19. オートメーションと編集のエンベロープ

Liveのミキサーとデバイスを操作する際、曲に合わせてコントロールを制御したいと思うことがよくあります。曲のタイムラインまたはセッションクリップに沿ったコントロールの動作を、オートメーションと呼びます。タイムラインに沿って値が変化することをオートメーション化といいます。Live上の曲テンポ・ミキサー・デバイスコントロールのほとんどが、現実にはオートメーション化されています。

19.1 アレンジメントビューにオートメーションを記録する

オートメーションは、2つの方法でアレンジメントビューに記録できます。

  1. アレンジメントに新しい素材を直接録音しながら、パラメーターを手動で変更する。
  2. セッションクリップにオートメーションがある場合、セッションビューの演奏をアレンジメント(7.5)に録音する。

セッションからアレンジメントに録音している際、セッションクリップのオートメーションは常にアレンジメントに記録されます。セッションから録音されているトラック内で手動で加えるパラメーター変更も同じです。

アレンジメントに直接素材を録音している場合、オートメーションのアームボタンで、手動のパラメーター変更を記録するかどうかを決定します。

AutomationArm.png

オートメーションアームボタン

オートメーションアームがオンの場合、コントロールバーのアレンジメント録音ボタンがオンのときにコントロールへ加えられた変更はすべて、アレンジメントのオートメーションになります。ミキサーやボリュームスライダーなどのコントロールに、録音オートメーションを作成してみましょう。録音後再生すれば、コントロールの動きによる効果を目と耳で確認できます。コントロールがオートメーションとして記録されると、スライダーノブのLEDが点灯します。トラックのパンニングやトラックアクティベータースイッチも、オートメーションとして記録すると便利です。オートメーションが作成されると、LED が左上部に点灯します。

AutomatedMixControls.png

オートメーションとして記録されたボリューム・パン・トラックアクティベータースイッチ

19.2 セッションビューにオートメーションを記録する

オートメーションはセッションビューのクリップ内にも記録できます。手順:

27790.png

セッションオートメーション記録のコントロール

  1. オートメーションアームボタンをオンにして、オートメーションを記録できるようにする
  2. 録音したいトラックのアームボタンをオンにします。録音するトラックの空のスロット内に、クリップ録音ボタンが表示されます。
  3. セッション録音ボタンをクリックして、オートメーションの記録を開始します。

セッションクリップがアームされているトラック内にあるかどうかにかかわらず、オートメーションを再生中のすべてのセッションクリップに記録することもできます。これは、[Record/Warp/Launch]環境設定のセッションオートメーション録音スイッチで行います。

SessionAutomationRecordingPref.png

セッションオートメーション記録設定

これで、たとえば、クリップ内にノートを録音することなく、セッションオートメーションを既存のMIDIクリップにオーバーダブできるようになります。

セッションビューのオートメーションは、クリップがアレンジメントビューに記録またはコピーされる際、トラックベースのオートメーションになります。

19.2.1 セッションオートメーション記録モード

オートメーション記録動作は、録音中のパラメーターがどのように調整されたかどうかにより異なります。マウスを使用する場合、記録はマウスボタンから指を離すとすぐに停止します。これは、編集アプリケーションによっては「タッチ」動作と呼ばれます。MIDIコントローラーのノブやフェーダーでパラメーターを調整する場合、コントローラーの調整を続ける限り、記録が続行されます。手を放すと、クリップのループエンドまで記録が続行され、自動で「パンチアウト」されます。この動作は、アプリケーションによっては「ラッチ」動作と呼ばれます。

19.3 オートメーションを削除する

オートメーションデータを削除するには、オートメーションが設定されているコントロールを右クリック(PC)/CTRL-クリック(Mac)してそのコンテキストメニューを開き、[オートメーションを削除]を選択します。オートメーションを示すLEDは消え、コントロールの数値は、アレンジメントのタイムライン全体とすべてのセッションビュークリップで一致します。ブレークポイントエンベロープを編集する(19.5)ことでオートメーションの選択部分を削除することもできます。

19.4 オートメーションを無視する

アレンジメント内に作成したオートメーションを変更したくないけれど、新たにコントロールを動かしてみたいという場合があります。取り消し履歴に制限はありません(10.4.1)ので、気軽に変更を加えることができますが、既存データを上書きせず、コントロールのオートメーションを一時的に無効にしたい場合の設定もごく簡単です。録音中でない場合、オートメーション化されたコントロール値に変更を加えると、オートメーションを示すLEDが消え、コントロールのオートメーションがオフになったことを知らせます。オートメーションでは、現在の手動設定が優先します。

Liveセットの1つまたは複数のオートメーション化されたコントロールがオフの場合、コントロールバーのアレンジメント再有効ボタンが点灯します。

ReenableAutomationButton.png

オートメーションを再び有効ボタン

このボタンには、2つの役目があります。セッションクリップまたはアレンジメントでキャプチャーされた状態のコントロールと現在の状態が異なることを示し、また、このボタンをクリックして、すべてのオートメーションを再び有効にし、オートメーションがアレンジに記録されている状態に戻すことができます。

このパラメーターを右クリック(PC)/CTRL-クリック(Mac)してコンテキストメニューから[オートメーションを再び有効]オプションを選択し、1つのパラメーターのみに対してオートメーションを再び有効にすることができます。また、セッションビューでは、オートメーションを含むクリップを再びローンチすることで、オートメーションの無視を再び有効にできます。

19.5 オートメーションを描画・編集する

アレンジメントビューとセッションビュークリップでは、オートメーションカーブはブレークポイントカーブとして表示・編集できます。

アレンジメントでのオートメーション編集は次のように行います。

27853.png

アレンジメントビューのオートメーションエンベロープ

  1. トラックのエンベロープを表示するには、トラック名の隣の27870.pngボタンをクリックして、トラックを「展開」します。(グループトラック(15.3)の場合、トラックのエンベロープを表示するにはトラックの高さを上げる必要がある場合があります。)
  2. トラックのミキサーまたはデバイスコントロールをクリックすると、クリップトラックにそのコントロールのエンベロープが表示されます。
  3. エンベロープは、オーディオ波形またはMIDIディスプレイの一番上に表示されます。エンベロープの垂直軸はコントロール値を、水平軸は時間を示しています。スイッチとラジオボタンに関しては、数値軸は不連続になっています。
  4. フェード/デバイス・セレクターでは、オーディオクリップフェード(6.7)、トラックミキサー、トラックのデバイスのいずれか1つを選択するか、[なし]を選択してエンベロープを非表示にすることができます。また、デバイスのラベル横のLED表示により、どのオートメーションデバイスがオートメーション化されているかがひと目で分かるようになっています。セレクター一番下の[自動化されたパラメーターのみ表示]を選択し、さらに分かりやすく表示することもできます。
  5. オートメーションコントロールセレクターでは、フェード/デバイス・セレクターで選択されたデバイスからコントロールを選択します。オートメーション化されたコントロールのラベルにはLEDが点灯します。

エンベロープがトラック状で選択されると、新しいボタンがいくつか表示されます。

  1. 27887.pngボタンでは、クリップ下のエンベロープのオートメーションレーンへエンベロープを移動します。その後、別のオートメーション・パラメーターをセレクターから選択し、同時に表示することができます。フェード/デバイス・セレクターが[None]に設定されている場合、このボタンは非表示となります。
  2. 27900.pngボタンでは、対応するエンベロープのオートメーションレーンを非表示にします。レーンを非表示にしても、エンベロープは無効にはなりませんのでご注意ください。
  3. トラックに対してオートメーションレーンが作成されると、トラックのタイトルバー最下部に表示されている 27917.pngボタンをクリックしてレーンの表示と非表示を切り替えることができます。

トラック名またはオートメーションレーンヘッダーを右クリック(PC)/CTRL-クリック(Mac)すると、エンベロープ表示に関するオプションを含むコンテキストメニューが開きます。このコンテキストメニューには、トラックまたはトラックのデバイスのいずれかのオートメーション・エンベロープすべてをクリアするコマンドも含まれています。

セッションビュークリップのオートメーション編集は、クリップエンベロープの章(チャプター 20)で詳しく説明しています。

19.5.1 エンベロープを描画する

ドローモードでは、エンベロープカーブをクリックまたはドラッグしてドローすることができます。

DrawModeSwitch.png

ドローモードスイッチ

ドローモードをオンにするには、[オプション]メニューから[ドローモード]を選択するか、コントロールバーのドローモードスイッチをクリックするか、Bを押します。Bキーを押したままマウスを使用して編集すると、ドローモードに一時的に切り替わります。

DrawingAnEnvelope.png

エンベロープをドローする

ドローすると、可視グリッドの幅に合わせ、階段状のステップが作成されます。可視グリッドは、ショートカット(6.9)を使って設定します。フリーハンドで描画する際、[オプション]メニューの[グリッドにスナップ]オプションを使うか、CTRL+4(PC)/CMD+4(Mac)ショートカットでグリッドを非表示にすることができます。グリッドが表示されている際にフリーハンド描画を一時的にオンにするには、ALT(PC)/ALT(Mac)キーを押したまま描画します。

19.5.2 ブレークポイントを編集する

ドローモードがオフの場合、エンベロープディスプレイの表示と働きは異なります。ラインとラインをつなぐブレークポイントは、ドラッグして動かすことができます。エンベロープは、バックグラウンドをクリックするか、ドラッグして選択します。以下の機能を実行できます。

  • 新しいブレークポイントを作成するには、ライン上の任意のポジションをクリックします。
  • ブレークポイントを消去するには、ポイントをクリックします。
  • ブレークポイントの移動は、ドラッグで行います。ドラッグするブレークポイントが現在選択選択されている範囲内にある場合、選択されている範囲内の他のブレークポイントも一緒に移動します。
DraggingMultipleBreakpoints.png

選択されている範囲内のブレークポイントをまとめて動かすには、どれか一つのブレークポイントをドラッグします。

  1. Shiftキーを押しながらドラッグして、ブレークポイントを消去することができます。CTRL(PC)/CMD(Mac)キーを押しながらドラッグして、微調整を行います。
  • Shiftキーを押したままブレークポイントに挟まれたラインをドラッグして、垂直方向に動かすことができます(ブレークポイントの位置が上下に変化します)。垂直に移動するには、(ライン上ではなく)ラインの近くでマウスポインターを押したままにしてもかまいません。ラインが現在の選択範囲内にある場合、エンベロープは選択されている時間範囲にわたって垂直に移動し、Liveは、選択された範囲内だけで移動するよう、選択された範囲内のラインの両端にブレークポイントを挿入します。
DraggingEnvelopeLineSegment.png

エンベロープラインをドラッグして垂直方向に移動する

  • ALT(PC)/ALT(Mac)を押したまま線の一部分をドラッグし、その部分を曲線にします。ALT(PC)/ALT(Mac)を押したままダブルクリックすると、その部分が直線に戻ります。
CurvedAutomation.png

カーブするエンベロープ部分

19.5.3 エンベロープをロックする

アレンジメントビュークリップを移動すると、通常、Liveはすべてのオートメーションをクリップと一緒に移動させます。クリップではなくソングポジションにエンベロープをロックしたい場合には、[エンベロープを固定]ボタンをクリックします。

オプションメニューから[エンベロープを固定]を選択して設定することもできます。

LockEnvelopesSwitch.png

[エンベロープを固定]スイッチ

19.5.4 [編集]メニューのコマンド

アレンジメントビューでオートメーションデータを操作する際、[編集]メニューコマンドの動作は、選択範囲がクリップトラックにあるかオートメーションレーンにあるかにより異なります。

トラックからオートメーションをコピー、カット、削除、複製するには、関連するクリップとは関係なく、操作するパラメーターが独自のレーン内にあることを確認します。単一のレーン内のエンベロープに適用される編集コマンドはすべて、このエンベロープにのみ適用されます。クリップ自体は変更されません。複数のレーンにある複数のエンベロープを同時に操作することもできます。

編集をクリップクリップに関連するエンベロープすべてに適用したい場合、編集コマンドをクリップトラック内の選択範囲に適用します。

Liveでは、エンベロープの動きを時間の流れに沿ってコピー & ペーストできるだけではなく、パラメーターの間でのコピー & ペーストも可能です。パラメーターは互いにまったく無関連であることもあるため、この操作により予想外の結果が生まれることもあります。

19.5.5 テンポのオートメーションを編集する

テンポに同期しながら、オーディオのストレッチと圧縮をダイナミックに行えるのはLiveの大きな特徴です。Liveでは、ソングテンポもオートメーション化されたコントロールの 1 つになっています。

ソングテンポのエンベロープを編集するには、マスタートラックを展開し、上側のエンベロープセレクターから[Mixer]を選択し、下側のセレクターから[Song Tempo]を選択します。

TempoControl.png

テンポエンベロープ

テンポエンベロープの調整には、数値軸ディスプレイを使うこともできます。 このディスプレイは、エンベロープセレクターの下にある数値ボックスと連動して機能しています。左側のボックスはテンポの最小値を、右側のボックスはテンポの最大値をBPMで表示しています。

2つのコントロールでは、テンポに割り当てられたMIDIコントローラー(26.1)の数値の範囲を決定します。

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