正弦波に近いサウンドを生成するオブジェクトでもあります。私はまず、あらゆる種類の音叉を集めることから始めました。440Hzより低い19世紀のものから医療用として使用されている最近のものまでさまざまな音叉を集めました。どこへいくにもそれらを持参し(当時は今よりも即興でやることが多かったのです)、それらを使ってファーストアルバム(Crónicaから2010年に発表した「strings.lines」)を制作しました。徐々に音叉にはまっていき、私にとってある意味一番重要な楽器となりました。ただ、手動で音叉を操作したのでは思った通りの正確さが得られないことに不満でした。音叉のオートメーションのアイデアはそこから生まれたものです。 「frequencies (a)」を演奏する際の理想的な条件とはどのようなものですか?また技術面でのセットアップは? モントリオールで開催されたElektra Festivalでは最高のコンディションで演奏できました。100名が限度の小さな会場で、3日間にわたって「frequencies (a)」のパフォーマンス専用にセッティングされました。これは本当に贅沢なことでした。エレクトロニック・ミュージックのフェスティバルでは、会場が広く、大型ビデオスクリーンがあり、新しい環境に合わせてセットアップを調整する時間が与えられることはないのが一般的ですから。このようなセッティングであるのには理由があることは分かっていますし、文句を言うつもりもないのですが、作品によっては要件が異なることがあるのも事実です。「frequencies (a)」もそうでした。通常のパフォーマンス形態を想定した構成ではなく、特別な条件を要する作品でした。音叉、小型ソレノイド、微音、精密部品などの小さな物体を扱う作品なので、オーディエンスの近くで演奏しなければなりません。壮大さにではなく親密さに重きを置いた作品なのです。 機材については、Laurent LoisonとOlivier Lefebvreの協力を得て、音叉と、音叉を作動させるソレノイドの台となるアクリル製の構造体を作成しました。音叉とソレノイドは、カスタムのライティングテーブルのコンタクトマイクと光束につながっています。 このテーブルには電子機器(USB/DMXボード)も隠されています。光とソレノイドに送られる電圧はすべてこのボードを介して送信されます。残りは、作品、オーディオビジュアルのシーケンスを時間内にまとめるという作業です。これにはAbleton LiveとMax for Liveを使用しています。 エレクトロニックな要素とメカニカルな要素を組み合わせて作品にするというアイデアはどこから生まれたものですか? エレクトロニックな要素とメカニカル/フィジカルな要素のこのような関係こそが、エレクトロニック・アートの分野で作品を作りたいと思ったきっかけそのものでした。今でこそこれらの間のやりとりはスムーズなものになりましたが、10~15年前はラップトップのパフォーマンスが理想的になってきたところで、作品のほとんどは完全にデジタルであるか一切デジタルを含まないかのどちらかだったので、このようなミックスは非常に魅力的でした。 それ以来、私の作品は常にコンピューターによりプロセスされるフィジカルな要素を使用したものになっています。アイデアやプロジェクトのきっかけはいつもフィジカルな世界からやって来ますが、このアイデアを表現する手段には必ずコンピューターが必要となります。しかし私にとって最も重要なのは要素のバランスです。完全に「自然」や完全に「デジタル」な作品を作成することのないよう心がけています。本当のところ、自然とバーチャル/人工なものの間に差異はないと思っています。すべてはつながっていて互いにコミュニケートしており、いろいろな点でプロセスが加わっているのだと思うのです。 Ars Electronicaを受賞されましたが、受賞された部門はデジタル・ミュージックとサウンド・アートの分野でしたね。ご自身では、第一にミュージシャンであるとお考えですか? 芸術そのものに大きな興味を持っていますが、そこに「カテゴリ」がある理由についてはよく理解できません。政治的または歴史的な理由があったのなら別ですが…。とはいえ、私が用いる主な媒体はサウンドであることは争いようのない事実ですし、きっとこれからもずっとサウンドを用いて作品を作っていくと思います。ただし私の興味はあらゆるところにあり、それが作品に多様な影響を与えています。何かに感銘を受けるとき、それがどのカテゴリに適合するかということは考えません。それは作品を作るときも同じです。ただ必要なことをするだけで、こちらのカテゴリか、あちらのカテゴリかということを考えることはありません。ですから、たとえ私の媒体はサウンドであっても、パフォーマティブなもの、シアトリカルなもの、ジェスチャー的なもの、ビジュアル的なもの、そしてもちろん音楽的なものについてしばしば自問するのです。 新作「frequencies (synthetic variations)」と「frequencies (a)」の関係について教えてください。また今後の活動予定についてもお聞かせください。 「frequencies」は、純と不純の二分法に関するシリーズ作品で、アコースティック、デジタル、エレクトロニックの3つのパートに分かれています。これら3つの音の歴史的な進化の段階を訪ねるというコンセプトです。第1部の「(a)」は「オーディオ」や「アコースティック」を指しています。音叉はほぼ純音を生成するからです。Mutekで発表した第2部「(synthetic variations)」は、完全デジタルサウンドで作成しました。このパフォーマンスでは、「frequencies (a)」で使用したのとまったく同じシステムを使用していますが、音叉、ソレノイド、人間によるパフォーマンスなど、アコースティックな要素はひとつもありません。私にとって初めてのラップトップ・パフォーマンスですが、ビジュアル的にはフィジカルな要素にトランスレートされています。あらかじめ記述されたシンセサウンドのシーケンスと、小さなアクリル製の構造体内で同期するライトから構成されています。第3部についてはまだ秘密としておきましょう。 Nicolas Bernierの「Frequencies (Synthetic Variations)」は好評発売中です。 Nicolas...

Alluxe:フィジカル・リアクション

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Alluxe:フィジカル・リアクション

Laura Escudéは、さまざまな肩書きを持つ女性です。Ableton認定トレーナーであり、サウンド・デザイン・メーカーでありレコード・レーベルのElectronic Creatives創立者である彼女は、長年にわたってサウンド分野に従事しています。しかし、何よりもまずアーティストである彼女はここ最近Alluxe名義で活動しており、パフォーマンスやミュージック・ビデオを通して音楽でも輝きを見せています。AbletonはLauraにインタビューを実施し、Liveの使用歴、Alluxeプロジェクトについての自身の見解、要求の厳しいスーパースターとのツアーでの作業について話を聞きました。下からお読みいただけます。Lauraの無償Effect Rackをダウンロードすることも可能です。 Ableton Liveに出会ったきっかけは何でしたか?Ableton認定トレーナーとしての活動歴はどれくらいになりますか? Ableton Liveには、M-Audioのテクニカル・サポート部門で働いていた頃、2005年に出会いました。当時、M-AudioがAbletonのディストリビューションを行っていたので、「Oxygen 8にバンドルされていた『アルバトロン』とかいうソフトウェアを試しているんだけど…」といった電話に対応していたんです。こういった質問に答えるために、ソフトウェアについて知ろうと思ったのがきっかけです。そうしたらAbletonが大好きになって、このソフトウェアばかり使用するようになりました。2007年にAbletonで西海岸担当のプロダクト・スペシャリストとして働き、認定プログラムの確立を手助けした後、2008年に初の認定トレーナーのひとりとなりました。 多くのミュージシャンにとって、「サウンド・デザイン」は重要ではあるけれど、定義があやふやな用語といえます。プロのサウンド・デザイナーとして、ご自身の活動をどのように分類されますか? サウンド・デザインは、私にとってさまざまなキャパシティにおいてさまざまな意味を持っています。数年前、ある映画のスコア制作に関わる機会があり、長編映画用の「サウンド・デザイン」を担当しました。映画のサウンド・エフェクトすべてを変更することもあれば、音楽やサウンド・エフェクトとともに使用されるサウンド・ベッドを作成することもあります。劇場で、特定のスピーカーにサウンドを配置する「サウンド・デザイナー」たちとも仕事をしたこともあります。今はもっぱら、サウンドを録音し変更を加えて、私自身のプロジェクトに使用するユニークなサウンドを作成しています。 あなたはクラシックの教育を受けたバイオリニストでもありますが、サウンド・マニピュレーターでありビートメイカーでもあります。トラック制作では、アコースティック、またはエレクトロニックのどちらサイドから作業を開始しますか?あるいはハイブリッドにどちらとも? 最近はアップテンポなビート主導の音楽により重点を置いているので、ほとんどの場合、エレクトロニック・ドラムから初めてヴァイブやテンポを作成します。バイオリンと声に加えて、Live 9のMIDI変換機能を使用してメロディをシンセで演奏しています。キーボードを使用するよりも、この方がアイデアが出やすいんです。アコースティックなサウンドにエフェクトをかけてそこにシンセを重ねることもあります。楽しいですね。 Alluxe Cello Effect Rackをダウンロード Alluxe Cello Effect Rackは非常にみずみずしい印象を受けます。リバーブ/フィードバック・テイルが豊富で、ディストーションやフィルタリングの「ヒュー」といったサウンドが印象的です。このようなEffect Rackの典型的な使用法について、たとえばスタジオとライブのセッティングでお教えいただけますか? Cello Effect Rackはほとんど無調なので、サウンド・デザイン・ツールとしての使用を想定しています。チェロを数々の変わった方法で演奏していて、さまざまな物体を使用して叩いたり、キーキーきしませたり反響させています。これらのエフェクトの一部はこれまで作成したもののなかでも特に気に入っていて、ライブ・セットでも使用しています。あらゆる種類の制作や作曲に使用でき、推移音、轟音、優美なサウンドを作成できます。少し他と違う変わったサウンドをお探しの方におすすめです。 最新のAlluxeでの素材の前にも、アルバム「Pororoca」で変わったサウンドを生み出していますね。あれから、アーティストとして何か変わったと思うことはありますか? 「Pororoca」をリリースしたのは2010年ですが、あれは長い間温めていた音楽のコレクションでした。一部は5年も温めていたものなんです。他のアーティストとリリースすることが多かったので、自分自身の作品を集めたのはこれが初めてでした。リリースしたときにはすでに別の作品の制作にとりかかっていたのですが、みずみずしく美しいシネマティックなチューンにのめり込んでいたこの時代に敬意を表する必要があると感じたんです。リリース後、ヒップホップの世界にどっぷりつかり始めました。2000年からダンス・ミュージックに夢中になり、私のムーディでシネマティックなヴァイブとこういったインスピレーションを組み合わせることにしたのです。いろいろと試してみた後、Alluxe(Allure(「魅力」)とLuxe(「贅沢」)の組み合わせ)プロジェクトのアイデアを思いついたんです。Lauraとして行っていた活動と、音楽業界のプロとしての活動と分けようと思いました。Alluxeはよりビート主導でダンスフロアに合う音楽です。ショーではよりオーディエンスとつながることができて、素晴らしい気分を味わえます。オーディエンスが音楽に合わせて体を動かすのを見るのが大好きなんです。フィジカルな反応を見ることでやりがいを得られますし、エネルギーを与えてもらって、やっていることが間違っていないんだと確信を持つことができます。つい最近、初のEP「Nomad」をリリースしました。また、Mr. Hudson、M83、Polica、New Beat Fundのリミックスを行いました。また、エキサイティングなコラボレーションもいくつかリリースされています。 あなたのクライアントにはビックネームが並んでいますね。カニエ・ウェストと一緒に仕事をすることになったきっかけは?M83はどうでしょう? どのクライアントも紹介がきっかけでした。幸運なことに、ここ数年ネットワークを大きく広げることができました。Electronic Creativesを2009年から運営しており、オーディオ/ビジュアル・パフォーマンスに対する最先端のソリューションを設計・プログラムしています。推薦を受けたら、ネットワーク上にいる信頼のおけるアーティストに対して機会を作るようにしています。今秋は、カニエ・ウェスト、Drake、The Weeknd、Yeah Yeah Yeahs、Sleigh Bellsとショーを行いました。このようなネットワークを成長させることができ、才能ある人々にその才能を活かす場を見つけることができることは楽しいものです。タレント・エージェンシーとしても成長しています。ライブショーに関する技能を持つさまざまなアーティストと提携し、ライブショーをプログラムするだけでなく、最先端の機器を使用してショーを行うこともしています。ECの事業における次のステージがこれです。 アメリカのEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)シーンで活躍するアーティストでありながら、現在のEDMブームよりずっと前のジャンルにご興味をお持ちですね。また、ご自身の作品や、Electric Daisy Carnivalといったクライアントとの作品で、EDMが注目を集めていく様を最前線で体験されています。あなたにとって、EDMとは(ポジティブな意味で)どのような意味を持っていますか?また、シーンの拡大について問題だと考える点はありますか? レイヴに足を運び、ダンス・ミュージック作品でバイオリンを弾いた後で、2000年にエレクトロニック・ミュージックの世界に足を踏み入れました。まずはトランス(Sasha & Digweed)、ドラムンベース(Metalheadz)ダウンテンポ(Kruder & Dorfmeister)に夢中になりましたが、その後はレイヴで耳にするものよりも変わったサウンドを探すようになりました。2002年頃に(Squarepusherの作品)「Do You Know Squarepusher?」を聞いてIDMにはまりました。あの曲は今でも大好きです。2003年には、私の初のソロ・ライブのためにタンパでMachinedrumをブッキングしました。Merckレーベルからリリースされる作品に心を奪われていたからです。当時の私は、音楽について今よりももっとこだわりがありました。エクスペリメンタルさがたりない音楽を受け入れようとしなかったのです。 そこから言えば、今のEDMブームをはねつけるのは簡単ですが、年月を重ねるにつれて、商業的音楽も受け入れるようになり、ダンサブルであるかどうかにより興味が動いています。とはいえ、今でも足繁く通うのは「アンダーグラウンド」なイベントだけです。近頃のレイヴは私には強烈すぎるし、変わったサウンドが好きなことに変わりはないので。歌詞や、曲のその他の要素には親近感が感じられませんが、EDMで使用されているサウンドには素晴らしいものがたくさんあります。以前よりもたくさんのものからインスピレーションを感じられるようになり、よりオープンになりました。音楽スタイルや細かなジャンルについて厳密になりたくありません。あらゆるものから優れたエッセンスを得たいと思っています。...

トーマス・フェールマン - 流れるモーション

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トーマス・フェールマン - 流れるモーション

誰もが認める好人物で有名なトーマス・フェールマンは、しかるべき時にしかるべき場所に居合わせていました。最初のバンドパレ・シャンブルグは、1980代初頭にノイエ・ドイチェ・ヴェレの第一線で活躍しました。また彼は、草創期のテクノシーンのヨーロッパにおける立役者であり、モーリッツ・フォン・オズワルドとホワン・アトキンスとのプロダクション・トリオである3MBを通じてベルリンとデトロイトの強固なつながりの実現に貢献しました。The Orbのメンバーとして、またソロアーティストとしても活躍する彼は、フレッシュな魅力で人々の心を捉えるエレクトロニック・ミュージックを発表し続けていますが、その多くはKOMPAKTレーベルからリリースされています。 KOMPAKTの20周年記念を機会に、Abletonはトーマス・フェールマンにインタビューを実施し、ワークフロー、オーケストラとの演奏、想像上のキーボード奏者、手荷物について話を聞きました。 アレックス・パターソンとThe Orb用の素材を扱う際の制作シチュエーションはどのようなものですか? アレックスとの作業ではそのほとんどが細かい操作です。彼が提供してくれたサウンドを私がレコーディングし、トラックのフォーマットやチューンのフォーマットに合わせて調整していくという作業です。このスタイルはAbletonを使用することで実現しました。Logicを使用していた頃や、もっと前のサンプラーを入力ソースに使用していた頃は、タイミングやチューンなど細かな部分を合わせるのにかなりの時間がかかっていました。 おおまかな構造をつくるということでしょうか? そうです。以前は「アレックス、ちょっと時間がかかるよ」と言わなければならないことも多かったし、またあまりにも時間がかかるので細部に手をかけたくないと思っていましたが、今はまったく逆です。いわゆる「クイック・ソリューション」ループにとりあえず入れてみたとき、一見いいアイデアに思えない場合もよくあります。でも、後になって初見のときよりもずっといろんなことを発見することもあります。レスポンスの素早さと優れた操作性だけではありません。制作における私たちの関係性にも一役買っています。近年におけるトラック制作においても、Abletonをインターフェースとして初めから終わりまで使用していなければ、違ったサウンドになっていたはずです。 2005年発表のThe Orbのアルバム「Okie Dokie It’s The Orb On Kompakt」から一部をお聴きください。 大まかに言って…それにこのことを話すのはこれが初めてなんですが、Liveがなかったら再びライブ演奏することはなかったと思います。かなり長い間、2000年あたりまで、裏方としてずっとやってきました。「ライブ」と呼ぶに値するワークプロセスの可能性を見いだせるようになったのは、2000年だったんです。 これまでAbleton Liveを使用してきて、ライブでの演奏方法に変化はありましたか? そうですね。最近Pushを手に入れました。ステージに持ち込みたいという段階ではまだないのですが、「ライブ」という形態を向上し、再定義してくれるギアだという予感がしています。正直言って、重くて、旅行用バッグを変更しなければならないような機材を持って行くことはためらわれるんです。この点は本当に不精なんですよね… 手荷物だけですか!? さすがに米国でのツアーに手荷物だけということはありませんが、ヨーロッパだったら絶対そうですね。 フェールマンさんの「手荷物オンリー」ポリシーはかなり有名です。ご本人はそれをご存じでしたか? かなり前からの習慣なんです。79年にロバート・フリップに初めて会ったとき、彼はFrippertronicsのコンサートで世界を回っていました。キング・クリムゾンが1回目の大きな波を越えた後で、休止期間に入っていた頃だったんですが、そのとき彼が言ったことはずっと私の頭に残っています。「未来は小型で携帯式になる」ここまで発展するとは彼も想像していなかったでしょうが、私は今でもこのアイデアに強い共感を感じているのです。もちろん肉体的な労苦から自由にしてくれるという側面もありますが、資金繰り、効率性、人材、全体的なインフラという観点から見れば、ツアーという形態の構造自体を変えるアイデアだと思います。そういう点からも、役立っていると思いますね。 パレ・シャンブルグの1981年の作品「Wir Bauen Eine Neue Stadt」をご覧ください。トーマス・フェールマンはトランペットを演奏しています。 コンサートの話が出たところでもう少しお聞きしたいのですが、ラップトップを開いてセットをスタートするときの状況をお話しください。 セッションビューを使用しています。テープレコーダーのような感じで使っています。ベースドラムすべてを1つのチャンネルに、インストゥルメントをそれぞれのチャンネルにそれぞれ置いて、だいたい全部で14トラック程度です。その後、各トラックに一定数のクリップ(20列ほど)を置きます。これでアレンジの下準備が少しだけできているような状態になります。下に移動しながら途中でいくつかバリエーションを加えていく形です。 コンサートとコンサートの合間には、少しだけ時間を取って(これがとても楽しいんですが)、ライブセットを通しでリハーサルし、直前のギグの最中に考えたことを思いだすようにしています。新しいサンプルや、新しいシンセラインのアイデアを試すこともあります。こうして新しいアイデアを追加していくんです。自分にとって興味深く新鮮なサウンドになるようにするためです。 あなたの作品は音が非常に豊かです。サウンドを見つけてメロディパートを生み出す際の一般的なアプローチはどのようなものですか。 私のアイデアやパートの探し方は、キーボーディストがノートを演奏するようなスタイルとは異なります。キーボードでは簡単に再現できそうにないメロディラインを生み出したいといつも努力しています。伝統的な意味で言えば私はキーボーディストではありませんし、ベースラインやメロディやコードを演奏しているキーボーディストを想像すると、いつも少し凡庸な感じがするんです。できるだけ自然で無意識なものになるよう心がけています。これを形にすることがこの仕事の主要な部分です。だから、このサウンドを生み出すシンセを思い浮かべるということはありません。程度の差はあれ、オリジナルのソースから離れたものを作りたいのです。またサンプルの使用については、これまでにも増してサンプルの元をたどるのが難しくなってきていると感じます。識別できるリックやブレイクなどではなくなっているからです。 Liveでも同様です。最近はLiveを幅広く使用していますが、たとえば1小節のサンプルがあるとしたら、ボリュームレベルをゼロにして、サンプル内の1つか2つの要素だけをピックアップして、同様の処理を行った他のサンプルに織り交ぜます。一種のコラージュのようなテクニックです。こうすることで、サンプルの元の形やどこから手に入れたサンプルなのかをすぐに忘れてしまいます。何だったかは覚えていませんが、こうしてあっという間に新しい命を得ることになるのです。これが非常に楽しいんです。アレックスとの作業スタイルの話に戻りますが、これだとすばやく簡単にまったく異なる結果を得ることができます。 アレックスがベルリンに来るときはだいたい3~4日の滞在日程なので、ときにはかなりの作業量になることがあります。だからといって、スピードアップを自分たちに課しているわけではありません。本当に意図したことではないのですが、自然とすばやく作業できるようになりました。ほんのわずかの時間でトラックの方向性を決めることができることに、ときどき自分たちでも驚くほどです。もちろんそれで完成というわけではありませんが、核となる部分がクリアになるのに時間がかからなくなりました。 サウンドソースとインストゥルメントについての話が出たところで、KOMPAKTから発表された象徴的な12インチ「Titan One / DFM」の誕生秘話をお聞かせください。オーケストラとのコラボについてはどのような準備をされたのでしょうか。 あのプロジェクトは、Mutekと連携したモントリオール交響楽団からの依頼が発端でした。クラシック音楽とエレクトロニック音楽を本来とは異なるオーディエンスに届けるのが目的でした。モントリオールのシンフォニーホールとは違った空間で、オーケストラにマーラーの交響曲第1番を演奏させたんです。非常に感銘を受けました。100名にも上るオーケストラがあのような場所で演奏するのを見たのは初めてでした。その後、オーケストラの後に私が通常のライブセットを演奏する前の幕あいの部分を作成してほしいと依頼を受けたのです。つまり、橋のようなものを作ることになったのです。 マーラーの第1番の録音素材からいくつかの要素をサンプリングし、そこからチューンを作り上げていきました。これは第1楽章、これは第2楽章という風に単純に進めていったのではなく、第1番のさまざまな部分から30ほどのサウンドを抜き出し、そこから作成していきました。Ari Benjamin Meyersに同席してもらって、サンプルをいくつか置き換え、彼に記譜してもらって数人のミュージシャンに私と一緒に演奏してもらったんです。基本的に、クラシック楽器のセクションと、私が担当するエレクトロニックなセクションとに分けられていて、私は楽譜に変換しにくい部分を演奏しました。 「Titan One」と「DFM」の一部をお聴きいただけます。 オーケストラの録音素材をサンプリングして、サンプルベースの曲を作成し、サンプルのいくつかは記譜してオーケストラ楽器を使用して演奏したということですか? そうです。それが1曲目の「Titan One」でした。「Titan」というタイトルは、マーラーの交響曲第1番の標題から来ています。2曲目の「DFM」(これは「Du Fehlst...