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Borderland: Time Changes

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Borderland: Time Changes

Juan AtkinsとMoritz von Oswaldは共に、私たちがその後テクノとして認識することになった音楽を定義づけ、その可能性を広げる上で決定的な役割を果たしました。デトロイトとベルリンという、それぞれのホームタウンである二つの点を線で繋ぎ、彼らは3MBという名義で1993年に初めて共同制作をしています。それ以降、彼らは不朽の名作の数々を生み出してきました ― von OswaldはBaric Chennel、Maurizio、Ryhthm & Soundとして、Atkinsは個人名義及びModel 500として。彼らの新たなコラボレーション・プロジェクト、Borderland(エンジニアとしてMoritzの甥っ子であるLaurensも参加)は、まるで繊細な形状、空間、緊張感、テクスチャーが描き出す風景の中を、地中から響くベースとキックドラムの鼓動に押されて進んでいく、ひとつのトリップのようです。 私たちが昨年開催されたAtonal Festivalで映像に収めた彼らのパフォーマンスを、下のリンクからお楽しみ頂けます。さらに、彼ら3名のメンバー全員と、過去、現在、未来の音楽の作り方について話をしました。 Laurens von Oswald Borderlandのステージでは、あなたはミキシング・ボードとエフェクトを担当していました。スタジオ内でも同じ役割を担っていたのですか? 基本的にはそうです。私たちは、ステージ上でもスタジオ内でも、過去の手法をモダンなアプローチで採用しています ―― 要するに、ミキシング・ボードを重要な楽器のひとつとして捉えるということです。JuanとMoritzが演奏するシークエンスや楽器の音を処理し、最終的なミックスとして送り出すことが私の主な役割です。通常であれば会場のミキシング・エンジニアが担うことなので、少し変わったやり方ではありますが、私たちのやり方には通常とは異なる相互作用があるのです。 楽器としてのミキシング・ボード ―― この考え方には独自の伝統があります。ダブもテクノも、この考えから生まれたもの。Borderlandの他の二人のメンバーは、この両方の分野でよく知られた存在ですが、あなた自身の役割は、その伝統を受け継ぐことか、それとも脱却することだとお考えですか? 基本的には、私たちはライブをなるべくスタジオでのセッションに近づけることを重要視していました。それと同時に、それらは全く別物であるということも意識しなければいけませんでした。一定のテーマが流れるのに沿って、その場でそれに適したアイディアをプロデュースしていくこと。Borderlandの曲は、シークエンス、リズム、モチーフを丁寧に作り上げていく長いプロダクション・セッションによって出来ています。MoritzとJuanにとっては慣れたやり方で、おそらくModel 500の「Sonic Sunset」や「Starlight」も同じように作られたことでしょう。でもこのプロジェクトに関しては、お互いの最大公約数を見つけることが必要でした。ですから、伝統は確かにありますが ―― 脱却している部分もありますね。 L-R: Juan Atkins, Laurens von Oswald, Moritz von Oswald. Photo...

Input/Output: Holly Herndon

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Input/Output: Holly Herndon

これからお届けする新シリーズInput/Outputの第一弾として、私たちが大好きなアーティストの一人に、彼女の最新プロダクションに寄与したインスピレーション、テクニック、テクノロジーについて話を聞きました。 私たちは、2012年のデビュー・アルバム発表時から、Holly Herndonの様々な活動に注目してきました。『Movement』は、挑戦的なヴォーカルのテクスチャーと力強く官能的なリズムを、丁寧に紡ぎ合わせ、緻密でいながらフレッシュなサウンドに仕上げた作品です。過去2年間に渡り、Hollyは数えきれないライブをこなし、管弦楽団、ロボット・バレエ、電気自動車のための作曲をしながら、スタンフォード大学にてコンピューター音楽の博士号を取得すべく研究を続けてきました。これらの活動については、今後追って詳しく紹介していきますが、ここでは私たちをわくわくさせてくれた、彼女の最新作「Chorus」をご紹介します。下のリンクからビデオをご覧の上、この作品についての彼女との簡単なインタビューをお楽しみ下さい。 デビュー・アルバム『Movement』で、あなたは既にヴォーカルをとても巧みに使用していましたが、この新作においてもヴォーカルが中心的な役割を果たしています。まず、「Chorus」で使用されている声は全てあなた自身のものですか?そうだとしたら、それらは全て同じような状況で録音されたのでしょうか? 「Chorus」に使用されている声は、いくつかの異なるソースから取得したものです。オンライン・ブラウジング、合成、自分の声を加工したもの、サンプルなどで、全て私のラップトップを通して録音されています。私が使用したシステムは、サンフランシスコのアーティストMat Dryhurstがデザインしたもので、彼とはよくコラボレーションもしています。私のオンライン・ブラウジングをスパイするように設計されていて、その音源をサンプルし、混ぜ合わせるんです。要するに、私のブラウザーを通して取得される音源の最高振幅を分析し、それによって様々な音源間の意外な相互作用をトリガーするのです。これをヴォーカルだけでなく、ほとんどのサウンド・デザインに使用しました。 「Chorus」はかなりのエディットとアレンジを要したかと思いますが、その制作手法を説明してもらえますか? この曲は、恐らく私が今まで作ったものの中でも最も凝ったエディットを施した作品でしょう。私は何時間にも及ぶブラウジングを録音し、加工を施し、それを録音し直し、作曲するようにエディットしていきました。結局使わなかった音源が、まだ山のようにあります。 トラックの骨格部分 ― 合唱部分のコード進行、ベースライン、そしてコーラス自体 ― は2012年の夏に作ったものです。これを、『Movement』のツアーを回っていた際のライブセットでダンス・ジャム・トラックとして、ヴォーカル・シンセのパートを、私のラップトップ・プロセッサーより発生された電気フィードバックにマッピングしたジェスチャーコントロールによって生演奏しました。たくさんの人に、この曲はいつリリースされるのかと聞かれたので、曲として仕上げることにしました。 私はMax for Liveを使用して、ハードドライブ上にマイクの振幅エンベロープをマッピングしています。これは、楽器、エフェクトなど、あらゆるものマッピングに使用することが出来ます。私はスタジオでもときどき使用しています。Conrad Shawcrossとのコラボレーション、Ada Projectでのサウンド・デザインのレコーディングにも使用しました。 それとは対照的に、12インチのB面収録の「Solo Voice」は、所定のパラメータの範囲で突発的かつ即興的に作られた印象を受けます。この曲はどのように制作されたのですか? この曲は、Daniel Pearlの追悼式のために作曲しました。この式では、Verdiの『四季』の楽章のひとつの間に”微気候”を演奏して欲しいと言われたんですが、このような行事で何をすればいいのか、全く分かりませんでした。故人の家族も参列していて、会場は美しい大聖堂でした。私はひとつの声から派生するプロセスによって構成される曲、「Breathe」と似たアプローチの曲を作りたいと思い、それを声ではなくひとつの音色でやってみたものです。 これが、私のライブ・パフォーマンスの導入としてぴったりだということに気づき、ライブセットに組み込むことにしました。最初にこの曲を演奏することによって、私がどんなことをやるのか、それをもっとも削ぎ落とした形で表現しているので、お客さんに理解してもらい易いと思います。 この曲は、Mark Pistellと共にスタジオに入り、ワンテイクで録音されました。ですから、そうですね、この二曲の制作方法は大きく異なります。実はこの曲のパフォーマンスに使用するシステムを開発するのにはとても長い時間がかかったのですが、パフォーマンスそのものはかなりシンプルです。 「Chorus」のビデオは、ラップトップを中心に置いた、あなたのデスクトップが焦点となっています。デジタル音楽やデザイン、執筆といった仕事に携わっているたくさんの人たちには馴染み深い光景です。こうした日常的な光景が抽象化されていく映像のイメージと、人の声が加工され極めて人工的な音響空間に配置されている楽曲との間には、重なる部分があるのでしょうか? はい、重なります。私はラップトップとの親密性をひとつの問題意識として扱ってきており、それは間違いなく『Movement』のテーマのひとつでした。『Movement』では、私はデジタル音楽の中に肉体的なものを見出すべく、人の声を使用したわけですが、「Chorus」では自分のツール/環境としての、デジタルとの親密性にフォーカスしました。特に、最近のNSA(米国国家安全保障局)の活動と個人のプライバシーの問題を考えると、さらに示唆的であるといえるでしょう。私はときどき、「私のラップトップは私以上に私のことを知っている」と言っているんですが、それを誰かが監視していると考えるとちょっと恐ろしいですよね。 Hollyについてさらに詳しく 「Chorus」についてさらに詳しく

Minilogue:スタジオ・ジャム

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Minilogue:スタジオ・ジャム

スタジオでのMinilogue Abletonはスウェーデン人デュオMinilogueのクリエイティブ・ プロセスとスタジオ・ セットアップを紹介する特集記事を掲載しました。マルメ郊外の手つかずの自然に囲まれたスタジオにMinilogueを訪ねた際、彼らは「The Island of If」と、「swansong」 EP ( Cocoon)のスタジオ制作中でした。下のビデオでは、スタジオ・セッションから生まれた未収録の23分にわたるジャミング風景をご覧いただけます。 このビデオを取りあげていただいたFACT Magazineのスタッフの皆様ありがとうございました。 次のドキュメンタリー特集で、Minilogueについてさらに詳しく: Minilogue: 限りなくヒューマン Minilogue: セットアップ

Minilogue:セットアップ

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Minilogue:セットアップ

Minilogueにとって、エモーショナルかつ精神的な秩序は、作曲プロセスにおいて欠かせない役割を果たしています。スウェーデン・マルメ郊外の穏やかな自然に囲まれたスタジオで、Sebastian MullaertとMarkus Henrikssonからなるデュオは、みずみずしく進化するテクノをさまざまなハードウェアとソフトウェアを駆使して作曲していますが、そのセットアップの中心をなすのがLiveです。下のビデオでは、SebastianがMinilogueのテクノロジーについて簡単に説明しています。 Minilogueについてさらに詳しく知りたいなら、Minilogueのクリエイティブ・プロセスや影響について詳しく説明したビデオをご覧ください。 スタジオ・テクノロジーの拡張をお考えですか?Pushについて詳しくはこちらから。 この記事をFacebookでシェア

Minilogue:限りなくヒューマン

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Minilogue:限りなくヒューマン

Minilogueの音楽は、エモーションと目的に突き動かされている ― 最新アルバム「Blomma」のリスナーは、美しくダイナミックなディレクションの贅沢な時間(なかには45分を越えるトラックも!)に遭遇することになるでしょう。スウェーデン・マルメの郊外にあるSebastian MullaertとMarkus Henrikssonのスタジオに招かれたAbletonは、彼らのコラボレーションとスタジオでの制作の様子をうかがい知ることができました。リリース作品が生まれるスタジオでのジャミングの状態に入る前に、2名のアーティストがそれぞれの思考と感情に対峙する方法を下のビデオからご覧いただけます。 Minilogueのスタジオセットアップについてさらに詳しく知りたいなら、SebastianによるMinilogueのハードウェアとソフトウェアに関する詳細な説明をご覧ください。 Liveを初めてご使用ですか?簡単な説明を読んだら、さっそく始めましょう。 この記事をFacebookでシェア

オマー・ハキム – ヒューマン・リズム

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オマー・ハキム – ヒューマン・リズム

オマー・ハキムは、間違いなく40年のキャリアを持つ最も成功しているドラマーのひとりです。マイルス・デイヴィス、デイヴィッド・ボウイ、スティング、スティーヴィー・ワンダー、最近ではダフト・パンクなどのアーティストとコラボレートし、無数の伝説的レコーディングにグルーヴをもたらしています。Ableton Live用の初Packリリースの機会に、Abletonはロボットまでもが頼りにするヒューマン・ドラマーとなったその存在についてオマーにいくつか話を聞きました。 ダフト・パンクのトーマ・バンガルテルが『Giorgio by Moroder』とあなたに関するエピソードを披露しています。「彼に近づいて行ったとき、とっても複雑なドラムンベースのプログラミングをハミングしてたら、彼が「こんな感じかい?」って(ドラムを叩く)。ハミングどおりなだけじゃなく、イメージより10倍もいいドラミングになってた。「すげぇ!自分のプログラミング・スキルに囚われて、こんないいドラミングを逃すとこだったなんて」って思ったね。そのパートはわずか2テイクほどだったんだよ」 マシンやアルゴリズムでは再現できない、ドラマーにしか実現不可能なものとはどのようなものだとお考えですか? あのときのことはよく覚えています。自分たちの欲しい音についてはっきりとしたイメージを持っていながら、そのアイデアを元に実験したりアイデアをふくらませる自由をくれるアーティストとスタジオにいると楽しいですね。 これこそ、マシンやアルゴリズムでは実現不可能なことだと思います。ミュージシャンとして、人間としての経験です。ギブアンドテイク、感情のやりとり、のびのびと自然にふるまい、瞬間を楽しんでいるときに起こる思いがけないうれしい驚き…。 (ダフト・パンクのように)エレクトロニック・ダンス・ミュージックをバックグラウンドに持つミュージシャンのリズムに対するアプローチが、ジャズやロック・ミュージシャンのアプローチと異なると感じたことはありますか? ドラムやパーカッションを演奏するミュージシャンとはリズムに対する考え方が異なっていることは確かですが、それは必ずしも悪いことではありません。実際の楽器を演奏しないので、その楽器のルールに縛られることがないのです。そのため、彼らは非常に興味深いクリエイティブな方法でパーカッション・サウンドを使用することにオープンです。 2014グラミー賞でダフト・パンクと共演するオマー・ハキムをチェック: 「ポケット」という言葉がよく聞かれますが、についてご説明いただけますか。 この質問をされるといつも困ってしまうんです!人間の感じるフィーリングと音楽を作るというプロセスを説明することはとても難しいので…。いろんな音楽文化を分析すると、とても興味深いことがわかります。どの文化にも、どの国にも、その人々が共感できるフィールやグルーヴがあります。それはもうDNAの一部のようなものです。世界のあるところには、人々の心を躍らせ身体を動かすダンス/EDMビートがある。また別のところには、8分の9拍子の不思議なグルーヴの音楽があり、人々を熱狂させ、踊らせている。 アーティストと仕事をするときは、(それがステージであってもスタジオであっても)グルーヴへの自分のアプローチについて考えすぎないようにしています。音楽に最も合う演奏をしようとだけ心がけています。 Live Packでご提供いただいたグルーヴやサウンドの使用方法として、どのようなイメージをお持ちですか? 本当に役に立つおもしろいアイデアの数々を提供できていればいいなと思っています。これらのグルーヴのいくつかが、クールなベースライン、興味深いリフ、メロディのコンセプトなど、曲の構築のインスピレーションにつながればうれしいです。 The Loop Loft Omar Hakim Drumsをチェック

Four Tetが10分間でトラックを作成

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Four Tetが10分間でトラックを作成

1枚のレコードからサンプリングし、これらのサンプルだけを使用してトラックを作成しなければならないとしたら…?それもたったの10分で。 Dontwatchthis.tvでは、さまざまなミュージシャンにこの難問に挑戦してもらい、結果を映像化しています。シリーズ最新回にはFour Tetが登場し、マイケル・ジャクソンの超有名作品「スリラー」をピックアップしてLiveでスピーディに作曲しています。クリエイティブなこのエクササイズから生まれたすばらしい結果を、下のビデオからご覧ください。 本シリーズの他のビデオを見る

Dan Freeman:指揮官の素顔

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Dan Freeman:指揮官の素顔

かさばるハードウェア・サンプラーを使用したバックグラウンド作業やニューヨークをベースに活躍する多数のミュージシャンとのコラボレーションを行ってきたDan Freemanは、豊富な経験を持つミュージシャンです。Ableton認定トレーナーでありDubspotインストラクターでもあるDanは、ソロ・アーティストC0m1xとして、バンドCommandante Zeroとして、さらに他バンドとのコラボレーションで世界各地でパフォーマンスを披露しています。 教育者としての活動、ツアー、TV on the RadioのTunde Adebimpeとの活動などのプロジェクトを進行させている多忙なスケジュールについて、またPushを使用したアシッド・ハウスの再発見について、Danに話を聞きました。

Ryo "HumanElectro" Fujimoto - ビートボクシング、シンセ、インタラクティブ・コントロール

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Ryo "HumanElectro" Fujimoto - ビートボクシング、シンセ、インタラクティブ・コントロール

HumanElectroの異名を持つビートボクサーRyo Fujimoto(リョウ・フジモト)はスリリングなパフォーマンスでオーディエンスを魅了しています。印象的なボーカル・パーカッションをシンセやループと組み合わせ、ハードウェア・コントローラーとジェスチャー・ベースのLEAP Motionを使用してエフェクトを調整しています。東京のクラブDommuneが40分に及ぶRyoのライブ・セットをレコーディングしストリーミング公開しています。強烈なビート・トリップをご体感ください。

Noah Pred: Third Culture

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Noah Pred: Third Culture

Noah PredのAbleton Liveセットの非の打ち所のない構成具合から考えれば、彼が「Thoughtless Music」という名のレーベルを共同設立したのは少し皮肉です。しかしまた、新アルバム「Third Culture」にも表れているとおり、Noahは、耳を傾ける者をリズムとサウンドに没頭させる言外の深みと音楽を操る力を持っています。「Third Culture」は、Thoughtlessの立ち上げ、Noahの故郷であるトロントからベルリンへの移住といった、数年間にわたる変動から生まれました。 ミュージシャンやDJとしてのキャリアに加え、NoahはAbleton認定トレーナーとして、AskAudio/macProVideoやベルリンのNoisy Academyでインストラクターとしても活躍しています。AbletonはNoahにインタビューを行い、ミュージシャンとしてのこれまでの活動について、移住過程でのアルバムの作品づくり、音楽制作についてや現在の音楽業界で前進していくための関する生徒へのアドバイスについて話を聞きました。 数年前にベルリンに引っ越されたと伺っています。「Third Culture」はベルリンでお書きになったのですか、それとも一部はトロントで? トロント時代に書き始めたトラックもいくつかありますが、90%はここベルリンで書きました。 ベルリンへの移住は音楽に影響を与えましたか? ベルリンへの移住が何の影響も与えなかったというと嘘になります。音楽は自己表現の一形式ですから、アーティストの人生に起こるすべてのことに影響を受けると思います。ただ、このアルバムを書いているときには、ここに移住してきたこと以外にも、数々の心を動かされる出来事がありました。それらすべてが重なって作品が生まれてきたのです。クリエイティブ・プロセスという冒険には、物事を行う新たな手法と、検証すべきサウンドを見出すという側面が必ず存在するものです。 アルバム制作時にPushはご所有でしたか? Pushを入手したのは3分の1ほど書き上げた後だったので、残りの3分の2はPushで生成した素材といっていいでしょう。ですから、今回のアルバムにはPushを使用した痕跡がしっかり残っていますよ。少なくとも全トラックの半分で、核となるメロディとリズムをPushを使用して生成しています。このインストゥルメントがなければ、まったく別のアルバムになっていたと思います。 Noah Pred - photo by Jacob Hopkins Pushを使用したスタジオ・プロセスについて少しご説明いただけますか? Pushのあるなしに関係なく、最も重要なのはトラックをセッションビューからスタートさせることです。ここでできるだけジャミングや即興アドリブ演奏をするようにしています。リズムのアイデア、サンプル、メロディのアイデアのうちどれからスタートするかはトラックによって異なります。Pushでは、まず最初にドラムラックにStep Sequencerを使用します。カスタムのドラムラックをたくさん作成しているのですが、Pushを使えば、メロディのバックボーンとなる面白いリズムを簡単に作成できます。その後、MIDIエフェクトラックを使用します。MIDIエフェクトラックはさまざまなコードボイシングやその他同じようなものにかなりの頻度で使用します。Pushでの次のステップは、使用したいスケールを見出すことで、さまざまなインストゥルメントを使用してそこから作曲をスタートさせます。 「Third Culture」 Liveパックをダウンロード タイトル曲「Third Culture」のセットは、非の打ち所がないほど整然と構成されていますね。 ここまで整然としているのには僕の性格も影響していると思いますが、トラックをセッションでの即興アレンジモードからアレンジメントでの完成されたプロジェクトに確実に持って行けるよう、僕が考え出したシステムから生まれた結果でもあるんです。 ループからフルトラックを作成する際のプロセスについてもう少しお聞かせください。どのようなプロセスなのでしょうか? まず最初に、セッションビューでクリップのシーケンスのようなものを作成します。たとえば、すべてのドラムクリップを下準備してマスターとなるドラムクリップを作成できるようにしておき、その後どのようにスタートするかを考えます。次に、トラックの冒頭で使用したくないドラムパートをすべて無効にしてから、そのクリップを複製し、次に来るパートを有効にします。無効なノートはマスタークリップ内にすでにあるので、こうした操作が可能なわけです。 こうして、クリップを複製しつつ、クリップごとに新しいパートを有効にしていきます。その後、ベースラインやコードなどをどこに入れるか考えて、それらを含めた演奏をセッションビューからアレンジメントビューに録音します。 この演奏には間違いも含まれていますし、この後も演奏やエディットを繰り返すことになりますが、ここで重要なのは、生まれたばかりの新鮮なエネルギーと直感的な印象を捉えることです。アレンジメントビューできっちりコピー&ペーストすることからは生まれないエネルギーを捉えることができると思います。もちろん、これらの作業中にもパラメーターの調整を行っています。アレンジメントビューに移ったら、オートメーション処理を行います。トランジションやエディットをチェックして望みどおりのインパクトやフローになるよう確認したら、その後ミキシング処理を行います。 Noah Pred - photo by Jacob Hopkins ジャム演奏から楽曲を完成させるというのは、プロデューサーの卵にはなかなか難しいことのようです。教えていらっしゃるクラスでもその傾向が見られますか? はい、クラスでも生徒たちに言い聞かせるようにしています。生徒たちには、即興的なスケッチから完成された作品を仕上げる段階的なプロセスを伝授しています。ただ、制作プロセスは人それぞれ異なるので、どれが正しいとか間違っているとかいったことは言わないようにしています。自分にとってうまく機能するシステムが僕にはあるので、それが生徒たちの参考になればと思っています。 アーティストとしてもご活躍ですが、業界の現状を考慮して、作品を耳にしてもらいたいと願っている生徒に対してはどのようなアドバイスをしていますか?活動するアーティスト層が厚くなり、新人アーティストの活躍が非常に難しくなって来ているように思えます。 生徒には焦らないようアドバイスしています。自分の音を見つけるのに時間がかかることもあります。作品をリリースするようになって5年経っても自分の音が見つかっていないということになれば、その5年間にリリースした作品のことを後で後悔することになるでしょう。だから、私はまず自分の音を見つけることを勧めます。そうすれば、業界でも独自性を発揮できます。独自性が強いほど、どのような分野であっても頭角を現すことができると思います。 Liveでアルバムのミックスも行っているとお聞きしました。カスタムのチャンネルストリップ(「Third Culture」Liveセットダウンロードに付属)についてお聞かせいただけますか? サウンドの種類をもとに、すべてのトラックをグループにまとめてバス送りしています。ドラムはすべてまとめてバス送りしています。低域もいつもまとめてバス送りし、その後ミッドをまとめてバス送りします。アルバムはすべてLiveでミックスしました。Live 9に付属のAbletonプラグインを使用しましたが、とても気に入っています。温かみを加えるDynamic...

MachinedrumとLando

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MachinedrumとLando

Ninja Tune、Planet-Mu、Hotflush、Monkeytownなどのレーベルでリリースを重ねているTravis StewartとAntaeus Royは、MachinedrumとLandoとしてそれぞれエレクトロニック・ミュージックで確固たる地位を築いてきました。長年の友人である2人が初めて一緒にスタジオに入ったと聞き、Abletonは彼らのコラボレーティブなプロセスをうかがい知る絶好の機会と考えました。そこでAbletonは、彼らのアーティストとしてのこれまでに迫るビデオを制作。音楽的軌跡、制作スタイルの変化、スタジオ環境などにフォーカスを当てたものとなっています。下からご覧ください。 Machinedrumはベータ版からPushを使用していましたが、Landoがこのインストゥルメントに触るのは初めてでした。高級アナログ機器とビンテージが並ぶスタジオにそのルーツを持つとも言えるPushは、Landoのハンズオンの制作手法にうまくフィットしたようです。AbletonはベルリンのUFOスタジオで2人にインタビューを実施し、友人という間柄の極めてクリエイティブな2人で行うコラボレーティブな制作プロセスについて詳しく話を聞きました。 Pushについてさらに詳しく知りたいなら、チュートリアルシリーズをご覧ください。 Machinedrumについてさらに詳しく Landoについてさらに詳しく

Ambivalentによる「Hexen」大解剖 - 無償Liveセットとインタビュー

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Ambivalentによる「Hexen」大解剖 - 無償Liveセットとインタビュー

遊び心を感じさせる「R U OK」、2012年のイマーシブなミックス「_ground」などの良質なリリースで、Ambivalent名義で活躍するKevin McHughは、ミニマル/テクノ・ミュージック界で一流ミュージシャンのリストに名を連ねています。Kevinは長年にわたるLiveユーザーでもあり、スタジオ制作、ライブ・パフォーマンス、DJセットの一部としても使用しています。 Octopus Recordingsからの最新リリース「Blackfish EP」と同時に、Kevinは新曲「Hexen」の主要サウンドとシーケンスをフィーチャーした無償Liveセットを公開しました(注:使用にはLive 9 Suiteが必要です)。AbletonはKevinにインタビューを行い、「Hexen」のサウンド・デザイン、ミニマル・ミュージック制作における苦労、完全五度の美しさについて話を聞きました。 「Hexen」では数少ないパートが効果的に使用されていますが、この制約がトラックにスリリングさを与えているように思えます。トラックのパート数の判断の決め手となるのは何ですか? 「シンプルであることは簡単だ」などと言う人にかぎって、間違ったことをやっているのではないかと思います。私も同じで、しっかり理解できているとは断言できません。制作における自制はてこずる事柄のひとつです。アイデアには複雑さが必要になることもありますが、重要なのは、「今加えようとしているこれは、最終形に必要なものなのか?」という問いを投げかけることです。私はこの問いをプロセスの早い段階で投げかけるようにしています。完全なアイデアがありながら、そこから逸脱する余地のある状態に達することができればいいですね。欠かせない要素を取り出し、その声を優れたアレンジとして形にすることが重要です。切りのいいところに到達するまで、出来の良し悪しについて自問しないように気を付けています。何週間もかけても完成しない考えすぎのループ1つが出来上がるより、完成させたトラック10つをあきらめる方がましです。 「Hexen」のアレンジでは、クリップとエフェクトは生で演奏したのでしょうか?それとも手動で編集されたのですか?通常、アレンジはどのように行っていますか? Live Packにはオリジナルのセッションと同じシステムを使用しています。キーボードを使って演奏したあるアイデア(シンプルなペンタトニックのリフ)からスタートし、他のシンセを加えてレイヤーを追加しました。その後、AbletonのMIDIツールChordを使用して各シンセに完全五度とオクターブを追加し、シンプルさを保ちながら、ハーモニーに厚みを与えました。元となるツールが同じなので、オリジナルのセッションをこのLive Packで再現するのはとても簡単でした。 「Hexen」では、和音に3種のシンセがレイヤーされています。各レイヤーのサウンドのデザインについてお聞かせください。 オリジナルのトラックにある外部シンセで使用したパッチのいくつかを再現しようと考えました。オリジナルでもレイヤーされていたものです。Abletonシンセにも同じパワーがあり、場合によっては私が使用したオリジナルのシンセより機能に優れています。アナログ機器とデジタル機器の違いは、単に好みの問題だと思っています。あるインストゥルメントで別のインストゥルメントを再現しようとする試みはなかなか面白いものでした。どれほど重複するものなのか理解することができました。レイヤーにより、シャープでアタックの強いサウンド、オリジナルのパッチで気に入っていたエンベロープや波形を残すことができました。その一部は、特定のパッチの進化具合とアレンジ内の別のボイスによる強化の必要度により決まります。Operatorのインスタンスのひとつはすばらしいのですが、他が変化を続けるのに対して、こちらは変化しません。Analogのインスタンスはハーモニーを強化するために置かれていますが、他を打ち消してしまうようなことはありません。 パッチの設定が完了したら、Dynamic Tubeツールで少し色づけし、プリアンプなどのサウンドを再現していきました。その優れた再現能力には驚きました。 Ambivalentの「Hexen」のコード進行 コードの複雑度もトラック内で変化しています。これについてもお聞かせいただけますか? 常々思うのですが、アイデアについて考える際、最も重要な場面は、そのアイデアがどこまで広がるものなのかを試すときだと思います。そういう意味で、テクノは、あるフレーズから最後の一滴までアイデアを絞り出すのに適しています。このトラックは、このフレーズからドラマとストーリーを生み出す試みでした。目新しいことは何もありません ― 私より上手くやれたアーティストはたくさんいるはずです ― ただ、一定のゾーンだけにとどまるべきフックではないように感じられました。私が求めていたのはジェットコースターでした。行き先のわからないまま上へ上へと引っ張り上げられ、ゼロ地点に突き落とされ、またスタートするというような感覚です。 ハイハットはAnalogでシンセサイズされています。このような形でドラムをシンセサイズすることは多いのですか?サンプリングではなくシンセサイズすることの利点とは何でしょうか? オリジナルのセッションはVermona DRM1を使用して録音されていて、ハイハット・ボイスのディケイとフィルターをオープンにしたライブ・テイクを録音しました。コントロールを触りながらアレンジに合わせて演奏するのはとても楽しかったですよ。Analogプラグインは自然な選択でした。ノイズ・フィルターとエンベロープというクラシックな構造とサウンドを持っていますからね。ここでもDynamic Tubeを使用してオリジナルで用いたシグナル・チェーンをエミュレートしました。Live Packのアレンジ・セクションのオートメーションと自分のライブ・スタジオ・レコーディングが近づくよう努力しました。 ベースのトラックでのおさまりがいいですね。EQが効果的に使用されているように思えます。これについて詳しくお話しいただけますか? ベースの倍音には長い間苦労してきました。特に、キック・ドラムに合わせて調整する際は大変でした。トラックの出来はそこにかかっているといっても過言ではないでしょう。ベースは十分な倍音の幅が必要ですが、ミックス全体を支配してしまうことがあってはいけないし、キックがしっかり抜けるよう余裕を持たせなければなりません。このトラックでは、キックの基音と二次倍音の周波数をベースから引き出し、ベースラインのリーチがローミッドにおさまるようにしました。これで、シンセ・レイヤーの副倍音のじゃまをせず、私の好きなブーミーなサウンドを聴かせることができます。ベースがリードと同じピッチを追うようにすることで交差するポイントを見つけ、ベースのローパス・フィルターと、リードのハイパスとシェルフをそれぞれ設定することができます。少しだけサイドチェーンをかけるとキックに余裕ができ、ふくらみが強調されすぎることがありません(多少の膨張感はありますが)。サイドチェーンには、ソースがデジタルであるかアナログであるかにかかわらず、いつもAbletonのコンプレッサーを使用しています。シンプルで、機能と透過性に優れたツールです。Abletonのエフェクトでのサイドチェーンはすばやく簡単に設定できますし、またLive 9のEQにはハイパスとローパス用のシェイパー・カーブ、スペクトル表示、ミッド/サイド処理などの便利な新機能がたくさん搭載されています。 Ambivalentについてさらに詳しく 「Hexen」LiveセットをOctopus Recordingsからダウンロード

Tunde AdebimpeがDubspotでLiveを体験

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Tunde AdebimpeがDubspotでLiveを体験

Tunde Adebimpeは、テレビやラジオでマルチな才能を発揮しているアーティストです。マッシブ・アタックやデヴィッド・ボウイなどとのコラボレーション、ミュージック・ビデオの監督およびアニメーション、「レイチェルの結婚」など映画出演でも有名です。これほど経験豊富なTundeが、プロダクションとサウンド・デザインのスキルを向上させようとDubspotでクラスを受講し始めました。下のビデオでは、Tundeが、Ableton Liveの操作を学ぶ過程でこれまでの経験に関連させて話をする様子や、Dubspot Abletonのユーザー・グループ・ミーティングでの認定トレーナーDan Freemanによる演奏をご覧いただけます。 Dubspotブログでさらに詳しく

アーティストのスタジオ - Exercise OneとHeartthrobをフィーチャーしたPoint Blankビデオ

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アーティストのスタジオ - Exercise OneとHeartthrobをフィーチャーしたPoint Blankビデオ

Exercise Oneのスタジオにて どのアーティストにも、その制作手法には独自のニュアンスというものがあります。アーティストのスタジオを観察することで多くを学ぶことができます。Ableton認定教育機関Point BlankはBeatportと協働し、ベルリンをベースに活動するエレクトロニック・ミュージック界のアーティストを紹介するシリーズを開始しました。こちらから、Exercise Oneをフィーチャーした最新回をご覧いただけます。 シリーズ第1回では、Heartthrobが自身のレーベルIsnisntからリリースした最新作について説明しています。Max for LiveのMIDIエフェクトがいくつか紹介され零ます。 Point Blankについてさらに詳しく