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Live 9.2がリリース

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Live 9.2がリリース

Ableton Live 9.2が公開されました。この無償アップデートにはLiveおよびPushの主要な機能向上と機能追加が含まれており、Live 9をご所有のお客様全員に対してダウンロード配布中です。新機能について詳しくは以下をお読みください。 レイテンシー補正 Live 9.2には、レイテンシー関連の機能向上がいくつか追加されています。Max for Liveデバイスやサードパーティ製プラグインのレイテンシーがさらに低下。また、オートメーションがレイテンシー補正に対応しました。ワープ機能の向上、Tuner、Max 7など Live 9.2では、Liveのオーディオ・ワーピング・エンジンにいくつかの機能向上が追加されています。[Complex]モードおよび[Complex Pro]モードでのトランジェントはよりパンチのあるものになり、強拍検出機能は向上し、ワーピングはより正確になりました。新しい[選択対象をワープ]コマンドでは、サンプルの選択部分を指定の小節長さにワープさせることができます。その他数々の機能向上に加えて、Live 9.2では新たに便利なデバイスTunerが追加されたほか、Max for Liveは最新かつ最もパワフルなMaxバージョン、Max 7をベースとしています。 LiveツアーPushの64パッド・モード、無償Pack Live 9.2では、64パッドすべてを使用してドラムをプレイできるようになりました。また、ステップ・シーケンシング用に16パッドにすばやく切り替えることもできます。すぐに使い始められるよう、64パッド・モードがもたらす機能を最大限に活用できる無償Packをご用意。Rack5つ分に匹敵するハイクオリティのドラム、パーカッション、ループ、ワンショットのサンプルを提供します。64 Pad Labは、Pushをご所有のお客様だけでなく、Liveユーザーも見逃せない無償Packです。64 Pad Lab無償PackをダウンロードMad Zachが64 Pad Lab Packを解説 64 Pad Lab PackはたぐいまれなフィンガードラマーMad Zachが手がけており、彼のPushパフォーマンス・ビデオを見れば、64パッド・モードでのPushの可能性が一目瞭然となることでしょう。新作ビデオの中で、Mad Zachは64パッド・レイアウトでのプレイの方策、個々のサウンドの微調整、パンチのあるドラム・サウンドを得るための制作におけるヒントを、64 Pad Lab Packをベースに紹介しています。Pushの機能がさらに向上 Live 9.2では、Pushパッドのアフタータッチ機能が向上し、Liveの主要ライブラリ・サウンドの多くにアフタータッチ機能が追加されています。さらに、Pushのタッチストリップをモジュレーション・ホイール・コントロールおよびピッチ・ベンドに使用できるようになりました。Live 9.2は、Live 9をご所有のお客様全員に対してダウンロード配布中です。Live 9.2リリースノートを読む

Decap:Pushで感じるままにパフォーマンス

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Decap:Pushで感じるままにパフォーマンス

サンフランシスコをベースに活動するヒップホップ・プロデューサーDecapは、今週、ニュー・シングル『Feeling』の技巧が光るビデオを公開しました。ステディカムで撮影されたこのビデオでは、ヒップホップのベテラン・プロデューサーであるDecapが、Pushを用いてワンテイクでトラックを演奏する様子がご覧いただけます。シーケンスもループもソロも、すべてまったなしのワンテイクで演奏されています。イーストコースト出身で13歳でビートメイキングを開始し、これまでタリブ・クウェリ、Smoke DZA、スヌープ・ドッグなど蒼々たる面々と仕事をしてきたDecapは、ますます頻度を上げる彼のライブにおいてPushが欠かせないものとなっていると話します。以下のインタビューで、Decapはビデオの撮影プロセスと2015年の展望について語っています。ビデオについて少しご説明いただけますか?ビートをつないでからループにして手を加え、さらにソロを加えているように見えますが、クオンタイズは使用されていないようですね?ええ、クオンタイズは使用していません。間違えずに最後まで演奏し、すべてを撮影することが目的でした。あのときはとにかく興奮していました。はじめのうちは、「弱ったな、すごいプレッシャーだ」という感じでしたが、やってみるとけっこう簡単で最高の気分でした。トラックの冒頭ではヘッドフォンでメトロノームクリックを聴いていたので、タイミングを合わせることができました。一糸乱れぬクオンタイゼーションは逆にタイトさを失わせます。感情とタイミングを表に出してもいいのです。クオンタイズをするとどうしても硬直した感じになるし、このトラックについての感情を音楽という言葉に翻訳して、リスナーの心の奥底に実感させること、それが私の目指すところです。撮影の1日半前にロサンゼルス入りして、何度も練習を重ねて完璧に仕上げました。いくつか別ショットも撮影してリラックスしてから、深呼吸して、パフォーマンスを始める前に瞑想してから、なんとかワンテイクでやりました。プレッシャーを感じ、それに打ち勝ったあの瞬間を体験したのは最高でしたね。本当にいい気分でした。技術的な点についてもお聞かせください。Pushはどのように使用されていますか?Live 9.2ベータがあったので、64パッドすべてをパフォーマンスに使用することができました。トラックの主要構成すべてを64のパッドに配置しておいたのですが、ライブ・セッティングにすご便利だと思いますね。ドラムマシンのほとんどが16パッドです。これだと、1画面でやるには少し手狭です。ハイクオリティなAkaiパッドを右手と左手両方でそれぞれ使用することで、できることが大幅に増えます。ビデオでやっている演奏ができるようになるまでかなり練習しなければなりませんでした。両手の動きについて同時に考えなければなりませんからね。始めてもう数カ月になりますが、その可能性を発見しつつあるところです。ソロはまるでもの悲しいエレクトリック・ギターのようにも聞こえますが、タッチ・スライダーを使用してピッチ調整しているのではないのですよね?いいえ、あれは一番上のノブで、ワウにマップしたLFOです。(タッチ・スライダーも)使用しましたが、最後になってからです。これも、Pushが大好きな理由のひとつなのですが、表現力がすばらしいんですよ。独創性を刺激してくれます。ソロは、練習するたび違ったものになるのが面白かったですね。タイトルどおり、まさに「フィーリング」です。自分の表現に忠実であること、その瞬間に自分にとって自然だと思えるものを演奏することが大事でした。活気に満ちたソロもあったり、リラックスしたソロもあったりでしたね。 Pushを64パッド・モードで演奏するDecap ビデオにあった、サンプルのチョーキングはどうやって実現したのですか?まず、パフォーマンスの冒頭で、長いサンプルのループを録音しておきます。音量を落としているけれど、演奏中のサンプルと同じチョーク・グループにある2つのパッドを使用してチョーキングしてバリエーションを作成します。これで、ぎくしゃくした粗さのあるヒップホップな感じが出ます。尊敬するアーティストのひとり、DJ Premierといった名手たちも作品のなかでこのテクニックを使用しています。2015年の活動についてお聞かせください。LPリリースやライブの予定は?2014年に録音したスヌープの未リリース・トラックがあるのですが、今年はリリースされません。今はアルバム制作のまっただ中ですが、パフォーマンスについても考えを巡らせています。これまでは、タリブやスヌープ、その他のアーティストとの仕事でプロデューサー的役割を担うことが多かったのですが、Pushのおかげで別のアイデンティティに移行できそうです。かねてから、アーティストとして活動し、自分の作品をパフォーマンスしたいと思っていました。Pushが発売されたとき、スタジオに置くことになるだろうとは思っていましたが、パフォーマンスで重要な役割を果たすようになるとは思っていませんでした。パフォーマンスが自分にとってこれほど重要なものになるとは考えてもいませんでした。こうして、プロデューサーがパフォーマンスを行うアーティストとして活躍できる時代になったのはすばらしいことだと思います。Decapについて詳しくは、FacebookおよびSoundcloudをご覧ください。

Live 9.2パブリック・ベータ公開中

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Live 9.2パブリック・ベータ公開中

Live 9.2が近日リリースされます。この無償アップデートにはいくつかの主要な機能向上と機能追加が含まれており、現在パブリックベータ版が公開中です。 ワープ機能の向上Live 9.2では、Liveのオーディオ・ワーピング・エンジンにいくつかの機能向上が追加されています。[Complex]および[Complex Pro]モードには、思い切った設定であってもよりパンチの強いトランジェントが得られます。オーディオのテンポが一定(エレクトロニック・ミュージックでは一般的)で正確にワープしている場合の自動ワープと強拍検出機能も向上しています。 レイテンシー補正Live 9.2には、レイテンシー関連の機能向上もいくつか追加されています。Max for Liveデバイスやサードパーティ製プラグインのレイテンシーが低下しています。また、オートメーションがレイテンシー補正に対応しました。 Tunerが追加さまざまな内部機能向上に加えて、Live 9.2には新たにTunerデバイスが追加されています。ギタリストやハードウェア・インストゥルメントをご使用の方に便利です。 Pushユーザー向け64パッドPushユーザー向けに、Live 9.2アップデートでは64パッドすべてを使用してドラムをプレイできるようになりました。また、ステップ・シーケンシング用に16パッドにすばやく切り替えることもできます。フィンガードラマーの名手Mad ZachがPushのパッドすべてを使用してリズム・ワークアウトを行う様子をご覧ください。

インプット/アウトプット:Afrikan Sciences

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インプット/アウトプット:Afrikan Sciences

シリーズ「インプット/アウトプット」では、Abletonコミュニティに属するプロデューサーのスタジオを訪ね、彼らの制作プロセスに取り入れられるインスピレーション、テクニック、技術と、そこから生まれる最新の音楽作品に光を当てていきます。冒険的なレーベルPANから到着した『Circuitous』は、Eric Porter DouglasことAfrikan Sciencesの最新アルバムです。表向きには現在そしてここ最近のクラブ・ミュージックやダンス・ミュージックに関連したものでありながら、Afrikan Sciencesは、『Circuitous』でテクノ、ジャズ、ヒップホップ、ファンクのメロディとリズムを目を見張るほどフレッシュな構造に織り込んでいます。心を引きつける親しみやすさと際だった異質さを併せ持つDouglasのトラックは、聴く者を独自の軌道へと引き寄せます。初めのうちは違和感を感じますが、方向感覚を失う瞬間は、純然たる先験的な幸福感と均衡の状態にあることも少なくありません。Douglasの音楽に魅了されたAbletonは、ニューヨークを基盤に活動するプロデューサーである彼にインタビューを敢行。彼の制作活動について話を聞きました。あなたのトラックで常に特徴的であり、今回の新作で特に強調されているのは、リズム要素が2つ以上の方向に同時にプッシュされている点です。ビートメイキングに対するあなたの一般的なアプローチ/姿勢についてお話しいただけますか?ポリリズム・ステムに対する私の考えとアプローチは、最も人間の感覚に近いドラム・プログラミングやライブでのパート演奏を実現するためのニーズから来ています。また、複数のドラマーが同時に会話のやりとりを行うとどんな風に聞こえるのか、また、会話に参加している各ドラマーのバックグラウンドがそれぞれ異なっている場合、言ってみれば異なる言語を話す場合どうなるのかという観点からでもあります。この会話はどんな風に聞こえるのでしょう?こういった分裂を加えると、新しい均衡がもたらされます。拍子記号を別の拍子記号に重ね、クオンタイズされたプレイに漠然としたプレイを重ねるのです。得られる結果がどのようなものであれ、リズムの並置を掘り下げることは楽しいものです。ここでいうドラマーとはすべて人間のドラマーのことを意味しているのでしょうか?というのも、あなたのリズム構造にはマシンのような要素がしばしばみられるからです。リスナーとして、またミュージシャンとして、「クオンタイゼーションの連続」のルーツはどこにあるとお考えですか?ドラマーについては、すべて人間というわけではありません。トニー・アレン、ミッチ・ミッチェル、クラフトワークのドラムマシンが一緒にプレイしているようなイメージです。若い頃、リスナーとして作品で聞くことのできるドラムの虜になり、ティーンエイジャーになって初めて作品作りのようなことを始め、初期のドラムマシンに触れてからはさらにその傾向が強くなりました。ひとつ気付いたのは、ドラムマシンがポピュラー音楽を席巻した1980年代に起こった転換でした。私は、これこそミュージシャンが後になって「ドラムマシンには魂がない」というシュプレヒコールを上げてドラムマシンに反発した理由だと思います。私はこの言い分に不満を感じており、思いやりの感情とエレクトロニクスを調和させたいと考えていました。私は80年代中頃から後半にDJとしてスタートしました。組み合わせに対する音感とリズムに対するダイナミックな感覚が培われたのはこの時期です。レコードのビートをうまく操作し、新しいリズムを生み出してチューンの拍子や時間のフィーリングを変更するのです。つまり、ターンテーブルこそ私が最初に扱った楽器で、その後、ベースの弾き方を学んでレパートリーに加えました。 Afrikan SciencesのBoiler Roomでのパフォーマンスの様子 『Circuitous』制作時のスタジオのセットアップはどのようなものでしたか?スタジオの内容は絶えず変化していますが、ここ数年は、モーグ・リトル・ファッティ、アッシュボリー・アップライト・エレキベース、Waldorf Streichfett、iOSアプリいろいろ、サードパーティ製Audio Unit/VST、Max for Live、それに核としてLiveを使用しています。Live内でのセンド&リターン・システムを気に入っていて、外部インストゥルメントとエフェクトにAudiobusといったすべてを上手く連結してくれるiOSアプリを使用しています。トラックごとにいくつのセンドとリターンを使用することが多いですか?どのような信号をどのようなデバイスに送っていますか?トラックあたりのセンドについては、平均して1~4つを使用しています。Live内の内部ルーティングと、Motu Travellerといったオーディオ・インターフェースやiConnectmidi 4+のオーディオ・パス・スルー・システムを介した外部機器へのルーティングを組み合わせています。Holdernesss MediaのEcho Padなどのエフェクト、モーグのFiltatron、Amazing NoisesのGlider Verbなど、iOSアプリが気に入っています。KAOSS PADとmonotron DELAYなどのコルグ製品にも信号を送って面白い効果を生み出しています。ミックス・ボードを触ることもたまにありますが、ミキサーを持ち出すことはないので、普通はセンドリターン・セットアップに加えることはありません。ライブ演奏へのアプローチについてお聞かせください。典型的なライブ・パフォーマンスで、どれくらいの割合で、どのような要素をインプロヴァイズされていますか?今でも、安全かつ自発的なライブ・パフォーマンス方法におけるバランスを模索中なのですが、私の考えでは、完璧に準備されたセットは退屈だし、かといって早い段階でオーディエンスの関心を引き寄せることも重要だと思います。ですので、ほとんどの場合、リズム・セットだけは用意しておき、あとはスタート後の流れにあわせられるようオープンな状態にしておきます。また、あらかじめ演奏しておいた楽器のクリップを、Pushからアクセス可能なインストゥルメントと一緒に用意しています。外部インストゥルメントとデバイスすべての同期とコラボレーターとの同期には、iConnectmidi 4+を使用しています。ソロの場合、テンポと拍子をいろいろと変化させることが多いです。今、ライブをできるだけダイナミックなものにする方法について検討していて、ダンスの動きをこっそり練習しているんです(笑)。今後はアップライトをギグでもっと使用していこうと決めています。ライブでPushをご使用になっていますね。入手のきっかけはパフォーマンス用だったのですか?Pushについては、スタジオ・セットアップとライブ・パフォーマンスの両方に使うつもりで手に入れました。全体的に、どちらの状況においてもかなり満足して使用しています。ライブ・セットでは、シーンのコントロール、エフェクト・オートメーション用のダミー・クリップのトリガー、Max 4 Liveパッチ経由またはシフト・ボタンと一緒によりニュアンスのある動きを得るためのテンポ・ノブから直接のテンポ変更の調整にPushを使用しています。また、Drum Rackのライブ・ドラミングと、奇数長をループさせて無音を加えることで休符用のクリップの長さとオフセットの調整も行っています。たとえば、4小節のリズムをドラム・ラックで再生し、そこにたとえば3小節の別のリズム・トラックを重ねて、7小節サイクルのパーカッション・トラックを加えます。同時に、Push上でループ長コントロールを使用してオリジナルの4小節リズムのループ・ポイントをずらします。最初の小節ではなく第2小節にずらし、無音の第5小節に繰り越すか、長さをすっかり変更してしまいます。こういったバリエーションを作成して、面白みを出すのが好きです。一緒にキーをプレイするのもいいですね。クリップのローンチは色分けのおかげでより直感的になりますが、確かに大型のセットだと、混乱しないよう悪戦苦闘することもあります。ギグのたびに、別の方法を見つけています。できるだけ少ない操作でより多くを行うのが目標です。 Afrikan Sciencesについて詳しくは、FacebookおよびSoundcloudをご覧ください。

F.X.Randomiz: シュトックハウゼン、Push、サイバネティック・コード

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F.X.Randomiz: シュトックハウゼン、Push、サイバネティック・コード

カールハインツ・シュトックハウゼンを取り巻くイメージは、称賛と誤解が均衡しています。時として論議を呼ぶ存在であったことは確かですが、シュトックハウゼンの革新的な電子音楽作品、オペラ大作、管弦楽曲、合唱曲、器楽曲、そして電子音楽の理論的解釈、音響空間、偶然性の音楽への貢献は、20世紀後半の「アヴァンギャルド」な音楽とポピュラー音楽の両方に直接または間接的に影響を与えています。 シュトックハウゼンの莫大かつ多様な作品には、比較的頻繁に上演されているものもあれば、ヘリコプターが利用可能かどうかで上演の可否が決まる作品や、技術的に極めて要求度が高く実質上上演不可能なものもあります。そういった作品のひとつ、『Expo für 3』は、完成後43年の月日を経て初めて上演されました。難解でグラフを用いて記譜されている『Expo für 3』の「サイバネティック」な楽譜を興味をそそる音楽作品へと変換するという挑戦に、Mouse on Marsとの作品で知られるサウンド・アーティストのF.X.Randomiz、ボーカリストNatascha Nikeprelevic、ボーカリストでシュトックハウゼンと同じドイツ出身のMichael Vetterが取り組みました。3名は、『Expo für 3』のリハーサルとアプローチへの微調整に2年をかけ、上演後、シュトックハウゼン出版社の公式レコード・レーベル用に作品をレコーディングしました。AbletonはF.X.Randomizにインタビューを敢行。『Expo für 3』上演実現のためのPushとLiveの使用方法、エレクトロニックな要素と人間的な要素の相互作用を調整し、極端な即興をシュトックハウゼンの楽譜への忠実性でバランスをとるために3名のミュージシャンが用いた手法について話を聞きました。 『Expo für 3』の上演が困難な理由は何ですか?1970年に書かれてから、『Expo für 3』は一度も上演されていません。その記譜法が非常に独特で、上演は不可能だと考えられていました。この記譜法はサイバネティック楽譜ともいえるもので、固定の音、デュレーション、メロディ、リズムではなく、進む方向の指示のみが記載されています。この作品は、絶えず変化する音楽の流れに対応できる演奏者を想定して作られています。周期的に作品に現れるランダムな短波ラジオ信号が演奏者を新しい方向へと押しやるからではありません。おそらく、一方で即興、またもう一方で楽譜の厳守というこの特殊な組み合わせのせいで、綱渡り的な危険をはらむこの作品の上演に試みる者がいなかったのでしょう。それでは、『Expo für 3』上演を試みるというアイデアはどこから?象形文字のようにしか見えない楽譜で書かれたこの作品の世界初演とそれに続くレコーディングに私が参加できたのは、Michael Vetterがこのトリオのメンバーだったからです。彼は、ミュージシャンそして演奏家として1960年代にシュトックハウゼンと仕事をし、いわゆるサイバネティック楽譜の絶対的権威として知られていました。シュトックハウゼンとMichael Vetter(のちにNatascha Nikeprelevicも)にしか、この楽譜の読み方は分からないという状態だったのです。Michaelは、『Spiral』という独奏曲を1970年の大阪万博での初演で演奏し、シュトックハウゼン本人の監督の下、1996年にCD用にレコーディングしました。その後、彼とNatascha Nikeprelevicが二重奏曲『Pole』を2008年に初演し、2012年にシュトックハウゼン出版社のためにCDをレコーディングしました。三重奏曲の『Expo』でサイバネティック作品の三部作を完結させようと考えたのは自然な流れでしょう。2名のボーカリストが、サウンド・パレットをエレクトロニクスで拡張したいと考えたのです。 『Expo für 3』世界初演ビデオ(一部) このプロジェクト参加にあたって何か音楽的なトレーニングは行いましたか?ここではクラシック・ピアノの練習よりも独学の電子楽器とサウンド処理の知識の方が役立ちましたね。楽譜の読み方を知っていたこと、しばしば聴衆として、そして時に演奏家としていわゆる「芸術音楽」の世界における経験があったことは無駄ではなかったと思います。『Expo für 3』では、新しい方法での演奏が要求され、これまでに得た技術や習慣に頼ることができないような楽器を使用したいと考えていました。『Expo für 3』のサイバネティック楽譜に使用されているシンボルについていくつかご説明いただけますか?まず目に付くのはプラス記号とマイナス記号で、タイムイベントごとに最大4つあります。このプラスとマイナスの記号は、強度(音量)、音域(ピッチ)、音価(デュレーション)、分割(リズム区分の数)のパラメーターに割り当てられています。これら4つのパラメーターのどれにプラスまたはマイナスが適用されるかが示されている箇所はほとんどありません。つまり、プラスかマイナスの記号が1つ記載されている場合、それをどのパラメーターに適用させるかは私の自由だということです。しかし、その決定が私そして他の演奏者にもたらす結果も認識しておく必要があります。さもなければ、抜け出せない危険な領域へとあっという間にはまり込んでしまうことになります。また、拡張と圧縮を示す特別な記号もあります。中心点から2方向へと向かう拡張、または、2つの極から中央値に戻る圧縮です。これを理解するための最も簡単な方法として、ピッチの例があります。圧縮すると高いピッチが下がり、同時に低いピッチが上がります。これと同じ原理が他のすべてのパラメーターにも適用されます。ピッチが中央に収束すると同時に、静かな音は大きく、長い音は短く、複数に分割された音は縮合されます。この演奏方法の習得には、ものすごい集中力と、何よりもたくさんの練習が必要です。即興演奏中、他の演奏家とラジオ信号に反応している間は、シンボルが何を意味しているのかを考える時間はありませんから。他にも、さらに抽象的な指示を示すシンボルがあります。たとえば、「疲れるまで繰り返しこの修辞を演奏する」などです。また、一定のところである演奏者が別の演奏者に対していかに反応するべきかを指示しているシンボルもいくつかあります。 『Expo für 3』の楽譜、Push、短波ラジオが置かれたスタジオ トリオで唯一の非ボーカリストとして、技術面でこの作品にどのようなアプローチを採りましたか?また、LiveとPushを使用することとなったいきさつについてもお聞かせください。楽譜には指示はあっても絶対的数値は書かれていないので、コンピューター、特に、楽譜の構成に沿うよう活用できるMax/MSPパッチに楽譜の解釈の一部を任せるのは道理にかなっていると思います。ただ、こういったシステムは、2名のボーカリストとの即興演奏に使用するには柔軟性にあまりにも欠けていて融通が利かないことがすぐ判明しました。もうひとつ私が試みたのは、強く変更を加えたボーカル・サンプルのみを使用することです。これは、こうすることで作品のボーカル要素とエレクトロニックな要素を何らかの形で結び付けることができると考えてのことでした。しかしすぐに、これは独善的過ぎるアプローチであることが判明しました。リハーサルの過程で明らかになったのは、この作品で指示されているありとあらゆるサウンド・イベントに対して、そのイベント特有の特徴や要件に合わせて調整できるパラメーターを含むサウンドを準備する必要があるということでした。また、単体のサウンドと一緒にループやシーケンスを試してみたいと思っていたのですが、この目的に最適なソリューションはLiveだというのは明らかでした。Instrument Rackと、複数のアサインおよび微調整可能なパラメーター範囲をK別に設定できるマクロ・コントロールを使用するのが、私にとってはこの作品に必要とされる複雑なサウンド変更をコントロールする理想的な方法であることが分かったのです。もちろん、リアルタイムで演奏可能でなければならなかったのと、一般的なキーボードを使用しないということを初期の段階で決めていたことも関係しています。これまで学んだ演奏パターンに陥るリスクが高すぎたからです。リハーサルを開始したとき、Pushはまだ発売されていなかったので、当時のセットアップはLaunchpad、APC40、QuNeoを使用していました。その後、Pushの話を聞いたとき、『Expo für 3』上演に必要なすべてを兼ね備えていると思い、すぐに試してみたいと思いました。Pushに触れてすぐ、楽器を演奏しているような実感がありました。それに、Pushでは、それまで3つのコントローラーを使用して行っていた操作すべてが可能でした。最高なのは、サウンドだけではなく、多様な割り当て可能なスケール同様にサウンドの演奏方法をボタンを押すだけで楽器の状態を一変させてしまうことができることでした。『Expo für 3』用のLiveセットでは、楽譜内の各イベントまたはイベント・グループに対してセッション・ビュー・トラックを割り当て、それそれに独自のサウンド・ソース。エフェクト、また必要に応じてMIDIデータを用意しています。すべて再生準備が整っているので、矢印キーを使用して次のトラックに移動するだけです。ディスプレイの視覚表示も、楽譜内の位置がはっきり分かってとても便利です。コンピューターはステージの隅あるいは袖に置いたまま、コンピューター画面だけを使用して操作できます。声を加工せずそのままの形に残すというのはもとから意図したものだったのでしょうか?『少年の歌(Gesang der Junglinge)』について考えてみても、シュトックハウゼンは声に電子的な加工を加えることを初めて行った作曲家の一人であることを鑑みても、そのようなマニピュレーションに反対しないだろうと思うのですが。 カールハインツ・シュトックハウゼン『少年の歌(Gesang der Junglinge)』1955年 確かに、楽譜に声に変更を施すことを禁じる指示はありませんし、そうすることは選択肢として明白なものに思えるかもしれません。しかし、Michael VetterとNatascha Nikeprelevicの気心の知れた共演の様子を目の当たりにし、また彼らの声がもたらし得る信じられない程のサウンドのスペクトルを耳にすれば、彼らの声に電子的処理を加えることは冒涜にも等しいことであることは明らかです。シュトックハウゼンが1950年に『少年の歌』を制作したとき、声と電子工学を組み合わせることは極めて革新的なことでした。しかし、今では声をマニピュレートするのはジャンルに限らずよくあることです。ある意味、声が電子的環境に適応したといえるかもしれません。だからこそ、逆のことを行い、電子的に生成されたサウンドとシーケンスに、声のようなオーガニックな特性を加える試みこそ興味深いと思えるのです。『Expo...

AbayomiがPushをプレイ

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AbayomiがPushをプレイ

Jesse Abayomiは多才です―Abletonプロダクト・スペシャリストとしての仕事に加え、ミュージシャン、DJ、レーベル・オーナーとしても活躍していますが、優れたPushの使い手でもあります。Zone3名義で活動するJesseが自身のトラック「Chemistry」を披露する様子をご覧ください。 JesseのLiveセットは、「Chemistry」のさまざまなパートをアクティブにプレイできる機能を活用してPushでトラックを再現できるようになっています。Jesseによる、パフォーマンスに使用するパートの解説、Drum Rack、Max for LiveデバイスAugust synthesizerについての説明をご覧ください。 「Chemistry」はこちらからお聴きいただけます。 その他のPush使用アーティストビデオを観る Pushについてさらに詳しく Jesse AbayomiのSoundCloudページ Jesse AbayomiのFacebookページ Jesse AbayomiのAbout.meページ

KeycheeがPushを語る: パフォーマンスと作品制作の融合

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KeycheeがPushを語る: パフォーマンスと作品制作の融合

Pushユーザーの作曲とパフォーマンスのテクニックの多様性は、興味深く、インスピレーションを与えてくれます。今回Abletonが紹介するのはPushテクニシャンのKeycheeです。彼がビートメイキング・プロセスをパフォーマンスに融合させる様子を下のビデオからご覧ください。 Keycheeのパフォーマンスには、彼独自のPushフローをいくつか見受けることができます。Push最上列のクリップ停止ボタンを使用して、ブレイクダウン・セクションをオンザフライで作成し、レイヤーを重ねすぎないようにしています。 Pushのクリップ停止ボタン KeycheeのDrum Rackも注目です。ハイハットにループを使用し、ドラムパッドとステップ・シーケンサーを用いてループの「スイング・シーケンサー」的なツールとして使用しています。キックドラムはMax for Liveデバイスのトリガーにも使用されており、ベース・シンセのフィルター・カットオフ値をリセットしています。こうすることで、Keycheeはフィルターをより直感的に操作し、ビートを調整できます。 すべての要素をまとめ、完成したトラック「Womania」をお聞きください。 Keycheeのフローは、パフォーマンスとしても、リアルタイムで作成されたトラックとしても見事なものです。Keycheeのセットを利用できます。ダウンロードしてインスピレーションを受け取りましょう。 Keycheeについてさらに詳しく: Bandcamp SoundCloud

Todd Terjeのコズミック・ディスコをLiveとPushで - Point Blankの新チュートリアル

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Todd Terjeのコズミック・ディスコをLiveとPushで - Point Blankの新チュートリアル

Cover art from Todd Terje's new album. LindstrømおよびPrins Thomasといった名義でのコンテンポラリー作品に平行して、Todd Terjeはスペース・ディスコ作品も数々発表しています(ここ数年、夏になると「Inspector Norse」や「Snooze for Love」を耳にしたという方もたくさんいることでしょう)。そんなToddが、待望のアルバム、その名も「It's Album Time」をリリースし、「Delorean Dynamite」を含む新たなディスコ作品とともにカムバックしました。 それでは、この作品はどのようにして出来上がったのでしょうか?2部構成のチュートリアル・シリーズでは、Point BlankインストラクターのSki Oakenfullが本作品をセクションごとに解説し、LiveとPushを使用してサウンドとシーケンスを再現しています。また、ビデオを観ながら、トラックの背景にある音楽理論、正しいシンセ・サウンドのデザイン術などを学べます。簡単なアドバイスのみを紹介する一般的なチュートリアルに比べると長めですが、優れた作品のメイキングを垣間見ることのできる貴重なビデオとなっています。

Dark TouristがPushを語る

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Dark TouristがPushを語る

新作ビデオでは、ベルリンを拠点に活動するプロデューサーDark TouristがPushを実演します。 気に入りましたか?「ブレードランナー」を彷彿とさせるメロディは、AnalogとMax for LiveデバイスをベースとするカスタムメイドのRackで作成されています。このRackを無償ダウンロードし、Pushでの独自の作品作りに使用できます。出来上がった作品はぜひ公開ください!FacebookまたはTwitterでトラックをシェアする場合はタグ #MadeWithPush を付けるのをお忘れなく。 さまざまなPushテクニックをカバーしたその他のビデオを観る Dark Touristについてさらに詳しく

Playpad Circus: ドラムとサンプルをPushでプレイする

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Playpad Circus: ドラムとサンプルをPushでプレイする

Abletonの最新Pushビデオでは、ベルリンのビートメイカーPlaypad CircusがAbletonインストゥルメントを徹底分析し、ドラム・モードについて詳細に解説しています。見ているだけでは物足りないという方のために、Playpad Circusは無償Rackも提供してくれました。 まずは、Pushのリアルタイム・ステップシーケンスとオートメーション機能を使用してわずかなサウンドだけで1分半のトラックをあっという間に作成する様子をご覧ください。スイングを適用してベロシティに変化を付けることで個々のサウンドのタイミングをナッジするテクは必見必聴です。すべてPushから直接微調整できますが、Playpadはこれらの機能を非常に効果的に使用しています。 Playpad CircusのSoundcloudからフルトラックをダウンロードすることも可能です。また、個別のサウンドすべてを含むRackをダウンロードし、独自のPush作品を作成することもできます。出来上がった作品はぜひご公開ください!FacebookまたはTwitterでトラックをシェアする場合はタグ #MadeWithPush を付けるのをお忘れなく。 ドラム・モードでのプレイと他のPushテクニックに関するビデオをもっと見る

インプット/アウトプット: Decap & Brady Watt

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インプット/アウトプット: Decap & Brady Watt

ヒップホップの歴史において、ニューハンプシャー州ナシュアはニューヨーク・シティに比べれば見劣りするのは否めません。しかし、ナシュア出身のある2人組が、ニューヨーク・ヒップホップにソウルフルで印象的な影響を与えています。Ski Beatzを師に、Curren$yとJay Electronicaをコラボレーターに、そしてPushを愛用の機材に持つDecap & Brady Wattは、急上昇中のデュオです。デビュー作「Qi」をリリースしたDecap and Bradyに、Abletonは彼らの音楽、瞑想、ニューヨークで彼らを取り巻く思想を共にするミュージシャンによるコミュニティについて話を聞きました。 デュオを組んだきっかけは? Decap: こいつ(Brady)のことは中学から知ってたんだ。2人とも、ニューハンプシャー州ナシュアのエルムストリートに通ってた。親しいってわけじゃなかったけど、互いにリスペクトはしてたよ。周りの友だちはずっと、お前たちは一緒に仕事するべきだって言ってくれていたんだ。僕はヒップホップ制作で、Bradyはベースの演奏でお互いけっこう知られた存在になっていたからね。2008年初め、ワシントン・ハイツにある僕のアパートにBradyが来て、すごい曲をいくつか作ったんだ。ソロでのプロデュースに慣れてたんだけど、Bradyと一緒にやったことが大きなインスピレーションを与えてくれた。僕たちのサウンドと個々の技能を組み合わせることで、独特のスタイルが生まれたと感じたんだ。 Brady: ああ、8年生のとき、こいつが学校で一番タフなやつとけんかしてるのを見たよ。勝ってたから、こいつやるなって思ったね。ははは。 Ski Beatzとの出会いは? Brady: ニューヨークに引っ越してからすぐに、Olamide Faisonと一緒にトライベッカでのパーティに行ったんだ。OlamideのいとこのEdaから聞いてね。それがたまたまDame Dashのパーティで、有名ラッパーやアーティストがたくさん来てたんだ(これが初期のDD172で、Blakrocが終わったすぐあとくらいだった)。僕たちは、パーティを楽しんで、かわいい子に出会えればいいな…くらいのつもりだった。ただ、リハーサルから直接来たんで、ベースを背負ってたんだ。音がしたからある部屋に入ったんだけど、そこにMPCを操っているSki Beatzがいて、Jean Graeがその横でメモを取ってた。Dameもいたし、Mos Defもいたし、とにかくすごい顔ぶれだったよ。信じられなかったよ。彼らは僕のヒーローなんだから。Skiが振り向いて、僕の背中のベースを見て「おい、それ弾けるのか?」って聞いたんだ。だから「もちろん」って答えたよ。それでベースをつないでそのトラックに合わせてジャミング演奏したんだ。F#マイナーだった、忘れもしないよ。その部屋にいた誰もが「おお…」って感心してくれて、Skiが立ち上がって、彼の拳と僕の拳をたたき合わせて「採用だ」って言ったんだ。次の日またそこに行って、Curren$yのPilot Talk 1のほとんど、Mos Defのクールなサウンド、Jay Electronicaをカットした。その日から、Skyと僕は何年もの間ほとんど毎日一緒に仕事したよ。 お2人は、一緒にスタジオに入って作業するのですか、それともそれぞれ別のスタジオで作業してトラックをやりとりするスタイルですか? Decap: コラボレーティブな作業のほとんどはスタジオで行うよ。作曲プロセスの一部は、一緒にインスピレーションを掘り下げていき何かを生み出す2人のエネルギーなんだ。だからといって離れた場所で仕事をするのに反対なわけじゃない。実際そうしたこともあるしね。 このプロジェクトで使用する楽器は? Brady: ベース、ギター、キーボード、そしてPushだね。 Decap: キーボードを使っていたけど、Pushを手に入れてからは、他の楽器やMIDIコントローラーを触ることはほとんどなくなったよ。 スタジオではPushをどのように使用していますか?またライブパフォーマンスのセッティングでは? Decap: 僕は、Pushを制作の初期段階にスタジオで使用してる。アイデアを考えたり、ドラムループを作ったり、サンプルを加工したり、VSTインストゥルメントを演奏したり、いろんなクリップアレンジをトリガーしたり、エフェクトオートメーションを使用したりしてる。ライブ演奏では、ラップトップ画面を見る必要がほとんどといってないんだ。Pushと、オーディエンスのエネルギーに完全集中してる。Pushは、クリップのトリガー、エフェクトのマニピュレート、サンプルのドロップ/チェンジアップ/トリガーに使用してる。僕の演奏は、単にクリップをトリガーするだけじゃないんだ。Pushを完全な表現ツールとして使ってるよ。 ソングのアイデアを形にしていく方法は?どちらかが思いついたアイデアを起点としてまとめていくのですか、それとも共同作業から生まれてくるのでしょうか? Decap: 作業前に一緒に瞑想するんだ。こうすることで、クラッターやノイズをクリアにして、クリエイティブな状態になることができるんだ。 Brady: ああ、いつもまず瞑想する。たいてい、アイデアが簡単にわき上がってくるよ。インプロビゼーションや現場での修正には慣れてるから、「ライティング」は難しいとは思わないんだ。ベースやギターでアイデアをスタートさせることもあるし、Decapがパッドでスタートさせてそこに追加していくこともある。それに、スタジオではミュージシャンの友達がうろうろしてることも多いから、彼らからインスピレーションをもらうこともあるよ。 Bradyに伺いたいのですが、Decapとのニューアルバムの音楽制作は、MC用にビートを作成する際とどのような点で異なっていましたか? Brady: このアルバムは、僕たちをアーティストとして成長させてくれた。それまでは、トラックを「プレースメント」として作成していた。最高のビートであることには間違いないけど、アルバムのための作品作りとはまったく異なる。アルバムに収録する曲にはとてもこだわったよ。ある種のフローがあり、さまざまなスタイルに触れた作品を作りたいと思ったんだ。僕たち自身を体現しながら、まとまりのあるサウンドにしたかった。60曲ぐらい作成したのを、8曲に絞ったんだ。 「Grand Design」を解説していただけますか? Decap: すごく斬新なバウンスのある曲にしたかったんだ。「Ground Design」に取りかかる前の日、Bert...