アーティスト ダウンロード 3月 19, 2026

Input / Output: Sakura Tsuruta

Input / Outputは、アーティストがAbleton Live、Push、Move、Noteを使った楽曲制作の方法を紹介し、すぐに実践できるヒントや無料ダウンロードを共有する不定期シリーズです。

Sakura Tsurutaは東京を拠点に活動するエレクトロニック・ミュージック・アーティストで、繊細なメロディと力強いリズムを融合させたサウンドにより、2019年のデビューシングル「Dystopia」以来、国際的な評価を着実に高めています。スタジオワークにとどまらず、彼女のクリエイティブは没入型パフォーマンスやサウンドインスタレーション、さらにはファッションやアートとのコラボレーションにも広がっています。また、教育者としても精力的に活動し、音楽業界におけるジェンダー平等の推進にも取り組んでいます。世界各地で指導を行い、バークリー音楽大学とも密接に連携しながら、自身の活動と影響力を通じて、次世代のアーティストにとってよりインクルーシブな未来の実現に貢献しています。

今日は何をお話してくれますか?

最新EP『What Are You Drinking?』(Third Place Records)に収録されている楽曲「Euphorique」のプロジェクトファイルをシェアします。今回のインタビュー用に、もともとオーディオに書き出していた一部のパートを再現し、MIDI編集やオートメーション、全体のワークフローが分かるようにしています。

なぜこの楽曲を選びましたか?

今の自分のワークフローを最もよく表しているからです。以前はすべての工程において非常に几帳面で厳密に進めていましたが、最近はまず音の探求に集中し、その後で整理するようにしています。今回のインタビューでは整理されたバージョンを共有していますが、実際はかなり散らかった状態から始まっていました。

Sakura Tsuruta - “Euphorique”。
この楽曲が収録されているEPのコンセプトはどのようなものですか?

このEPのコンセプトは、遊び心があり、人を惹きつけるようなものです。「What are you drinking?(何飲んでるの?)」という問いは、私にとってやさしいアイスブレイクであり、クラブでベースが鳴り響き、社交的な気分になっているときに自然と口にしている言葉でもあります。それは会話を始めるきっかけであり、隣にいる人のことを少し知り、言葉よりも音が主役になりがちな空間の中で、つながりを感じるための手段でもあります。

このEPは、そんな瞬間への乾杯です。ほろ酔いの高揚感、好奇心、グラスが触れ合う音、そしてふと生まれる笑い声など、ダンスフロアに捧げる、音でできたナイトキャップのような作品です。

「制作中は、マスタートラックに常に+6 dBのUtilityを挿しています。書き出しの準備ができたらそれをオフにするだけで、即座に6 dBのヘッドルームが確保でき、マスタリングエンジニアに渡すのにちょうど良い状態になります」

Liveは、あなたの音楽制作において特定のニーズに応えてくれていますか?

いつも応えてくれています。デバイスの直感的な操作性がとても気に入っていて、頭の中にあるアイデアを素早くプロジェクトに落とし込むことができます。最近は特に、いくつかのAudio Effectsのプリセットをよく使っています。中でもRoarやアップデートされたAuto Filterのプリセットが気に入っています。これらはコンテキストを与えてくれるだけでなく、さまざまな使い方を理解する助けにもなり、特定のサウンドを作り込む際のしっかりとした出発点になります。

Sakura TsurutaのLiveセットアップ。

普段のワークフローでは、Liveをどのように使っていますか?

Live、Push、Moveを日常的に使っています。スタジオではLiveとPushがメインツールです。プロジェクトの種類によってワークフローは変わり、クライアントワーク(ファッションショーやCMなど)の場合はより構造的で規律的に進めますが、自分の作品制作ではもっと自由で実験的、遊び心のあるアプローチになります。Liveはその両極端に対応できるのが魅力です。また、スタジオを離れているときや、外出先で新しいアイデアをスケッチしたいときにはMoveも使っています。

Sakura Tsurutaのグラスゴー「Attack Release」でのライブパフォーマンスより抜粋。
今回シェアしている内容に関連して、何かコツはありますか?

ライブセットで使っている色に合わせて、グループトラックを色分けしています。こうすることで、すべてのプロジェクトで一貫性が保たれ、どこに何があるかを直感的に把握できるようになります。また、ライブセットの準備も効率的に行えます。このトラックは今年すでに何度もライブで演奏しています。

オートメーションを描くときは、Commandキーを押しながらペンツールでグリッドを無視してフリーハンドで描いています。そのほうがより流動的で、頭の中で思い描いた通りに素早くエフェクトを形にすることができます。

また、制作中はマスタートラックに常に+6 dBのUtilityを挿しています。書き出しの際にそれをオフにするだけで、6 dBのヘッドルームが確保でき、マスタリングエンジニアに渡すのに最適な状態になります。


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文・インタビュー:Danny Turner
写真提供:アーティスト本人