未聞のブラジル

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未聞のブラジル

ワールドカップ2014開催でブラジルに注目が集まっていますが、Abletonでは、この機会にブラジルの過去と現在の音楽情勢に光を当ててみようと思います。バラエティに富む国民性、広大な国土を持つブラジルの音楽はもちろん多様。ブラジルの現在の音楽シーンにはさまざまなエッセンスが注ぎ込まれ、シーンを豊かなものにしています。3回にわたるこのシリーズでは、過去の革新的なブラジル音楽、ベテラン・プロデューサー、ドゥドゥ・マローテのインタビュー、ブラジルのアンダーグラウンドで注目を集めている新進アーティストについてご紹介します。 まずは少し記憶をリフレッシュしてみましょう。サンバとボサノヴァをご存じない方はいないでしょう(少なくともドラムマシンのプリセットとして)が、近年ではバイレファンキや60年代後半に盛り上がりを見せたトロピカリアがダンスフロアに進出するようになり、北半球の人気DJのプレイリストにも見られるようになりました。この記事をご覧になっているということは、1)エレクトロニック・ミュージックに興味がある、2)スタジオ・テクニックに興味がある、3)スタイルを革新したい、あるいは上記のすべてにあてはまるのではないでしょうか。これを念頭に置き、Abletonお気に入りのブラジル音楽を60年代、70年代、80年代からピックアップしてみました。ブラジル音楽への固定観念を覆すセレクションになっていると思いますので、どうぞご覧ください。 ブラジルのエレクトロニック・ミュージックの草分け、ジョルジ・アントゥネスから始めましょう。1961年、19歳のとき、彼はエレクトロニック・ミュージックの先駆者カールハインツ・シュトックハウゼンとゴットフリート・ミヒャエル・ケーニッヒのコンサートを体験します。多いにインスピレーションを受けた彼は、両親の自宅にスタジオを設置。数台のオープンリール・テープレコーダーと手製ののこぎり波発生器がスタジオ機材でした。それから数年の間に、アントゥネスはテープを結合したり、段ボール箱、プラスチック製の容器、ドラム、テルミン、テープエコー、リバーブ、ピアノやサウンド・エフェクトの録音素材を作品に使用するようになりました。 1969年の作品「Auto-Retrato Sobre Paisaje Porteño」は、ブラジルの歴史そのものをミュジーク・コンクレートの形式で表現した見事な楽曲となっています。ジャングルの喧騒のようなサウンドから始まり、アンティーク・ピアノの録音素材を細かくカットして作成されたループがそれに続きます。次第に、これらのパターンははつらつとしたエレクトロニックのリズムと融合し、どことなくテクノとポルカを思わせるサウンドになります。驚きなのは、これが開始からわずか3分での出来事であるという点です。 ジョルジ・アントゥネス - Auto-Retrato Sobre Paisaje Porteño(1969年) 1960年代終盤までに、(ビートルズが牽引してきた)音楽におけるポピュラーとアヴァンギャルドの組み合わせに対峙するものとして、ブラジルではトロピカリア運動が盛り上がりを見せるようになりました。このムーブメントの折衷主義的要素を最もよく現しているのが、サンパウロのバンド、ムタンチスでしょう。彼らのレコードは、ロックの楽器構成、ボーカルのハーモニー、スタジオ・エフェクトを独特のアレンジに融合させた作品となっています。 下のビデオでは、トロピカリアを代表するミュージシャン、カエターノ・ヴェローゾとジルベルト・ジルが書いた作品「Panis et Circenses」をムタンチスが演奏しています。ビデオで演奏されているバージョンはスタジオ録音バージョンに比べればサイケデリック感は控えめですが、このパフォーマンスは、60年代の特徴を余すところなくとらえたものとなっています(ギターやベストに注目です)。 ムタンチス - Panis et Circenses(1969年) ハードロックバンド、キッスのペルソナのアイデアがどこから来たのか気になったことはありませんか?実は、「ビルボード」誌に掲載されたブラジルのバンド、セコス・イ・モリャードスの全面広告からを盗作したのだという根強い噂があるのです。1973年、セコス・イ・モリャードスは母国ブラジルでデビュー・アルバムを100万枚売上げ、さらに大きな利益をもたらすであろう米国市場への参入を計画していました。残念ながらそれはならず、ブラジルでの大成功にもかかわらず(リード・ボーカルのネイ・マトグロッソは現在も活動中)、セコス・イ・モリャードスは南アメリカ諸国以外ではほとんど無名のままとなっています。 1973年にブラジルのテレビ番組でリップシンクするセコス・イ・モリャードスの「Sangue Latino」をご覧ください。このクリップでは、ネイ・マトグロッソの比類ない歌声と、ジーン・シモンズたちのインスピレーションとなった(かもしれない)メイクアップをご覧いただけます。 セコス・イ・モリャードス - Sangue Latino(1973年) マルコス・ヴァーリは、人気ソングライターおよびシンガーとして1960年代中盤にそのキャリアをスタートさせました。これぞボサノヴァというチューンの「Samba de Verão(邦題:サマー・サンバ)」を作曲後、ヴァーリは1970年代初頭により冒険心のある一連のアルバムをリリースします。1973年発表の「Previsão do Tempo」は、そのジャズフュージョンな雰囲気と、フェンダー・ローズ・ピアノとハモンド・オルガンの多用で特に目を引きます。このレコードでのヴァーリのバックバンドは アジムスで、キーボーディストのジョゼ・ホベルト・ベルトラミがアレンジにMinimoogとARP Soloistを惜しみなく使用しています。メロディに優しく流れるシンセが「Mais do Que Valsa」を単なるワルツ以上の何かに昇華させています。 マルコス・ヴァーリ - Mais do Que Valsa(1973年) 1960年代と70年代の音楽的イノヴェイションの豊作期後、ブラジル軍事政権の抑圧はますます強まり、1980年初頭までに、ブラジル文化の活気はそのほとんどが握りつぶされてしまいました。1980年代に実施された緩やかな文民政治への移行とともに、ブラジル音楽も目覚めのときを迎えましたが、そこから生まれたサウンドは切迫感と怒りを秘めたもので、「イパネマの娘」のメランコリーからはほど遠いものでした。 サッカー番組のアナウンサー実況や独特なリズム感覚。ブラジルのポスト・ファンクとニュー・ウェーブのいくつかの興味深い作品には、ある種の屈折した「ブラジルらしさ」が戦略的に採り入れられています。1980年代のサンパウロのアンダーグラウンド・シーンから2曲をご紹介しましょう。Vzyadoq Moeのダブアウト「Redenção」は、まるでバウハウスがサンバ・パレードを演奏したらこうなるんじゃないか…を想像させるサウンドです。 Akira S...

空間とサウンドの関係: Convolution Reverb用のインパルスレスポンスの収集

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空間とサウンドの関係: Convolution Reverb用のインパルスレスポンスの収集

インパルスレスポンスの測定準備 洞くつの中でサンプル・ピアノがどのように聞こえるか考えたことは?ドラムマシンを古い教会内の中央で演奏したら?コンボリューション・リバーブを使用すれば、実世界の空間特性をあらゆるオーディオ素材に適用することができます。現地までの交通費に悩まされることも、古代遺跡でシンセをつなぐコンセントのないことに呆然とすることもありません。 コンボリューション・リバーブの核となるのが、インパルスレスポンス(IR)です。IRとは、空間の特性をとらえるために測定されたデータを指します。コンボリューション・リバーブを使用すれば、あらゆる実世界空間、ビンテージ・ハードウェアなどの特性をサウンドに適用することができます。実は、オーディオ・ファイルをIRとして保存することも可能です。ギターをネコの鳴き声でコンボリューションしたら、いったいどうなるのでしょう?可能性は無限です。 Live 9では、Max for Live Essentials PackにベーシックなConvolution Reverbと堅牢なConvolution Reverb Proが収録されています。どちらも、コンボリューションを使用する秀逸のMax for Liveエフェクトです。 先頭は未加工の短いフレーズ、続いて同じフレーズにLive 9のConvolution Reverbを適用。木製の広い室内のIRを使用 Live 9のConvolution Reverbには、自然な空間やクラシックなハードウェア・リバーブなどさまざまなIRが付属しています。また、サウンド・デザイナーによるさまざまなオンライン・コミュニティが優れた無償IRを豊富に提供しています。バットケイブのサウンドをキャプチャしたいと思ったことは?EchoThiefコレクションには、1960年代のテレビドラマでセットとして使用された実際のバットケイブで測定したIRが収録されています。この記事の最後では、AbletonがピックアップしたIRリソースをいくつかご紹介しています。 IRの測定にはいくつかのコツが必要です。そのあたりについて、Abletonのサウンド・デザイナー、Matt JacksonとChristian Kleineに話を聞きました。Mattは次のように説明しています。「プロの観点からアドバイスをするならば、1)騒音の少ない夜に作業すること、2)高品質のシグナル・パスを使用すること(ラウドでクリーンなモニター、高品位サウンド・カードと測定マイクなど)、3)長いスイープ(低周波から高周波にスムーズに移動する正弦波)を使用すること、この3つです」プラグインまたはハードウェア・リバーブからのサンプリングはどちらかというとシンプルです。Mattは、DCクリック(短い一発のサウンド・インパルス、非常に「クリーン」なサウンド・ソースを提供)を使用することをすすめています。 独自のIRを集めたいなら、IR Measurement Deviceを使用するとよいでしょう(Max for Live Essentials Packに収録)。オーディオのキャプチャ、インパルスとスイープの生成用の調整可能な設定を搭載したIR Measurement Deviceなら、スタジオ内のあらゆるものからIRを簡単に抽出できます。 Kraftwerk BerlinでIRを測定するMatt スイープは大きな部屋に適していますが、セットアップが少し難しくなります。IR取得に便利なもうひとつのツールに、スターター・ピストル(陸上競技に使用される号砲)があります。上のビデオでMattが使用しているのもこのスターター・ピストルです。このIRについて、Mattは次のように説明しています。 「スターター・ピストルを使用したのは、ラップトップで録音ボタンを押して空間内のいろんな場所でピストルを発砲すればよく、重いスピーカーを引きずり回す必要がないからです。スターター・ピストルはIRに色づけを加えます(また帯域幅を制限します)が、ほとんどの場合問題はありません。 Convolution Reverb用のビデオのロケハンでは、ベルリン市内で広くて静かな場所を探しました。その際、廃墟になった総合病院、アイスクリーム工場、軍事施設が多数見つかりました。すばらしい体験です。こういった場所では、ベルリンの歴史を実感することができます。これほどの大都市にこんなにも廃墟が残っていることにも驚きましたが、ベルリンの歴史が原因で、これらの建物はある意味絶望を感じさせるような状態で放棄された当時のまま残されていて、タイムトラベルをしているような気分でした。 ビデオ用に、Tresorのオーナー陣に連絡を取りました。彼らは、発電所跡を利用したKraftwerk Berlinのオーナーでもあります。その1カ月後には同じ場所でAtonalフェスティバルが開催されました。ここのすばらしさは想像を超えています。巨大で、残響がすばらしく、非常に興味深い場所です。そのうえ外からの騒音が伝わりません」 Live 9のConvolution Reverb Pro 独特の空間や珍しい機材についての話が一段落したところで、今度はChristianとMattに、彼らにとって印象深いIRについて話を聞いてみましょう。「ビンテージのハードウェア・ユニットのいくつか、特にStocktronics RX-4000 Plateリバーブ、SwissEcho 2000、古いFarfisa Springリバーブ数点がお気に入りです」Christianはこう話しています。「Ursa Major...

Free Stuff Friday: ユニークなフィルター、コード・ジェネレーター、ドラム・マシンと松ぼっくり

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Free Stuff Friday: ユニークなフィルター、コード・ジェネレーター、ドラム・マシンと松ぼっくり

タダに勝るものはない?そのとおりです。そろそろ慣れてしまいましょう。毎週金曜にFree Stuff Fridayをお届けしているのもそのためです。(これが水曜だとちょっとリズムがずれてしまいますよね!)いつものとおり、Max for Liveフィルター、コード・ジェネレーター・ラック、クラシックなドラムマシーンや松ぼっくり(これが実はすばらしいパーカッション素材なのです)のサンプルなど、皆様のためにインスピレーションあふれるデバイスをいくつかピックアップしました。充実した週末になりますように! スピード違反のカットオフよりも速く Amazing NoisesのMaurizio Giriは、新しいMax for Liveフィルター・エフェクトSuperfilterを公開しています。24dBと48dBのフィルター・スロープを切り替えることができ、レゾナンスとオーバードライブ・パラメーターを調整可能です。緩やかなスイープや、シャープで破壊的なカットをサウンドに加えることができます。Superfilterの動作の様子を下のビデオからご覧ください。 Superfilterをダウンロード コードを簡単に生成 LiveのChord MIDIエフェクトでは和音を簡単に作成できますが、自分に必要などんな音がどれなのかは…?認定トレーナーのSideBrainことYeuda Ben-Atarが、メジャーとマイナーのコードを簡単に作成できる無償のコード・ジェネレーターRackをご紹介。マクロで音程を設定し、オートメーションを追加してコード進行を設定します。コードの音程の関係について知りたければ、Yeudaのコード・カンニングペーパーが便利です。 Chord Generatorセットをダウンロード Vintage beats and… pinecones? ビンテージ・ビートと…松ぼっくり? Puremagnetikのサウンド・デザイナーMicah Frankが、2つの無償新Packを提供しています。Wicked Kitsは、SP12(上画像参照)などの有名ドラム・マシン、シンセ、レコードのサンプルを収録しています。 より変わったものをお探しなら、Pine Percussionがおすすめ。イスラエル・カルメル山の火事で荒廃した森で松ぼっくりと枝が生み出す針葉樹独特のクリスプなサウンドをサンプリングしています。MatmosやMatthew Herbertといったサンプル・パーカッション・アーティストのファンであれば、これらのツールが気に入ることでしょう。サンプルはこちらからお聞きいただけます。 Wicked KitsとPine Percussionをダウンロード 紹介したい無償ツールがあれば、Facebook、Twitter、Google+にご投稿ください!その際は、ハッシュタグ #FreeStuffFriday をお忘れなく。

Mark Barrott:アイランド・ライフ

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Mark Barrott:アイランド・ライフ

世界を駆け回るミュージシャン、レーベル・オーナー、DJ、サウンド・デザイナーとして、Mark Barrottは、音楽と、そのコンテキスチュアル(かつフィジカル)な環境背景の間に生じるフィードバック・ループについてよく心得ています。イングランド北部をベースに活動していたBarrottは、現在太陽の光輝くスペイン・イビザ島に居住中。隣人には、ダンス・ミュージック界のベテランJosé PadillaやGeorge Evelynも顔を並べています。美しい南国の自然に囲まれて制作されたBarrottの最新アルバムは、「Sketches from an Island」(島からのスケッチ)とふさわしい名前が付けられています。6年ぶりのフルレングス・リリースであり、個人名でのデビュー作です。 Abletonは、故郷イギリスに短期滞在中のMarkにインタビューを敢行。アルバム、屋外のベンチに座っての作業、「イン・ザ・ボックス」で制作を行うこと、人気急上昇中の彼のレーベルInternational Feelについて話を聞きました。 “Baby Come Home” from Sketches from an Island 新アルバムからはお住まいの環境の影響が強く感じられますが、エレクトロニックなアルバムを美しい自然が広がる地域でレコーディングするというのはどのような感じなのでしょうか。 郊外というか田舎に住んでいるのですが、聞こえてくる音といえば鳥の鳴き声くらいで、交通騒音もほとんどなく、人の声もまったくといっていいほど聞こえません。まちがいなく環境はミュージック・メイキングに影響を与えると思います。私の住んでいる環境はとても静かなので、両親に会いに数ヵ月ごとにシェフィールドに戻るたび、環境騒音が大音量に感じられて、不思議な感じになります。イギリスに住む人にとってはこれが日常なのですが。カスタムの耳栓を2セット持っていて、イギリスにいるときはよく使用しています。環境騒音のレベルがとてつもないので。ベルリンもやや同じようなところがあります。ベルリンには断続的に合計4~5年住みましたが、私が今住んでいるところに比べると、喧騒はかなりのレベルです。今回制作をスタートさせた地点は、都市に住んでいたら選んだだろうスタート地点に比べると、かなり瞑想的な場所でした。 「Sketches…」制作のテクニカル・セットアップについて教えてください。 アルバムで使用した唯一のハードウェアはArturia Microbruteで、ある曲に使用しました。このアルバムで使用した機器を全部上げると、Abletonを起動したMacBook Pro、IK Multimediaのコンパクトな3オクターブ・キーボードiRig KEYS Pro、Sennheiserのヘッドフォン、ソフトウェアのオーソライズ用のiLok、そして最後にあるトラックのある箇所に使用したArturia Microbruteです。その他すべては全部Ableton内にあります。このアルバムは最後のトラックの一部分を除いて完全にコンピューター完結で制作しました。 Cover art for Sketches from an Island ヘッドフォンでアルバムをミックスされたそうですが、それによって可動性は高まりましたか? 制作ロケーションに関係なく、いつも作業はリビングでするんです。セットアップされたスタジオがあまり好きではなくて。ウルグアイでは、巨大なGenelec製モニターが設置されていて音響的にも完璧な別個のスタジオを使用していました。ミュージシャンの音楽というのはミュージシャンの生活に本質的に結びついているものだと思うので、すべてに囲まれているときこそいい音楽ができると思うんです。アルバムの大部分を作成したときにいた場所には、広々と開放的なリビングがあって、そこにセットアップしました。新居には大きな庭があるのですが、そこにモダンな温室があって、その中が寝室以外の生活空間になっています。小さなキッチン、ダイニング、妻の仕事場、私のスタジオがこの温室の中にあります。自然光の入らない小さなスタジオに閉じこもるよりも、猫たちに目をやったり、夕日を眺めたり、植物を観察したりしながらここにいるのが好きです。 このアルバムのほとんどは、イビザ・スタイルの古いダイニング・テーブルでラップトップを使用して作成しました。マウスは使用していません―トラックパッドを使用する方が、コンピューターとより親密な関係を築けるし、より集中できるような気がするからです。ヘッドフォン以外で音楽を聴くことはほとんどありません。なので、すべてはヘッドフォンを通して行います。その後ステムを作成して、イングランド南部のデヴォンにいるすごい腕前を持つある男性にステムミックスを依頼します。 José Padillaのアルバム制作用に手持ちの機材を拡大する予定ですか? これまでにも何度も引用してきたのですが、「音楽技術はすばらしい趣味だが、しばしば音楽の邪魔もする」と思います。だから、再来週の金曜には、2台のiPod、Moog Minitaur、それにラックに設置した3種類のシンセを用意して制作に臨むと思います。そのうちどれくらいを(International FeelからリリースされるJosé Padillaの次アルバムで)使用するかは分かりません。とにかくやってみないと…あまり使用しないような気はしますが、正直に言うと、これらの機材の使用は楽しいと思います。父親はビンテージ車が中心の生活を送っていたのですが、それは生活の糧を得るための手段でもあり、楽しみでもありました。あたらしいシンセのうちどれくらいを実際に使用することになるかは始めてみないと分かりません。あまり使用しないとは思いますが、それでも大きな喜びを与えてくれるでしょう。 International Feelを立ち上げたとき、ウルグアイのプンタ・デル・エステにお住まいでしたね。あそこへはどういった理由で? 私たち(Markと彼の妻)は当時(ベルリンの)ハイナーズドルフにあるとても素敵な家に4~5年の賃貸契約で住んでいたのですが、さらに5年間の契約更新はしないことにしました。退居通知を出してから、ある春の日の午後、温室に座って考えました。自分たちに必要なものはなんだろう、と。インターネット、そしてたとえば医療サービス、きれいな水といったいくつかのものが挙がりました。インターネットで世界地図を見て、考え始めました。アジアにはどちらも長いこと滞在したことがあって、住みたいとは思いませんでした。オーストラリアは高すぎるし、ニュージーランドは猫の検疫法がありえないほど厳しかったので、南アメリカに焦点を合わせることにしました。ブラジルにはあまり興味をそそられませんでした。チリはありかなと思いましたが、太平洋沿岸につきものの地震や津波の問題がありました。それでウルグアイに注目したんです。2カ月後、ウルグアイを訪れて1週間滞在しました。週末にブエノスアイレスに行き、いろいろあってどたばたしているうちにウルグアイに戻り、その週に家を購入したんです。 “Hands of Love (Fingers...

Max for Cats: 先進のシンセサイザー - ネコでも分かる優れた操作性

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Max for Cats: 先進のシンセサイザー - ネコでも分かる優れた操作性

その名に反して、Max for Catsはシンセサイザーに途方もない情熱を持つ人間によるプロダクトです。Max for Live用Packとして提供されているEnsembleおよびDiGiTALは、ハードウェア・シンセとMaxパッチングへの長年にわたる情熱を示しています。 Ensemble by Max for Cats アンサンブルを構築 クラシックな1970年代のストリング・シンセをベースとするEnsembleは、センチメンタルなプログレロックのコード、レトロフューチャリスティックなサウンドトラック、きらびやかなディスコ・スタブの精神をとらえています。内蔵のフェイザーおよびコーラス・エフェクトがサウンドをふさわしいビンテージ・ヴァイブで包み込みます。これらのエフェクトは、さらに個別のデバイスとしてEnsembleに付属されています。 Ensembleをチェック DiGiTAL by Max for Cats デジタル・ラブ ウェーブテーブル、FM、加算、減算合成を用いたDiGiTALは、新しいサウンドのイメージング向けにデザインされたフューチャリスティックなインストゥルメントです。美しい設計でユーザーフレンドリーなコントロールを使用して、新たなサウンドの世界を創造できます。 DiGiTALをプレビュー

Throwing SnowがPushで「The Void」をプレイ

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Throwing SnowがPushで「The Void」をプレイ

先週、イギリスをベースに活動するアーティストThrowing SnowのデビューLP「Mosaic」がHoundstoothからリリースされました。彼のサウンドを端的な言葉で表現するのは困難ですが、新アルバムは、多数のコラボレーションによる、感情に訴えるトラックとベースの効いたシネマティックを包含したインパクトのある作品となっています。そのうちのひとつ、ボーカリストJassy Grezとのコラボレーションは、Throwing Snowが先週BBCのMaida Valeスタジオに招かれた際に披露されました。パワフルな作品「The Void」はムーディーなサウンド・デザインに富んでおり、Jessyがボーカル、Rossがコントロールを担当していますが、コントロール・ワークフローの中心をPushが担っています。Korg volca beatsに同期させたPushを使用し、ノート・モードでメロディを演奏したり、ドラム・モードでサウンド・エフェクトをトリガーする様子をビデオでご覧ください。 気に入ったら、ハードウェア・ドラム・マシンをPushでプレイする方法について学ぶのもよいでしょう。Mosaicのその他のトラックは下からお聞きいただけます。

Free-Stuff-Friday:アコースティック・ドラム、Dave Smith Tetra、クリップ・パラメーターの新たなコントロール手法

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Free-Stuff-Friday:アコースティック・ドラム、Dave Smith Tetra、クリップ・パラメーターの新たなコントロール手法

1週間が過ぎました。新しいFree-Stuff-Fridayの登場です!今週の無償アイテムは、多用途なアコースティック・ドラム・キット、想像力に富んだシンセ・ドラム数点、クリップを使用してパラメーター設定をすばやく分類、コントロールするMax for Liveデバイスをご紹介します。 もうひとつかみ! 少し前、Abletonは、Drumdropsの個性的なアコースティック・ドラムのセット、「A Fistful of Drumkits」をリリースしました。このリリースには無償の追加Packが付属しており、さまざまなキットのマルチサンプルを含む別のキットをフィーチャーしています。ソリッドなアコースティック・ドラム・セットのキャラクターを詰め込んだRecording Hybrid Kitは、優れたサウンドの汎用ドラム・キットです。 Recording Hybrid Kitをダウンロード エフェクト設定をクリップで呼び出し Automat animates Collision Benniy BascomのAUTOMATは、シンプルですばやい操作を可能にするクリップ・エンベロープと考えると分かりやすいでしょう。トラックで任意の値を取得し、それをクリップに対して設定します。シーケンスに合わせてフィルターを開閉したい?ブリッジをトリガーするときにフランジャーをオフに切り替えたい?そんなとき、このMax for Liveを使用すれば、エフェクト設定をクリップですばやく簡単に呼び出すことができます。 AUTOMATをダウンロード Tetraサウンドのキット 4ボイスとそのジューシーなサウンドでアナログ機材を思わせるDave Smith Instruments Tetraは、デスクトップ・シンセサイザーにおける新たな伝統を築いています。Ableton認定トレーナーXavier Jacquesは、Tetraの力強くフューチャリスティックなドラム・サウンドを使用し、多数のサウンド・バリエーションを含むキットを作成しています。キットは、Ableton Live Expertから無償Live Packとして入手可能です。 Tetra Analog Synth Drumsをダウンロード 今週はここまでです。楽しい音楽制作を!紹介したい無償ツールがあれば、FacebookまたはTwitterでご紹介ください。その際は、ハッシュタグ #MadeWithLive をお忘れなく。

インプット/アウトプット: Sculpture

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インプット/アウトプット: Sculpture

シリーズ「インプット/アウトプット」では、Abletonコミュニティに属するプロデューサーのスタジオを訪ね、彼らの制作プロセスに取り入れられるインスピレーション、テクニック、技術と、そこから生まれる最新の音楽作品に光を当てていきます。 Sculptureは、アニメーター/ビジュアル・アーティストのReuben Sutherlandと、ミュージシャン/プロデューサーのDan Hayhurstからなる、ロンドンを拠点に活動するデュオです。デジタルとアナログ両方のメディアを活用し、触知的なアプローチとバーチャルなアプローチを同等に採り入れたSculptureがこれまでの6年間に発表してきたサイケデリックでイマーシブなオーディオ・ビジュアル作品は、プロジェクトの誕生以来、その「とにかくやってみよう」という心意気、楽しむことをよしとする感覚を失っていません。下のビデオで、Sculptureの極めてユニークな手法をご覧ください。続いて、Oneohtrix Point Neverによるブルックリン・ベースのレーベルSoftwareからリリースされた「Membrane Pop」に合わせて行われたDan Hayhurstのインタビューをお読みください。 フランクフルトのザースフェー・パビリオンでライブ・ショーを行うSculpture Sculptureを「視覚音楽的凝集体」と言及されていますが、これについてご説明いただけますか? 「オーディオビジュアル・プロジェクト」と呼んでもいいのですが、もう少しロマンティックな表現にしたくて。知覚/感情の刺激というものを、あらゆる感覚を駆使して検証することです。ビジュアルもオーディオも同じく重要であり、互いを満たし合う間柄です。「凝集」という言葉は、私に実体を想起させます。単なる部分の集合ではない、生命体のようなものです。ポリマーやロボットのように加工により作られたものもあれば、有機体もあります。また、これは一時的な状態で、再び消散したり、再構成したりするものかもしれません。 デュオ結成のきっかけは? ロンドンの巨大なウェアハウスで隣人同士だったんです。そこは、人が住めるように最小限の手を加えて倉庫をアパートに改装したもので、壁が薄くて、冬は凍るように寒くて、夏はまるで温室みたいなところでした。Reubenはフェナキストスコープなどの円板とビデオカメラを使ったアニメーション技術を扱っていたのですが、私は自分の作るちょっと変わった音楽で、この歪んだ住環境をさらに変わった場所にすることに貢献していました…壁から漏れる音が、早い時期からReubenの脳のパターンに何らかの影響を与えていたのかもしれません。念のために言っておくと、彼はすでにこのワームホールにかなり夢中になっていました。一緒にプロジェクトを始める1年ほど前に知り合いになりました。共通点があることは確かだったので、パフォーマンスを計画することでコラボレーションの可能性があるかどうか検証しようと考えました。あらかじめ一緒に準備することはせず、互いが何をするつもりか知らない状態でステージに上がり、同時にパフォーマンスを行いました。なので、素材自体がつながりの形成につながっています。並置、連関と参照の枠組み―異なる感覚要素同士の相互作用です。 ReubenのデザインによるSculptureのピクチャー・ディスク それぞれのメディアへのアプローチに共通する点は? デジタルとフィジカルの対話です。フィジカルな世界における自己表現のアルゴリズム/プロセスです。Reubenの場合、カードに印刷された数百のアニメーションからなるライブラリがあるのですが、今ではほとんど制御不可能な数になっていて、まるで神経系のように常に成長を続けています。これらは、PhotoshopやAfter Effectsで生成してからこの触知メディアに転写されています。私は、アナログ・テープやハードウェア機器(サンプラー/CDJデッキ)を使用した物理的なカットアップを、オーディオの分解と再構成用のデジタル技術と組み合わせていて、デジタルにはほぼ100%Liveを使用しています。 「デジタルとフィジカルの対話」というお話がありましたが、これはどのように制作プロセスの一翼を担っていますか?たとえば、新アルバムの制作においてはいかがでしょうか? 私はどちらかというと、独立した「トラック」という形態ではなく、いろんな置換で再結合が可能な要素を使用する傾向があります。リズム、サウンド、ハーモニー要素、トーン、パーカッションなどのライブラリを構築しています。どこかで見つけた1955年録音の素材など、まったく異なる時代に作成されたものもあれば、自分で作成したものもあります。5年前、先週、今日の午後―作ったことすら忘れているものもあります。さらにこの「ライブラリ」は複数にわたるテープ・リール、テープ・ループ、サンプラーに保存されています。正直、かなり混沌としています!これらのソースをある時点でLiveに録音し、Liveの出力をさまざまなテープ・レコーダーに録音したり(テープ・ループを作成するため)、Korg ES1やTeenage Engineering OP1などのサンプラ―に録音します。 古いテープに保存されている60年代の録音物を無作為に選んでLiveに取り込み、それをMIDIデータに変換して Drum Rackでサンプルのトリガーに使用することもあります。短い「ヒット」の場合もあれば、数メートルにわたるテープ分のレコーディングである場合もあります。デバイス・チェーンは、だいたいPitch > Arpeggiator > Random > Scale > Simplerです。それに、ピッチのランダマイズ率、サンプルのスタート位置、アルペジオのレート、サンプルの長さなどのコントロールにマクロを使用します。コントロール・サーフェスにはAPC 40を使用しています。マクロにクリップ・オートメーションも使用しています。こうすることで、あらゆる素材をすばやく細分化し再配置することができます。 最後に、再結合可能な要素からなるコレクションをLive クリップ/セッション/アレンジメント、テープ・ループ、テープ・リール、カセット、CDR、ハードウェア・サンプラーといったさまざまなメディアに拡散させます。スタジオとライブの両方で継続的にさまざまな順列を試していくうちに、最終的に「トラックの完成形」へとまとまっていきます。ここまで来たらLiveに録音して、それを使用して編集したりアレンジします。 ややランダムにレイヤーすることもあります。たとえば新しいLPに収録された作品では、あるギグを録音したものを最終アレンジにランダムに落とし込んでいき、タイムラインに沿っていくつかの要素が互いにうまくマッチするようにしました。新しいつながり/相関を生み出す、予期せぬ同時性というアイデアが本当に気に入っているんです…。 Sculptureの「Plastic Infinite」用に作成されたビデオ。リリースされたピクチャー・ディスクがフィーチャーされている ライブでのセットアップについて教えてください。Reubenとダイレクトに意思疎通することは多いのでしょうか?それとも、同じゴールに向かって併走するような感じですか? どちらのセットアップも、ステージに上がったどのミュージシャンがやるように、互いの動きに対応できるようなフレキシブルなものになっています。繰り返されることで「固定」となったいくつかの音楽についても同じです。一方で、まだ予備段階という状態のものもあります。Reubenはアニメーション・カードのライブラリを用意していて、レコード・プレーヤーとその上に取り付けたビデオ・カメラを使ってこれをプレイします。ビジュアル・ターンテーブル主義ですね。 彼はいくつかのアニメーションを準備していて、特定の音が聞こえたらそれを使用しようという心づもりではいますが、ほとんどの場合予期しない同時性からアクションが起こることが多いです。私たちの脳は、知覚情報につながりや関連性を察知します。それに、ステージではたくさんの情報が非常に速く生成されています…非常にエネルギー度の高いイベントです。とはいえ、6年間一緒にやってきていますから、何をしたらうまくいくかということが分かっています。完全にランダムというわけではありません。 ライブではコンピューターを使用しません。いつも、コンピューターが生成した素材を別のメディアに転送します。これをするのは、コンピューターやスクリーンに注意を削がれるような気がするからです。なので、モジュラー・インストゥルメントのように動作するデバイスをいくつか使用します。まあまあのところまではうまく操作できるのですが、完璧ではないので、予期しないことや意図しなかった迂回がたくさん生じます。オープンリール・テープレコーダー(テープ・ループ用)、CDJデッキ、数台のハードウェア・サンプラー(Korg ES1/Teenage Engineering OP1)、ウォークマン、エフェクト(リング・モジュレーション、エコー、ディストーション)を使用していますが、 ライブでは多少制御不能な状態になります。2人とも、秩序とカオスの間のバランスがとれた状態を追い求めているような感じです。Liveに素材を取り込んで試行錯誤して予期しないような方法で新しい形を作り出すという手法には、テープを使って行っていた手法が反映されています。エモーショナルで美的な反応を引き起こし、普通ではたどり着けない場所に導いてくれる何かを探しているのです。純粋な「音楽制作」の観点から見れば、人々に喜びを与えるよう形でさまざまな音響特性を組み合わせていきます。またこれは、さまざまな時代と関連づけて考えられるサウンドと美的感覚を織り交ぜることでもあります。私たちは、インターネットそして我々の感覚器に押し寄せる膨大な情報によりこういった区切りが打ち砕かれつつある時代を生きています。私たちは常時情報を編集し、処理し、整理しています。我々の現実の認識というものはこういった情報から作り上げられたものです。これらを題材にするのはなかなか楽しいですよ。 Sculptureの「Membrane Pop」はSoftware Recording...

Audioverdrive: Liveでリアルタイム・ゲーミング

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Audioverdrive: Liveでリアルタイム・ゲーミング

デベロッパーでありミュージシャンでもあるNils Iver Holtarのゲーム経験は、80年代後半のファミコン作品をはじめ、印象的なサウンドトラックで彩られています。修士論文を書くにあたって、Nilは、iPadアプリ「Audioverdrive」のアイデアを得ました。Ableton Liveと双方向で通信し、ゲーム内のアクションによりサウンドトラックをリアルタイムで作成する、宇宙が舞台のシューティング・ゲームです。Abletonは、Nilsにゲーム・コンセプトと今後について話を聞きました。まずは、「Audioverdrive」のゲームプレイを紹介したデモをご覧ください。 「Audioverdrive」を論文の題材にすることになったきっかけは? 修士論文につながるプロジェクトの多くは、ゲームにおける従来と異なる手法でのオーディオと音楽の使用と実装に集中していました。論文では、これらの実装をより即時的で作曲のワークフローに合わせたものにする方法を模索したいと考えました。 「Audioverdrive」におけるゲームと音楽の通信についてご説明いただけますか? 実は非常にシンプルなんです。すべての通信にはOSCメッセージが使用されています。必要なのは、マッピング・ソフトウェアを実行するコンピューターとLiveがAudioverdriveを実行するiPadと同一のネットワークにあることだけです。マッピング・ソフトウェアがMIDIのデスティネーションとなり、Liveがこのソフトウェアに直接MIDIを出力します。デモ・マッピングで私がやっていたのは、ノートオンMIDIメッセージをさまざまなゲーム内のイベントにマッピングすることでした。使用しなかったパラメーターもたくさんありました(プレイヤーX/Y座標など)が、これはできることがたくさんあって手に負えなくなったからです。 ゲームにおけるあなたの経歴について教えてください。また、音楽における経歴は? 初期に作成したゲームはQBasicでプログラムしていました。変なゲームばかりでした。特に記憶に残っているのは、コンピューターが異様に強い、少ない装備でUFOを防御するゲームです。その後RPG Makerを数年使用してから、一般的なプログラミング言語を学びました。実はまだひとつも完成させたことがないんです。リリースできればいいなと思っています。 音楽制作はプログラミングに並ぶ私の情熱の対象です。これまで、ステージ・ショー、短編映画、独立作品など、さまざまなプロジェクトに参加してきました。ほとんどはノルウェーでの活動です。シンセ・ロック・バンドUltra Sheriffでパフォーマンスと作曲もしていて、この活動を通じてLiveに出会いました。 現在は、フリーランス・プログラマーとしての仕事とうまくバランスを取るよう努力している最中です。今手がけているプロジェクトのひとつが、Preliminal Gamesから近日リリース予定のモバイル・ゲーム「Fractured Skyline」のサウンドトラックです。もうひとつは、Logic Artistsのスパイ・スリラー「Clandestine」のサウンド・デザインとオーディオ実装です。 Nilsのサウンド・デザインが使用されている「Clandestine」予告版 Liveユーザー向けのAudioverdriveのリリースの予定は? このセットアップで作業する楽しさを知ってしまったからには、もっとたくさんの人々に試してもらうチャンスを提供しないわけにはいきません。Liveユーザーには才能豊かな面々が多いので、最高のオーディオ・ゲーム・デザインが生まれると思います。今は、最良の方法について検討しているところです。現在のセットアップでは、iPadとOS Xコンピューターが必要です。マッピング・ソフトウェアのユーザー・エクスペリエンスをさらに洗練させてこのままリリースしてみることもできますが、それだと現在のゲームとパラメーターしか操作できません。マッピング・ソフトウェアは実際のところかなり包括的なものになっていて、理論上では、OSCメッセージを正しく解釈し送信できるゲームであればどんなものにも適用可能です。ですので、どのようなゲームにも統合可能でき、可能性を広げるAPIをリリースするのも一策かなと思います。このようなツールを使って皆がどのようなことをするのか、ユーザーがどのプラットフォームを好むのか、非常に興味があります。 今後のバージョンのAudioverdriveのコンセプト画像 スタンドアロン・バージョンのAudioverdriveのリリースの予定は? ビデオで紹介したゲームのことでしょうか?はい、ただ名前は変わるかもしれません。まだマッピング設定のプロトタイプの作成中なのですが、数々のレベルやボス戦を含む、非常に楽しめるゲーム・デザインになると思います。しっかりとした形になったら、スタンドアロン・バージョンとしてパッケージ化するつもりです。今のところこのゲームはサイドプロジェクトなので、どのくらい時間がかかるのかははっきりと言えませんが。

MUTEK 2014でのロバート・ヘンケ、リッチー・ホウティンのトークをビデオで

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MUTEK 2014でのロバート・ヘンケ、リッチー・ホウティンのトークをビデオで

毎年モントリオールで開催され、最新のエレクトロニック・ミュージック、ニュー・メディア、文化を紹介する一大イベントMUTEKが今年で15年目を迎え、Abletonも15周年記念となる今年のイベントに参加しました。Abletonは、アーティスト・トークやPushのハンズオン・ワークショップを行うAbleton Loungeを開設。MUTEKの厚意により、行われたトークのうち2つをここでご紹介します。 まずは、ミュージシャンであり、研究者でもあり、また最古参のAbletonデベロッパーでもあるロバート・ヘンケ(Monolake)とMUTEKの共同創始者アラン・モンゴーとの対談をご覧ください。トピックはロバートの最新プロジェクト「Lumière」から音楽技術の発展にわたっています。 Plastikman名義でのテクノのパイオニアとしての活躍から、伝説となった「デッキ、エフェクト、909」によるDJセット(今はそこにPushが加わっています)まで、リッチー・ホウティンは最先端の音楽テクノロジーの実情を正確に把握するミュージシャンとして20年にわたりその地位を確立してきました。MUTEKでリッチーはDJ Tech Toolsのケン・テイラーと対談し、現在進行中の意欲的なPlastikmanのライブ、Space IbizaでのENTERクラブ・ナイト・シリーズ、スタジオでの制作用セットアップについて語っています。

Free Stuff Friday: 小石のシンセ、フリージャズのラック、クラシックなフット・ペダル

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Free Stuff Friday: 小石のシンセ、フリージャズのラック、クラシックなフット・ペダル

エフェクト・ラックからIR、Max for Liveシンセまで、今週のFree Stuff Fridayも、Abletonコミュニティからの無償プロダクション・ツールが満載です。クリエイティブな週末の音楽制作にお役立てください。 魔法の石? まずはRocks to Richesから。Rory PQによるユニークなInstrument Rackです。ジャンルの「ロック」ではなく、「岩」のサンプルで構成されています。Roryのファイナル・パックが入手可能ですので、ぜひご自身のトラックに活用してみてください。下のビデオでは、皿の上を滑る小石の音からつややかでディープなオルガン・サウンドを作り出すプロセスをご覧いただけます。マジックの種明かしに驚かれることでしょう! Rocks to Richesをダウンロード オープン・ザ・ボックス! Whitebox Synth Makersは、これまでにいくつかのMax for Liveシンセ、Instrument Racks、Effects Racksを発表してきました。上のオーディオ・サンプルでは、ミステリアスなMax for Liveインストゥルメント「Spotfield」が使用されています。Tenser 2のスペクトル・トーンからArcturusのフリー・ジャズまで、このウェブサイトは無償ダウンロードの宝の山となっています。 Whitebox Synth Makers 伝説の名器のインパルス Live 9のConvolution Reverbは、あらゆるインパルス・レスポンス(IR)サンプルを扱うことができます。Bedroom Producers Blogでは、Boss GT-8マルチエフェクト・ユニットから一連のIRサンプルを収集しています。ストンプボックス・エフェクトのパイオニアであるBossエフェクトは、ギタリスト、キーボーディスト、その他のミュージシャンに愛用されてきました。GT-8 IRは波形とLive 9のConvolution Reverb用プリセットの両方として提供されています。 GT-8 IRをダウンロード

Quantic: ナチュラル・アトラクション

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Quantic: ナチュラル・アトラクション

「Quantic」としての活動で有名なWill Hollandは、その音楽の変遷に豊かなストーリーを持つアーティストです。ダウンテンポな作品の台頭と共に2000年代初めに登場したのち、ほどなく集団から距離を置き、ダスティなサンプル、ビート、ブレイクの枠を超えたより広範なサウンド・パレットへの旅を始めました。Quantic Soul Orchestraの万華鏡のような仰々しさ、イギリスのAlice Russellとの長年にわたる作品作りで、Willは、作曲家、アレンジャー、プロデューサーとしての確かな手腕を発揮しており、またラテンアメリカ、アフリカなどのサウンドを用いることでも知られています。 そんなWillが最新作をリリース。8年ぶりのソロ・アルバムとなる「Magnetica」は、よりエレクトロニックな制作手法への回帰であり、人気プロデューサーとしてキャリアを培ってきたみずみずしくエキゾチックなインストゥルメンテ―ションは失われていません。ツアー準備中のWillに、Oli Warwickがインタビューを敢行。制作の実際とプロセスについて、サウンドを見つける場所、ステージに向けた楽曲の準備について話を聞きました。 Quanticの新アルバム「Magnetica」に収録されている、Pongo Loveをフィーチャーした「Duvidó」 「Magnetica」が完成し、リリースされることとなりましたね。このアルバムは、制作に対するエレクトロニックなアプローチへの回帰ですか? はい、そう思います。エレクトロニック・ミュージックとの関わり、DJとしてのエレクトロニック・ミュージックのプレイは続けてきましたが、制作からは遠ざかっていました。「クラブ・サウンド」と言うとビッグルーム向けのダンス・サウンドの制作というイメージがあると思いますが、実際はそうとも言えません。ただ、ライブで学んだある種の音楽性やグルーヴを応用したエレクトロニックなアプローチへの回帰であるとは思います。 ライブ楽器による大型編成という点では非常にQuanticらしいサウンドだと思います。アルバムにおけるエレクトロニック的要素はかなり繊細なものという印象ですが、ご自身はいかがお考えですか? エレクトロニックな音楽を自然なサウンドにしたり、自然な音響要素をエレクトロニックなサウンドにすることができるんじゃないかと考えるようになりました。ある音を伝送し、ライブ楽器でプレイし、それをより人工的な何かへと簡単に変化させることができるのです。逆も同じです。とはいえビートの作成はなかなか厄介で、スムーズなサウンドになるまで少し揉んでやる必要があります。 アルバムのソングライティングにはどのようなアプローチを採ったのですか? たとえば「Spark It」のドラムは、レコードからサンプリングして、Drum Rackを使用してカットやスプライスを行いました。オールドスクールな70年代の原始的なサウンドを生み出すこのUnivoxドラムマシンや、KorgのPolySixプラグインのようなシンセもいくつか使用しています。また、ギターでスカンクを録音したり、アコースティック・ピアノでピアノ・スカンクを録音してから、ボーカルについてはAbleton Liveを使用してShineheadとロサンゼルスでレコーディングを行い、サックスについてはボゴタでレコーディングしました。そのあといくつかのミックスを行いました。Space EchoとFairchild、Moogやその他いろいろを積んだ小さなコンソールを使用し、一番気に入った2つのミックスをモノで左右ペアにして、レコード用にカットし、友達がやっているカッティング・ハウスThe CarveryのShure V-15スタイラスを使用して録音しました。たった1つの楽曲で、媒体、楽器、ソースとこれだけの遍歴があるのです。 制作は楽曲ごとに取り組んだのでしょうか? すべての楽曲に対してオープンな状態を保つようにして、1つの楽曲に完全にコミットすることはありませんでした。楽曲にはゆっくりこつこつと取り組んでいました。ある曲の作業が終わって別の曲に取りかかっても、次の曲で前の曲に足りないと思っていた何かを学べた気がしたときは、また前の曲に取り組んでみたり、といった感じです。これはいいことでも悪いことでもありました。なにしろ終わりがありませんから。 このアルバムには優れたパフォーマーが数多く参加しています。彼らとのレコーディング・セッションは、後に作品で特定の形で使用することを念頭に置いた上で、現地でなされたものですか? どちらとも言えません。Thalma De Freitasを起用した「Águas De Sorongo」というトラックでは、録音済みのギター・ループからアイデアを得て、そこにAbleton Liveでビートを加えました。リオでDuaneというクールなパーカッショニストに出会い、スタジオに入りパーカッションをレコーディングしました。Thalmaとはアイデアについて連絡していて、楽曲に歌を入れることで何度か連絡を取り合っていたのですが、結局彼女の家のリビングでレコーディングすることになりました。小型のAKGのマイクを持ってきていたので、それをモスリン・ガーゼで包んでポップガードにしました。その後ボゴタに戻り、もう少しビートの作業を進めてから、トラックをロサンゼルスのMiguel Atwood-Fergusonに送り、ストリングス・アレンジのレコーディングをしてもらいました。ボーカリストに「何か歌ってもらえますか?楽曲はこれから準備するので」というわけにはいきませんが、ある程度ハーモニーのような楽曲の起点となるものができている状態でボーカリストやホーンのレコーディングを行い、その後でベースとなった起点をまったく別の何かと置き換えるということはよくやります。 影響とインスピレーションを与えるものとしてラテンアメリカは今でもあなたにとって重要な存在ですか? ラテンアメリカは、独自のリズムの宝庫だと思います。リズムに興味のある人にとって、ありとあらゆる国とコミュニティに独自のリズムがあるラテンアメリカはすばらしい場所です。コロンビアだけでも、ものすごくたくさんのリズムとスタイルがあります。曲よりもリズムが先行するところが気に入っています。ルンバのリズム、クンビアのリズム、タンボラは、それも音楽スタイルですが、リズムがより重要です。 「Duvido」のようなトラックで使用されている伝統的パーカッション楽器の一部ではエレクトロニックのビートに対して拍のタイミングがずれているようですが、これは硬直さを感じさせるプログラミングされたドラムとよりルーズなオーガニックな素材を並列させるための意図的なものですか? この作品には8分の6拍子のリズムが多用されています。このリズムでは拍をまたぐ音の要素が多いのですが、それがうねりのような効果を与えています。きちんと拍におさまっているものがないというアイデアが大好きなんです。Ableton Liveを使うとすべてがきっちり拍に合ってしまう傾向がありますが、それはあまり好きではありません。 伝統的な楽器がエレクトロニックな要素に与える影響はどの程度でしょうか?あるドラムのチューニングがトラック全体のチューニングを決定するといったことはありますか? 楽器に合わせる必要はどうしても出てきます。「Duvido」では、バッキングについてあるアイデアがあって、マリンバ奏者にそれを持ち込んだのですが、彼のマリンバはCメジャーのチューニングだったので、それに合わせる必要がありました。ボーカリストとも同じことがよく起こります。たとえばアルバムに収録されている「La Plata」というトラックで、Nidiaは初めのうち四苦八苦していましたが、それはこの曲がわずかに彼女の音域外だったからです。それで少し楽曲の音域を下げる必要がありました。ボーカリストのスイート・スポットを見つける必要があるのです。ボーカリストの音域は非常に重要だと思います。 たとえばAlice Russellとはこれまで長年にわたって作品を発表していますが、制作する曲のボーカルの音域が直感的に分かるといった感覚はあるのでしょうすか? Aliceの音域は、これまで一緒に仕事をしたどのボーカリストよりも広域でした。彼女が曲のピッチを変えて欲しいと言ったことはありませんでした。かなりの高域が出せるし、かつ音程も完璧でした。声そのもののすばらしさに低域も広く出せる音域の広さが加わっていたので、彼女との仕事はすばらしかったですね。伝統楽器を扱う場合、微分音もかなりの数になることがあります。すべての音が完全に正しいチューニングになっているわけではないので、セッション中にキーボードか何か合わせて耳でチューニングします。チューナーを使用した厳密なチューニングは行いません。このわずかなずれが重要だと思うのです。 Quantic & Alice Russell with Combo Bárbaro -...

Todd Terjeのコズミック・ディスコをLiveとPushで - Point Blankの新チュートリアル

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Todd Terjeのコズミック・ディスコをLiveとPushで - Point Blankの新チュートリアル

Cover art from Todd Terje's new album. LindstrømおよびPrins Thomasといった名義でのコンテンポラリー作品に平行して、Todd Terjeはスペース・ディスコ作品も数々発表しています(ここ数年、夏になると「Inspector Norse」や「Snooze for Love」を耳にしたという方もたくさんいることでしょう)。そんなToddが、待望のアルバム、その名も「It's Album Time」をリリースし、「Delorean Dynamite」を含む新たなディスコ作品とともにカムバックしました。 それでは、この作品はどのようにして出来上がったのでしょうか?2部構成のチュートリアル・シリーズでは、Point BlankインストラクターのSki Oakenfullが本作品をセクションごとに解説し、LiveとPushを使用してサウンドとシーケンスを再現しています。また、ビデオを観ながら、トラックの背景にある音楽理論、正しいシンセ・サウンドのデザイン術などを学べます。簡単なアドバイスのみを紹介する一般的なチュートリアルに比べると長めですが、優れた作品のメイキングを垣間見ることのできる貴重なビデオとなっています。