29. 同期とReWire

29.1 MIDIによる同期

MIDIプロトコルは、シーケンサー同期を2つの方法で定義しますが、Liveはその両方をサポートしています。どちらのプロトコルも、同期信号を送信する同期マスターの概念に基づき機能し、同期スレーブにより調整されています。

MIDIクロックMIDIクロックは、刻みのはやいメトロノームのようなものです。着信されるメトロノーム音のスピードは、曲のテンポに合わせて変化します。同期しているマスター(ドラムマシンなど)でテンポを変更すると、スレーブのテンポも合わせて変更されます。また、MIDIクロックプロトコルは、ソングポジションを示すメッセージを送信します。MIDIクロックに対し、LiveはMIDI同期マスターあるいはスレーブとして機能することが可能です。

MIDIタイムコードMIDIタイムコードは、SMPTEプロトコルのMIDI版で、オーディオ・映画業界におけるテープマシンやコンピューターの同期の標準規格です。MIDIタイムコードメッセージは、秒やフレーム(秒より下の単位)でタイムを設定します。Liveは、タイムコードメッセージをアレンジメントのポジションとして解釈します。タイムコードメッセージは、拍子に関する情報は伝えません。MIDIタイムコードを使用するシーケンサーLiveをスレーブとして利用する場合、テンポは手動で調整する必要があります。テンポを変更しても音程は変更されません。MIDI設定については、後の章で(29.1.3)詳しく説明しています。MIDIタイムコードについては、Liveはスレーブとしてのみ機能します。マスターとして機能することはできません。

29.1.1 外部MIDIデバイスをLiveに同期させる

Liveは、外部MIDIシーケンサー(またはドラムマシン)にMIDIクロックメッセージを送信することができます。シーケンサーをLiveに接続し、MIDI同期を受信するよう設定したら、[MIDI/Sync]環境設定からMIDI同期出力先としてデバイスをオンにします。

MIDISyncOutput.png

LiveのMIDIスレーブを選択する

Liveが同期メッセージを外部シーケンサーに送信していると、コントロールバーの[EXT]ボタン横のLEDインジケーターが点滅します。

29.1.2 Liveを外部MIDIデバイスに同期させる

Liveは、MIDIを介して外部シーケンサーに同期させることができます。シーケンサーをLiveに接続し、MIDI同期を受信するよう設定したら、[MIDI/Sync]環境設定で接続を設定します。

MIDISyncInput.png

LiveをMIDIスレーブに設定する

外部同期ソースがオンの場合、コントロールバーに[EXT]ボタンが表示されます。その場合、このボタンを押すか、[オプション]メニューの外部同期コマンドを使用し、外部同期をオンにすることができます。Liveが使用可能な同期メッセージを受信すると、[EXT]ボタン横の[LED]インジケーターが点滅します。

ExtSwitch.png

外部同期スイッチ

Liveが外部MIDIデバイスに同期されているとき、デバイスのソングポジションポインターを、テンポだけでなくソング内のポジションも同期で受けることができます。マスターがソング内の新しいポジションにジャンプする場合、Liveも同じようにジャンプします。しかし、コントロールバーのループスイッチがオンの場合は、再生はループしますが、ソングポジションポインターはループ長に「巻き込まれ」ます。

29.1.3 MIDIタイムコードオプション

タイムコードオプションは、MIDIデバイスごとに設定することができます。[MIDI/Sync]環境設定から[MIDIポート]リストを選択して設定します。

MIDIタイムコードフレームレート設定は、[MIDIタイムコード]が[MIDI同期タイプ]メニューから選択されている場合にのみ関係します。[MIDIタイムコードレート]セレクターでは、Liveが同期するタイムコードのタイプを選択します。一般的なSMPTEフレームレートはすべて選択できます。レートに[SMPTE All]が選択された場合、Liveは着信同期メッセージのタイムコードを自動検出し、検出結果に従いメッセージを解釈します。アレンジメントビューでの表示に使用されるタイムコードのフォーマットは、[オプション]メニューの[時間軸の表示形式]サブメニューを開いて調節することができます。

MIDIタイムコードオフセット設定も、[MIDIタイムコード]が[MIDI同期タイプ]メニューから選択されている場合にのみ関係します。このコントロールを使って、SMPTEタイムオフセットを特定することができます。Liveは、この値をアレンジメントのスタートタイムとして解釈します。

29.1.4 同期ディレイ

同期ディレイコントロールは、各MIDIデバイスにあります。このコントロールを使って、Liveの同期信号に対する内部時間ベースにディレイをかけることができます。この設定は、転送により発生する信号の遅れ(ディレイ)の補正に便利です。MIDIデバイスの同期ディレイは、[MIDI/Sync]環境設定の[MIDIポート]リストからMIDIデバイスを選択すると表示されます。同期ディレイを調節するには、Liveと他のシーケンサー両方でリズミカルな打楽器パターンを再生しながら、両方の出力を聴き、サウンドがシンクロするまで同期ディレイコントロールを操作します。

MIDISyncDelay.png

同期ディレイを調整する

29.2 ReWireによる接続

Liveは、同一コンピューター内で動作するReWire互換オーディオプログラムを接続するReWireインターフェースをサポートしています。

ReWireは、Propellerhead Softwareにより開発された技術です。ReWire互換プログラムを使えば、以下のような操作が可能になります。

  • オーディオハードウェアへのアクセス
  • 共有転送機能
  • オーディオワードクロックとソングポジションの同期
  • オーディオストリームのやりとり

ReWire接続することのできるプログラムには、独特の機能があります。ReWireマスターは、オーディオハードウェアにアクセスし、ミキシング機能を与えます。ReWireスレーブは、オーディオハードウェアに直接リンクされていませんが、代わりに、オーディオ出力をマスターのミキサーへ送ります。

一般的なReWireマスターアプリケーションには、Pro Tools、Cubase、Nuendo、Logic、Digital Performer、Sonar、Max/MSPなどがあります。一般的なReWireスレーブアプリケーションには、Reason、Rebirth、Storm、Project 5、Max/MSPなどがあります。Liveは、ReWireマスターまたはスレーブとして機能します。

ReWireプロトコル自体はCPUを消費しません。しかし、オーディオに集約したプログラムが2つ同時に1つのコンピューターで動作すれば、単一で動作するときよりもCPU負荷は高くなりますのでご注意ください。

29.2.1 LiveをReWireマスターモードで動作させる

MIDI送信とReWireスレーブプログラムからのオーディオ受信の手順については、ルーティングの章(14.4)にて説明しています。

29.2.2 LiveをReWireスレーブモードで動作させる

ReWireスレーブモードでは、LiveはマスターアプリケーションからMIDIを受信したり、マスターアプリケーションにオーディオを送信することができます。LiveのMIDIトラックはすべて、マスターアプリケーションにMIDI信号の送信先としてアクセスすることができ、インストゥルメントを含むオーディオトラックとMIDIトラックはすべて、オーディオ音源としてアクセスすることができます。

Liveが起動していない場合は、まずLiveを起動し、ReWireエンジンをシステム内にインストールしてください。

起動の際、Liveは、動作中の ReWireマスターアプリケーションを検知すると、ReWireスレーブモードで起動しますので、ReWireマスターアプリケーションをまず最初に起動し、その後Liveを起動してください。

同様に、Liveを先に終了してから、ReWireマスターアプリケーションを終了します。

ReWireスレーブモードでのLiveの操作は、通常の場合の操作と多少異なります。

  • Liveは、オーディオインターフェースに直接アクセスしません。オーディオ入力/出力は、ReWireマスターアプリケーションにより操作されます。オーディオ入力は、Live上では利用できなくなります。
  • サンプルレートは、Liveではなくホストアプリケーションにより決定されます。
  • 外部同期は無効になります(代わりにReWireマスターアプリケーションに同期します)。Liveは、同期メッセージあるいはコントロールメッセージをMIDI出力へ送信しません。MIDIを介してのLive操作は有効です。
  • スレーブモードでは、LiveをReWireマスターアプリケーションとして機能させることはできません。例えば、LiveがCubaseのReWireスレーブとして動作している場合、RebirthをLiveのReWireスレーブとして操作することはできません。CubaseのスレーブとしてLiveとRebirthを同時に動作させることは可能です。
  • 拍子とテンポは、ReWireマスターアプリケーション内の設定により決定されます。ご使用のLiveセットにテンポ変更または拍子変更が含まれている場合、それらは無視されます。

29.2.3 ReWireについて

ReWireの設定と使用について、詳しくはAbletonウェブサイトのFAQページ*http://www.ableton.com/pages/faq/rewireをご覧ください。

それでも解決しない場合には、Abletonサポートチーム*http://www.ableton.com/supportまでご連絡ください。

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