7. セッションビュー

Liveのアレンジメントビュー(チャプター 6)では、他のシーケンスプログラムと同じように、ソングのタイムラインに沿ってすべてが進行していきます。しかし、他のほとんどのソフトウェアは、その構造のため、以下のような状況に対応できません。

  • ライブ演奏中あるいはDJ演奏中、曲順や曲の長さ、1曲中のパートの順番が前もって分からないことがよくあります。
  • 演劇では、ステージの動きに合わせてサウンドをコントロールしなければなりません。
  • 楽曲や映画のスコアを作曲する際には、アドリブでいろいろ試しながら作曲作業を開始し、最終的な仕上げを後で行うとずっと創造力への刺激が大きく、効率よく作曲が行えます。

このような場合に、Live独自のセッションビューが活躍します。

7.1 セッションビューのクリップ

SessionClipControls.png

セッションビューのクリップのコントロール

  1. セッションビューの各クリップには、左端に三角形のボタンが付いています。マウスでこのボタンをクリックすると、クリップ再生が「ローンチ」されます。クリップ名をクリックしてあらかじめ選択しておき、コンピューターのEnterキーを押すと、そのクリップがローンチされます。矢印キーを使って隣のクリップに移動できます。クリップ再生の動作をカスタマイズする方法については、マニュアルのクリップローンチ設定の項(13.1)をご参照ください。
  2. 正方形のクリップ停止ボタンをクリックすると、トラックスロットのクリップあるいはセッショングリッド下部のトラックステータスフィールド内のクリップ再生が停止します。

クリップは、コンピューターのキーボードまたはMIDIコントローラーを使ってリモートでコントロール(チャプター 26)することができます。クリップをMIDIノート範囲にマップし、半音階で再生することもできます。

クリップは、いつでも、どのような順序でも再生が可能です。クリップレイアウトは再生の順番と関係ありません。セッショングリッドによりセッション内のクリップへのランダムなアクセスが可能です。

セッションビュークリップの再生を停止しても、コントロールバーの再生ボタンは反転表示のままになり、アレンジメントポジションフィールドは動作を続けます。フィールドは音楽の流れに沿っているので、ライブパフォーマンス中や、アレンジメントに録音中(7.5)でも、各セッションクリップの動作と関係なく、ソング時間内のポジションをいつでも確認することができます。

コントロールバーの停止ボタンを2度クリックすると、アレンジメントポジションフィールドを1.1.1.に戻し、Liveセット全体の再生を停止することができます。

ArrangementPositionFieldsAndStopButton.png

アレンジメントポジションフィールドと停止ボタン

グループトラックのスロット(15.3)のシェーディング部分は、グループに含まれている1つ以上のトラックのそのシーンにクリップがあることを示しています。シェーディングの色は、グループ内の一番左のクリップの色です。これらのグループスロットにもローンチボタンが付いており、関連するクリップすべてをこのボタンでローンチできます。対応するクリップがないグループスロットには停止ボタンが付いています。グループスロットをクリックすると、関連するすべてのクリップが選択されます。

GroupSlots.png

グループスロットとグループローンチボタン

7.2 トラックとシーン

縦に並ぶ列をトラックといい、トラックでは一度に1つのクリップが再生されます。同じ列には、次々再生したい似通ったクリップ(ソングパート、ドラムループのバリエーションなど)を配置するといいでしょう。

ShrunkenTrack.png

サイズが変更されたセッションビューのトラック

複数のクリップに一度にアクセスするには、セッションビュートラックをクリックして選択してから、タイトルバーの縁をドラッグしてサイズを変更すると便利です。トラックは、同じ要領で縮小することもでき、クリップローンチボタンやトラックコントロールの表示スペースを広げることができます。

SessionViewScene.png

セッションビューのシーン

横に並ぶ行を、シーンと呼びます。シーン再生ボタンは、一番右にあるマスタートラック(15.4)列に配置されています。同じ列に並ぶすべてのクリップを同時にローンチするには、三角形のシーン再生ボタンをクリックします。複数のパートに分かれた楽曲をライブ演奏する際に非常に便利です。

ローンチされたシーンの下にあるシーンは、[Launch]環境設定の[Launch]オプションの[再生開始時に次のシーンを選択]で[オフ]が選択されていない限り、自動的に次にローンチされるシーンとして選択されます。コンピューターのキーボードまたはMIDIコントローラーを使って、シーンを再生し、シーン間でスクロールする(“セッションビューの相対ナビゲーション”)ことができます。

[編集]メニューの[名称変更]コマンドを使うか、右クリック(PC)/CTRL-クリック(Mac)コンテキストメニューを使って、シーン名を変更することができます。このコマンドを使ったあと、Tabキーを使ってシーンからシーンへ移動して素早く名称変更することができます。[インフォテキストを編集]コマンド、あるいはシーンの右クリック(PC)/CTRL-クリック(Mac)コンテキストメニューから、独自のインフォテキストをシーンに対して入力することもできます。コンテキストメニューにはカラーパレットがあり、シーンの配色を任意に選択することができます。

シーンはドラッグアンドドロップで並び替えることができます。隣り合う複数のシーンにはShift-クリック、隣り合わない複数のシーンにはCTRL-クリックを使って複数のシーンを同時に選択することができます。隣り合わない複数のシーンを選択しドラッグすると、ドロップ時にまとまってドロップされます。隣り合わないシーンをまとまらないよう移動するには、マウスではなく、CTRL+上下矢印キーを使用します。

シーン名には、内容の説明または機能名を付けておくとよいでしょう。Liveにより実行可能なテンポあるいは拍子記号がシーン名から検出された場合、シーンがローンチされると、そのプロジェクトはこれらのパラメーターに自動的に適合します。シーンのテンポを決めるには、シーンを選択し、シーン名を実行可能なテンポ(「96BPM」など)に変更します。Liveが扱えるテンポコントロールの範囲(20-999BPM)であれば、テンポを自由に設定できます。シーンの拍子記号を決めるには、シーン名を「x/y」の拍形式(「4/4」など)に変更します。分子が1から99、分母が1・2・4・8・16 であれば、どのような拍子記号を選択してもかまいません。

テンポと拍子記号の変更は、1つのシーン名に合わせて書き込むことができます。お互いが1文字以上離れていれば、シーン名のどこに書き入れてもかまいません。たとえば、「2/4+108 BPM」「72 BPM;7/8」「60 BPM Chorus 3/4」はどれも、拍とテンポ変更を同時に行うシーン名です。

ScenesMeterTempo.png

これらのシーンではテンポと拍子記号が変更される

名前にテンポ変更あるいは拍子記号変更を含むシーンは、シーンローンチボタンに色が付いています。

7.3 トラックステータスフィールド

トラックミキサーコントロールの上部にあるトラックステータスフィールドで、現在のトラックの状況を確認することができます。

TrackStatusLoop.png

ループするセッションクリップを再生中のトラック

クリップトラック内のパイチャートアイコンは、ループするセッションクリップ(8.2.2)を示しています。丸の右側の数字は、ループの長さを拍で示し、左側の数字は再生開始からループが再生された回数を示します。グループトラックに対しては、グループに含まれているトラックの1つ以上のクリップが現在再生中の場合、数値の表示されないパイチャートがトラックステータスフィールドに表示されます。

TrackStatusOneShot.png

...1回だけ再生されるセッションクリップ

進行状況バーアイコンは、ワンショット(ループしない)セッションクリップを表します。数値は、残りの再生時間を分:秒で表しています。

TrackStatusMonitoring.png

...入力をモニターする

入力をモニターする(14.1)オーディオトラックには、マイクロフォンのアイコンが表示されます。MIDIトラックの場合、トラックにキーボードアイコンが表示されます。

TrackStatusArrangement.png

...再生中のアレンジメント

トラックが、アレンジメントでクリップを再生している場合、アレンジメントのクリップを表す小さなディスプレイが表示されます。

7.4 セッションビューのグリッドを設定する

クリップは、ブラウザーからインポートするか、録音する(チャプター 16)ことでセッションビューに取り込まれます。

DroppingMultipleClips.png

セッションビューへ複数のクリップをドロップする

複数のクリップをセットにドラッグすると、デフォルトでは、ドラッグされたクリップすべてが1つのトラック内に配置されます。セッションビューでは垂直に、アレンジメントビューでは水平に配置されます。複数のトラックにクリップを並べたい場合、CTRL(PC)/CMD(Mac)キーを押しながらドロップします。注: これは生のオーディオまたはMIDIファイルでは動作しますが、Liveクリップ(5.4)では動作しません(Liveクリップには独自の埋め込まれたデバイスが含まれている場合があるため)。

クリップは、ドラッグ&ドロップでセッショングリッド内を動かすことができます。複数のクリップを同時に移動するには、CTRL(PC)/CMD(Mac)キーを使って移動させたいクリップを選択して動かします。空のスロットをクリックし、そこから「ラバーバンド」選択することもできます。

7.4.1 ローンチ時の選択

デフォルトでは、セッションビューの「クリップのローンチボタン」をクリックすると、ローンチされるクリップが選択されます。しかし、リターントラックのデバイス設定がうまくできているかどうか、クリップを再生してみる場合などは、ローンチされるクリップにフォーカスを移動しない方が便利なこともあります。クリップやシーンの再生時にビューを移動させたくない場合には、[Launch]環境設定の[クリップを再生時に表示]オプションをオフにしておきます。

7.4.2 クリップの停止ボタンを削除する

ClipStopButtons.png

クリップ停止ボタンのないスロット

[編集]メニューから[停止ボタンを追加/削除]コマンドを選択して、クリップ停止ボタンをグリッドから追加または削除できます。このコマンドは、シーンのローンチ動作をあらかじめ設定しておきたい場合に便利です。たとえば、シーン3がシーン4に影響しないよう設定したい場合は、シーン3とシーン4の停止ボタンを削除しておくといいでしょう。

7.4.3 シーンを編集する

カット・コピー・ペースト・複製などの標準的な[編集]メニューコマンドに加え、[作成]メニューには、特にシーンに対して使用される便利なコマンドが2つあります。

  • [シーンを挿入]は、現在選択されている部分の上に空のシーンを挿入します。
  • [シーンの取り込みと挿入]は、現在選択されている部分の下に新しいシーンを挿入し、新しいシーンに動作中のクリップのコピーを配置して、音楽を停止させないで新しいシーンを再生します。このコマンドは、セッションビューで素材を作成している場合に使うと便利です。新しいシーン、クリップのプロパティ変更、クリップをさまざまに組み合わせて実験しながら、気に入ったサウンドを即座に記録することができます。(注:Live LiteとLive Introではシーン数が制限されています。)

7.5 セッションをアレンジメントに録音する

再生中のセッションビューをアレンジメントに録音することができます。この機能を使えば、ソングや楽曲へ気軽にアドリブを加えることができます。

ControlBarRecordSwitch.png

コントロールバーのセッション録音ボタン

アレンジメント録音ボタンがオンの場合、Liveはすべての動作をアレンジメントに記録します。

  • ローンチされたクリップ
  • ローンチされたクリップのプロパティの変更(チャプター 8)
  • ミキサーやデバイスのコントロールの変更(オートメーション)(19.1)
  • テンポと拍子記号の変更(ローンチされたシーン名に書き込まれている場合)

録音を停止するには、録音ボタンをもう一度押すか、再生を停止します。

ArrangementSelector.png

アレンジメントセレクター

録音結果を確かめるには、アレンジメントビューを開きます。Liveは、録音中にローンチされたクリップのトラックとソングポジションを正確にアレンジメントにコピーします。録音では、新規オーディオデータは作成されず、クリップのみ作成されます。

同じトラックのセッションクリップとアレンジメントクリップは、相互に制限されており、2つを同時に再生することはできません。セッションクリップをローンチすると、Liveはそのトラックのアレンジメントの再生を停止します。クリップの停止ボタンをクリックすると、アレンジメントの再生が停止され、無音になります。

アレンジメントの再生は、[アレンジメントに戻る]ボタンをクリックして行います。[アレンジメントに戻る]ボタンが点灯していれば、現在、アレンジメントではない音が鳴っているということになります。

BackToArrangementButtonSession.png

セッションビューの[アレンジメントに戻る]ボタン

BackToArrangementButtonArrangement.png

アレンジメントビューの[アレンジメントに戻る]ボタン

アレンジメントのクリップすべてを同時に停止するには、マスタートラックステータスフィールドの[全クリップ停止]ボタンをクリックします。アレンジメントビューとセッションビューのクリップは、別々に存在していますので、アレンジメントへの変更は何度でも行えます。

StopAllClipsButton.png

全クリップ停止ボタン

セッショングリッド内に限らず、コピー&ペースト、または24060.pngまたは24077.pngセレクターへクリップをドラッグ、または、CTRL+Shift+W(PC)/CMD+Shift+W(Mac)または[表示]メニューで[セカンドウィンドウ]オプションを有効にしている場合、クリップを2つのウィンドウ間でドラッグして、セッションビューからアレンジメントあるいはその逆にクリップを動かすことができます。

アレンジメントからセッションビューへ素材をペーストする場合、Liveは、素材を上から下へ並ぶよう配置し、クリップ構造をキープします。シーンを上から下に再生していけば、アレンジメント構成を再現することができます。すでに完成した楽曲を素材にして、アドリブ演奏を行う場合などに便利です。

アレンジメントからセッションに素材を移動させるもうひとつの方法として、アレンジメントビューの[タイムを新規シーンにコンソリデート]コマンドが使用できます。このコマンドは、[作成]メニュー、またはアレンジメントで対象を選択してから右クリック(PC)/CTRL-クリック(Mac)コンテキストメニューから使用します。[タイムを新規シーンへと結合]コマンドは、アレンジメントビュー内で選択された時間範囲に含まれる素材を、トラックごとに1つの新規クリップとして結合(コンソリデート)します。新たに作成されたクリップは、選択されたシーンの下の新規シーンに配置されます。アレンジメントの[結合]コマンド(6.12)同様、このコマンドを選択すると、選択範囲内にあり、1つ以上のクリップを含むすべてのオーディオトラックに対して新規サンプルが作成されます。

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