和音理論(コード理論)は難解ですが、LiveのMIDIデバイスを使えばキーボードのひとつの鍵を押すだけで和音を鳴らせるので、わかりやすく学習を行うことができます。 この授業では、生徒がChordと呼ばれるMIDIデバイスを使って和音を鳴らす方法を学びます。 また、Scaleと呼ばれる別のMIDIデバイスを使うことで、曲の調(キー)に収まる和音を作成することも学びます。 そして創作実習では、ベースラインに対して和音の伴奏を加えます。
和音(コード)とは、3つ以上の音を同時に鳴らしたものです。 理論上では、3つの音であれば、どんな組み合わせでも和音になりますが、実際には、特定の組み合わせのみが、心地よく聞こえます。 和音の仕組みは複雑になることもありますが、LiveのMIDIデバイスであるChordを使うと、心地よい響きの和音進行を簡単に作成することができます。
和音理論(コード理論)をどれくらい深堀りするかは、 任意です。 和音に馴染みのない生徒の場合は、Chord*のさまざまなプリセットをトラックに読み込んでもらい、MIDIノートを鳴らしたときに各プリセットでどうなるか聞いてもらうといいでしょう。
*Chordの後ろにScaleを読み込むと、おもしろい結果を得やすくなります。 詳細については、次のガイドを参照してください。
さまざまな和音や仕組みについて詳しく説明するにあたっては、次のガイドが便利です。 Chordについて詳しく説明しているこのガイドでは、Chordの機能性の背景にある音楽理論を理解することができます。
ガイド“Chordの理解を深めよう”では、Chordのパラメータをはじめ、Chordの出力の録音方法を説明しています。また、ダイアトニック・コードやパラレル・コードといった関連する音楽理論の概念のほか、異なる音程から和音を構築する方法についても説明しています。
【ガイド】Chordの理解を深めよう
和音や和音の音楽的な使い方を学習するにあたって、生徒に補足が必要になることがあります。 次の一覧では、教材をわかりやすいものから順番に並べています。
Learning Musicというウェブサイトに含まれるチャプター“コード”は、この学習指導案の補助教材に適しています。 Learning Musicで作成したフレーズを書き出せば、Liveで開いて使うことができます。[Liveにエクスポート]と書かれた箇所をクリックして、書き出しを行ってください。
【ウェブサイト】Learning Music:コード
ChordChord(コードコード)は、4つの和音でループを生成してMIDIとして書き出すことができるウェブアプリです。
【ウェブサイト】ChordChord
この学習指導案の作成者であるイーサン・ヘインが、音階から和音を作る方法を記事にまとめています。和音と音階の理論を解説しているほか、どの音階も構成音を特定のパターンに並び替えて和音に変えられることを説明しています。 この手法は、多くの種類の音楽を理解するうえで便利で、ジャズの和声の基礎にあたります。
【記事】音階から和音を作る方法(英語)
この和音辞書では、西洋音楽で広く使われている和音がまとまっており、表記や関連音階、構成音を確認することができます。 和音の仕組みを説明する一連の動画にアクセスすることもできます。
【ガイド】和音辞書
この実習では、生徒がベースラインに合わせて和音(コード)を伴奏します。また、ベースラインに含まれる音と適している和音になるように、LiveのMIDIデバイスであるChordとScaleを使います。
付属するLiveセット“Harmonize a Bassline”には、ビートとベースラインが含まれています。 クリップのない空のトラックには、メジャー・トライアドに設定されたChordと、ドリアン・モードに設定されたScaleが読み込まれています。
実習内容は、和音と音階を組み合わせてベースラインにのせる4小節の和音進行(コード進行)を作ることです。 キーボードでどの鍵を弾いてもかまいません。どんな音も、Chordによって、メジャー・トライアドに変換されます。 そしてメジャー・トライアドを構成する音が、Scaleによって、Cドリアン・モードに収まるように変換されます。
【Liveセット】“Harmonize a Bassline”