Live 12.3が登場 – ステム分離など新機能を搭載

Ableton Live 12.3 がパブリックベータとして公開されました。今回の無償アップデートでは、サンプルを扱うためのまったく新しい方法、Push 3向けの表現力豊かな機能、さらにMove、Note、Live Lite向けの新しいオーディオエフェクトが追加されています。
ステム分離
Live 12 SuiteおよびPush 3スタンドアロンでは、わずか数クリックでアレンジメントビューやセッションビュー、ブラウザ内のオーディオクリップから、ボーカル、ベース、ドラム、その他の音を分離できるようになりました。
Music AIの業界最先端アルゴリズムによって実現されたこのステム分離機能は、サンプリングやリワークの可能性を大きく広げます。アカペラを作成してチョップしたり、パーカッションパートを抽出してお気に入りのサンプリングヒットから新しいドラムを構築したり、ベースラインを分離してオーディオからMIDIへの変換でリワークしたりできます。
Spliceと連携
Spliceユーザーは、Liveのブラウザから直接Spliceライブラリにアクセスできるようになり、プロジェクトのテンポやキーに合わせながらサンプルを検索・試聴できます。
さらに新しい“Search with Sound”機能により、プロジェクト内のオーディオをキャプチャしたり、クリップをSpliceパネルにドラッグ&ドロップすることで、トラックのリズムやハーモニーに合ったサンプルを瞬時に見つけることができます。
グループトラックのバウンスとバウンスしたオーディオのペースト
Live 12.2で導入された“新規トラックにバウンス”に続き、Live 12.3ではグループトラック全体、あるいは一部をまとめてオーディオにバウンスできるようになりました。
さらに新機能“バウンスしたオーディオをペースト”により、コピーしたクリップや範囲を任意のトラックやテイクレーンにバウンス済みオーディオとして貼り付けられます。クリップやエフェクトを調整しながら、繰り返しペーストすることも可能です。
アップデートされたデバイスで音を拡張
再構築されたAuto Pan-Tremoloを使えば、どんな静的なサウンドにも空間的な動きや新しいリズム的次元を加えることができます。頭がくらむようなパンニング効果から、サイドチェイン風のパンピング、スタッタリングするトランスゲートやポリリズムパターンまで自在に表現可能です。
新しいタブ形式のレイアウトにより、パンニングとトレモロ効果を瞬時に切り替えることができ、それぞれにより深いモジュレーションコントロールと幅広いタイムモードが備わっているため、リズム面での自由度が大きく向上しました。このデバイスは今回初めてAbleton Move、Note、Live Liteにも追加されます。
また、Live内蔵のすべてのインストゥルメント、オーディオ/MIDIエフェクトにA/B機能が搭載され、2つのパラメータ状態を設定してすばやく比較できるようになりました。
新しいPackを探索
Generators Pack(Iftah 制作) には、直感的に音楽的な結果を生み出すMIDIツールが収録されています。
Sting: 人気のアシッドベースパターンジェネレーターを基にした新ツール
Patterns: ワンクリックで新しいリズムを生成
さらに、Live 12.2で登場した Expressive Chords Pack に新しい Chord Editモードが追加され、コードのトランスポーズや“Learn”機能によるコード入力が可能になりました。
Live 12.1の Sequencers Pack も再現可能なアレンジメントをサポートするよう拡張されています。
変更点の全リストは、Live 12.3 ベータのリリースノートをご覧ください。
Pushの新機能

Live 12.3では、Push 3の表現力豊かなパッドを活かした新しい演奏方法が追加され、スタンドアロンの音楽制作ハブとしての柔軟性がさらに広がります。
XYZレイアウト: パッドを指でスライドして音を変化させ、押し込んでパンチイン効果を追加
Rhythm Generator: Push 3上でMIDIツールを演奏可能にする新しいドラムラックレイアウト
タッチセンシティブ・ステップ編集: [Accent] ボタンを押しながらパッドをスライドしてノートのベロシティを直感的に調整
さらにPushスタンドアロンでクラスコンプライアントオーディオインターフェイスが使用可能になり、入出力の拡張、外部プリアンプを用いた録音、DJミキサーでのライブパフォーマンスなどが実現します。
各バージョンのPushに関する詳細は、Push向けLive 12ベータのリリースノートをご確認ください。
NoteとMoveのアップデート

Live 12.3の公開と同時に、Note と Move もアップデートされました。
Note 1.5: Driftのすべてのパラメータがアプリ内課金で利用可能になり、外出先でも本格的なサウンドデザインが可能に。
Move 1.6: ドラムブレイクやギター、ピアノなどの新しいSliced Loopプリセットを追加。Sample Optionsメニューからドラムラックサンプルのリバースも可能に。さらにMove Managerを介してNoteやMoveのセットをアップロードできます。
今すぐ試そう
Live 12ライセンスをお持ちの方は、Abletonベータプログラムに参加することで、Live 12.3の新機能をいち早く体験できます。
※リリースノートおよびAbletonベータプログラムは英語のみでの提供となります。