Amazing Noises、2つのワイルドなエフェクトでLiveにカオスをもたらす

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Amazing Noises、2つのワイルドなエフェクトでLiveにカオスをもたらす

オリジナリティに優れたDark SynthとSpectrum Effectsで知られるAmazing Noisesが、先進的なプロデューサーやサウンド・デザイナー向けのアナーキーなエフェクト・デバイス・ペアChaos Bundleを発表しました。Packnに含まれるDedalus Delayは、2つのフィードバック・ディレイ・ラインに連続的なグラニュレーションとモジュレーションをかけて入力信号を変化させ、複雑なエコーを生成します。もうひとつのデバイスはStutter Switchで、フィードバック・ディレイ、スイッチ・モジュレーション、エンベロープ・ジェネレーターを包含したゲートおよびスタッター・エフェクトです。Chaos Bundle by Amazing Noisesについてさらに詳しく

Max for CatsがOSCiLLOTをアップデート:7つのモジュールと新シンセシス・チュートリアル・ビデオをリリース

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Max for CatsがOSCiLLOTをアップデート:7つのモジュールと新シンセシス・チュートリアル・ビデオをリリース

Max for CatsのOSCiLLOTはその成長を止めません。新しい無償アップデートでは、7つの新モジュールがモジュラー・シンセシス・システムに追加され、既存のモジュールの機能の一部が拡張されています。新たに追加された機能には、カープラス-ストロング・ベースのオシレーター、入力オーバードライブ搭載のフィルター、レスリー・スピーカー・シミュレーター、ロボティック・ボイスやボコーダー・サウンド・エフェクトを作成できるボイス・モーファー・モジュールなどがあります。サウンドの試聴や詳細は下のビデオをご覧ください。モジュラー・シンセ・マスタークラスOSCiLLOTを使用することで複雑なデバイスのパッチングに興味を持ったのなら、ますます拡大を続けるMax for Catsのビデオ・チュートリアルもぜひお見逃しなく。最新ラインナップにはマスタークラス・シリーズの第1回も含まれており、本シリーズではさまざまな種類のオーディオ合成について、またOSCiLLOTを使用した実行方法について説明しています。マスタークラス第1回では、全シンセサイザーの95%に見られる減算合成を扱っています。OSCiLLOT 1.0.2の新機能を見るOSCiLLOT by Max for Catsについてさらに詳しく

Peaking Lights:廃品置き場からLiveまで

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Peaking Lights:廃品置き場からLiveまで

Aaron CoyesとIndra Dunisの夫婦デュオPeaking Lightsは、がらくたの山からお宝を見つけ出すのが得意。古い電子機器の廃棄部品を集めて素朴なサウンド・ジェネレーターを構築するという彼らの少し怪しげでダブの効いたスタイルは、クリエイティビティに対するDIYな姿勢の産物なのです。地に足の付いたメンタリティと相まって、昨年リリースされた『Cosmic Logic』など彼らの作品は伝統と革新の間の微妙な境界線を牽引するものとなっています。Abletonは彼らにSkypeインタビューを敢行。テープ同期によるパフォーマンスからLiveを利用したセットへの移行についてCoyesに話を聞きました。 Peaking Lightsのライブの様子(WFMU) まず、そのケースに入っているシンセについてお話を聞かせてください。不思議なパワーを帯びたCasioという感じに見えますが…。 どこのメーカーだか分かりませんが、Casioではありません。ある種のモジュラーのように構築しています。ちいさなEQノブはすべてスイッチになっていて、いろんなエフェクト用のポテンショメーターも付いています。サーキット・ベンディングの経験がおありで?いいえ、15年の間になんとなく分かるようになってきただけです。これまでに何か(あるいは誰か)を爆発させてしまったことは?アクシデントはいい結果につきものですが、まあ、間違って電気の通っている電線を口にくわえてしまったり、ばかなことをしてしまったことはありますね。なんでも手で済ませようとしてしまって、ワイヤー・ストリッパーとかを使ったりしないんです。電線を手でちぎって、歯で被覆をはがしてしまうんです。そのケース、なかなか素敵ですね。ええ、ツアーにうってつけです。すべてを詰め込んだこういうコンパクトなものが欲しかったんです。EMSに影響されているところはかなりありますね。あのSynthiみたいな。あれだったら飛行機に乗るときも手荷物にできるので、預け荷物にする必要がありません。今は、手作りシンセはすべて家に置いています。まだ動くことは動くんですが、かなりダメージもありますから。

『Making Music』:クリエイティブ戦略に関する書籍が発売に

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『Making Music』:クリエイティブ戦略に関する書籍が発売に

新しいLiveセットを開き、空っぽのセッション・ビュー・ウィンドウを前に考えを巡らせ、どう進めるべきかと頭を悩ませる…。誰しも経験があることでしょう。また、インスピレーションのひらめきから楽曲完成までこぎ着ける手段が分からない、というのもよくある話。つまるところ、現代のどのような音楽ツールやテクノロジーを持ってしても、音楽を生み出すと作業は昔と変わらず難しいことなのです。この問題についてと、それにどう対処するかを扱ったのが、『Making Music - 74 Creative Strategies for Electronic Music Producers』と題された新刊。著者であるデニス・デサンティス(Dennis DeSantis)はAbletonのドキュメンテーション部門の責任者を務めていますが、この本はLiveユーザーマニュアルの拡張版ではありません。タイトルが示すとおり、手持ちのツールを使用した音楽作成の手助けとなるよう意図されています。使用するソフトウェアやハードウェアに関係なく、音楽上の問題の解決、作業の進め方、そして(最も重要な)取りかかった仕事を終わらせるための具体的なアドバイスを提供しています。『Making Music…』は3つのセクションに分けられており、最初のセクションでは音楽制作プロセスの初期段階での問題(と解決策)についてを扱っています。また、熟練のミュージシャンであっても、空のプロジェクトをむなしく眺めるばかりという状況は制作にはつきもの。そこでAbletonは、新しい作品の制作にとりかかる際の戦略についてお気に入りのアーティスト数名に尋ねました。各アーティストの回答は下でお読みいただけます。読み終わったら、Making Music専用サイトに移動し、各セクションの完全版をお読みください。King Britt制約やパラメーターをクリエイティブな流れの推進力として利用する(ジョン・)ケージや(ブライアン・)イーノの手法に魅力を感じてきました。たくさんの選択肢を目前にするようになった今、このプロセスはこれまで以上に重要性を増しています。ですので、プロジェクトをスタートさせるときは、まず、捉えたいサウンドを表現するのに使用したいパレットについて考えます。ときには、すべてのサウンドに対してアナログ・キーボード2台だけを使用することにして、超クリエイティブにならざるを得ない状況に自分を追い込み、キーボード自体のサウンドと特性の範囲内に限定することで、プロジェクトの雰囲気と焦点を決めます。その後は思いつきに任せて独自のサンプルやループを作成していきます。使用するサウンドやプラグインが決まったら、その後は思いつきに任せて独自のサンプルやループを作成していきます。サウンドがランダムにトリガーされるようにシステムをセットアップして、これらをループやサンプルにして新しいリズムに成形していきます。この方法だと、同じことを繰り返すことがないので独自性が高まるし、誰かに作成方法を解読される心配もないので、他との違いを際立たせることができます。ヒップホップのサンプリングでは、『Adventures in Low Fi』(BBE)の制作が思い出されます。毎日20枚のレコードをランダムに(レコードを見ないで)棚から選び出し、これらを題材にビートを作成するのが日課でした。とても楽しかったので、今だに同じことをしていますよ。予想しないようなコンビネーションが得られるんです。このテーマについて詳しくは、『Arbitrary Constraints』の章をご覧ください。Kindnessゼロから始めるのは大変です。ドラム・プログラミングについて何も知らないというのでなければ、スターティング・ブロックとしてドラム・サンプルをセッションに加えてみるといいでしょう。サンプルを入れ替えたりしてみて、その作品の一部になったら取り除いてしまいましょう。レコードからサンプリングしたサンプルのエネルギーや「完成された」サウンドは、追加する他の要素に即座に重みと奥行きを与えてくれます。Doseone何かを「始める」準備として、頭に浮かんだアイデアを迅速にキャプチャすることができるようAbletonとスタジオのワークスペースを整えて、現実世界からの邪魔や障害が最小限になるようにしています。「整えて」おくということの大部分は、環境設定を入念かつ万端にしておくこと、お気に入りのインストゥルメント/機材すべてを常に接続しておいて電源ボタンを入れればすぐに録音可能な状態にしておくことです。当初のインスピレーションを編集/再アレンジ/補足する時間はたっぷりあるのですから、まずは自分のアイデアをしっかりと出しましょう。インスピレーションは一晩経つと消えてしまうので、頭に浮かびかけたアイデアをできるだけすばやく分かりやすく書き出し/スケッチ/録音しておくと、適切で自然な作品への道の模索/リサンプリング/抹消がよりスムーズになります。着想を得たミュージシャンにとってスピードは必ずしも重要ではありませんが、思いついたアイデアをすばやく保管することは、理解の明確度を増幅させ、慌てて制作プロセスにとりかかってしまうことを防ぎます。当初のインスピレーションを編集/再アレンジ/補足する時間はたっぷりあるのですから、まずは自分のアイデアをしっかりと出しましょう。技術的に「自己流から抜け出す」ことは、「自分の音楽」がどのようなサウンドなのかをじっくり聴くのに効果的な方法のひとつです。Kyokaどうスタートさせるべきか分からないとき、私はトール通りの音を録音します。(どの通りでもいいのですが、トール通りは車やトラムがたくさん行き交っていて、いつもある程度の音量が保たれているので、私にはぴったりなのです。)それをAbletonに読み込み、その音に合わせて即興で歌ってみます。だいたい、これで何らかのヒントが得られます。ユニークなビート、面白いハーモニー、それまで気付かなかったタイミングなど、これらは新しい作品の土台となる素材になります。Jan Jelinek音楽とサウンドに対する私のアプローチは視覚的ものとなる傾向があるので、「音楽の外見」から考え始めると上手くいくことが多いです。ですので、まずデザインとカバー・アートのアイデアについて考えてから、それに合う音楽作りを始めます。ほかにも、先にアルバムのライナー・ノーツを書いてしまうのも有益です。もっといいのは、ライナー・ノーツを誰かに書いてもらうことですね! 『Making Music』抜粋章を読む注:『Making Music - 74 Creative Strategies for Electronic Music Producers』は英語版のみとなります。

LANDRの無償オーディオ・エフェクト・ラック、Tone Sculptorsをダウンロード

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LANDRの無償オーディオ・エフェクト・ラック、Tone Sculptorsをダウンロード

蔵独活ベースのマスタリング・サービスLANDRは、作品の質に重要なトラックの仕上げに便利な方法を提供しています。ひとつで全てを解決しようとするソリューションとはまったく趣を異にする彼らのシステムには、音楽を「聴き分ける」適応エンジンが活用されており、曲独自の特性に基づいて微妙な調整を行います。先進的な信号処理のノウハウの一部を利用して、LANDRのシニア・オーディオ・プロデューサーPheekはPerformoduleと連携し、ミックスのカギとなる周波数帯の強化および減衰を可能にするTone Sculptorデバイスを構築しました。ロー、ミッド、ハイのスカルプターは、絶妙なさじ加減で洗練さやアナログ特性をトラックに加えるのに最適です。「Pixie dust」、「Ouchie」、「Big」、「Nose」、「Old Skool」とユニークな長付けられたコントロールを調整して、さらに微調整が可能です。ここでTone SculptorsをダウンロードLANDRについてさらに詳しく

ジェームス・ホールデン:人間らしいタイミングについて

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ジェームス・ホールデン:人間らしいタイミングについて

撮影: Duncographic エレクトロニック・ミュージックの制作は、緻密なサイエンスへと変貌を遂げています。グリッド、クリップ、クオンタイゼーションの完璧な世界に足りないものとは、一体なんでしょうか。トラックに「何か」が足りないと感じることはよくあっても、それが何かを特定することは困難です。たいていの場合、答えはグルーヴとスイングの高度な技術にあります。ビートに生気を与えるのは、誤りや誤差なのです。ジェームス・ホールデンが放つ新しいパッチ、Group Humanizerは、大いに必要とされるこの人間らしさを作品に加えることのできるツールです。ハーバード大での研究をもとに、ホールデンは、オーディオ・チャンネルとMIDIチャンネルのタイミングを自動成形し、人間による演奏でしか得られないオーガニックな押しと引きの雰囲気を吹き込むMax for Liveデバイスを構築しました。ホールデンは自身のライブでこのパッチを導入し、モジュラー・シンセサイザーをライブ・ドラマーのテンポに追従させています。彼は、わずかなタイミングのずれを用いて新鮮みに欠けるグルーヴを生気に満ちたものへと変化させる方法を公開しています。Group Humanizerには、周到な準備と開発が行われ、たくさんの思いが込められています。パッチをダウンロードしてお試しいただく前に、自身のバックグラウンドと見解、コンセプト実現における課題についてホールデン自身が語った詳細な説明を掲載していますので、どうぞお読みください。人間の知覚に関する複合的なトピックに触れる記事となっており、グルーヴやリズムのより細部に関心のある方にとって興味深い読み物となっています。 人間らしいタイミングについて「ブラック・サバスがブラック・サバスであった理由は、各メンバーが他のメンバーのプレイをどのように解釈していたか、そこだったんだ。互いのリアクションが緊張感を生み出す ― バンド・サウンドはそうやって出来上がる。テクノロジーのおかげで、「正確さ」を得ることは簡単になった。ただ、正確さを得るためにテクノロジーに頼ると、人間らしさがすべて取り除かれてしまう。現在の音楽制作のほとんどが、パートを作成し、パーフェクトな演奏を行い、それをコピペするという作業だ。すべてが完璧なタイミング、完璧な音程。だがそれはパフォーマンスではない。私が目指したのは、ブラック・サバスにバンド一丸となってパフォーマンスさせること、つまりジャミングさせることだった。彼らはパフォーマンスのエキスパートだからね」 ― リック・ルービン昨年『ニューズウィーク』誌に掲載された、伝説のプロデューサーでありコロムビア・レコード共同社長であるリック・ルービンのアンドリュー・ロマーノによるインタビューを読んでからというもの、この引用箇所が頭から離れませんでした。このインタビューが公開されたとき、周りのミュージシャンは皆、このインタビューのことを口にしていました。作品をリアルなものにすることについて語ったルービンのインタビューは、皆の心を打ったようでした。私はというと、ルービンは紛れもない事実を示したのだと感じました。私の心の中にずっと前からあった考え、つまり、ごまかしようのないライブ・パフォーマンスの魅力は音楽を愉しむということにおいて絶対的に重要なものであるということです。そう感じたのは、私とルービンだけではなかったようです。米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)に発表された、ハーバード大の研究者ホルガー・ヘンニヒの科学的研究によってもこの考えが検証されています。ハーバードの研究者たちは、演奏のある側面にフォーカスを当てて研究を行っています。2名が一緒に演奏する際のタイミングです。ミリ秒単位まで詳細に計測されています。その結果分かったのは、各音のタイミングは、両方の演奏者がそれまでに弾いた音すべてに依存しているということでした。作品の冒頭近くにタイミングのわずかなずれがあれば、それ以降のすべての音、最後の音まで影響を及ぼし続けるのです。二重奏を行う場合、一方のミュージシャンが演奏するすべての音が、もう一方に影響を及ぼします。逆もまたしかり。つまり、双方向の情報伝達が生じているのです。 撮影: Duncographic ヘンニヒ博士の論文には、この往復の情報伝達が深く基本的なレベルでも生じていることを示す他の研究結果も参照されています。実験によると、二重奏を行っているミュージシャンの脳の電気活動のパターンは、ほぼ正確に一致しています。神経科学者には、リズム(音楽だけでなく、動作や発話におけるリズムも含む)こそ、人間が何かの「異常性」、不自然性を見抜く際の指針であると考える者もいます。さらにリズムは、幼児が同種の他の動物を認識する助けともなります。つまり、人間のタイミングとは非常に重要なものなのです。録音技術の発明まで長い年月の間、人々が耳にする音楽の形態はライブ・パフォーマンスに限られていました。録音技術の黎明期においては、ライブ・パフォーマンスとあまり変わりない状況でした。ミュージシャンが音響状態の良い室内に集まり、満足のいくテイクができるまで同時に演奏するという方法でした。しかし、技術の発達とともに、ミュージシャンごとの個別レコーディングや、必要に応じたオーバーダブが可能となりました。これにより、レコーディング費用は大幅に低下し、それに続いて新しいアイデアが生まれました。音楽のレコーディングの目的に、各ミュージシャンの「パーフェクトな」パフォーマンスをとらえることが加わったのです。デジタル・スタジオ設備が登場すると、この傾向はますます加速します。ベーシストは、序奏部を一度も間違えることなく演奏することを要求されなくなりました。ベーシストがベースラインを1回きちんと演奏できさえすれば、プロデューサーはこれを必要に応じてコピー&ペ―ストすればいいのです。また、オーディオ情報がコンピューター上で簡単に加工できるフォーマットへと変換するにつれ、音楽ソフトウェアは一定で融通の利かないグリッドへと音楽を押し込めてしまいました。そのため、長い年月を経るなかで、レコーディング作品は、単なるライブ・パフォーマンスの録音からまったく別の怪物へと進化を遂げています。ミュージシャンがレコーディング・プロセスにおいてどの時点でも同時に演奏することがなければ、ミュージシャン同士の双方向の情報のやりとりはありません。せいぜい、テープから新しいレイヤーにオーバーダブするミュージシャンへの単方向のタイミング情報の提供があるだけです。例として、ハーバード大学チームは3バージョンの『ビリー・ジーン』を制作しています。どのバージョンも、ランダム・エラー(拍がずれる平均のミリ秒)の規模は同じですが、それぞれのエラーの相関性に違いがあります。[クリップ1]最初のクリップは、完全にランダムなタイミング・エラーが挿入されており、前のタイミング・エラーと現在のタイミング・エラーの間につながりはなく、それぞれのパート内のエラーにもつながりはありません。結果として、明らかに音楽性が損なわれ、不自然な音になっています。[クリップ2]次のクリップは、各ミュージシャンがクリック・トラックに合わせて別テイクで録音した場合のレコーディングを再現したものです。各パート内のすべてのエラーは先行するエラーにつながっていますが、パートごとのタイミング・エラーには因果関係はありません。このバージョンは、技術力のないミュージシャンのグループが演奏したような、しまりがなく、説得力に欠けるサウンドになっています。[クリップ3]最後のクリップは、論文で開発されたモデル(「確率的フラクタル連結」)を使用して、複数のミュージシャンが一緒に演奏した場合を再現しています。平均エラー・サイズはどのレコーディングも同一だったにもかかわらず、最後のレコーディングは締まりのなさが感じられなくなっています。各パートがまとまって自然な動きになっているので、外れている音を指摘するのが難しくなっています。要点はこうです。すべてが同じテイクで録音されていれば、タイミングにかなりばらつきがあってもあまり問題にはなりません。それは間違いには聞こえず、音楽の自然な動きとして認識されるからです。しかし、パートをマルチトラック録音したり、シーケンスされたパートを人間が演奏したパートと組み合わせたりする場合、タイミングのずれは際立ってしまいます。おかしな音に聞こえるのは、それが自然な音ではないからで、不自然さを識別可能な人間の聴覚がこれらの音を不快で好ましくないものとして判別するからなのです。 撮影: Duncographic スタジオ技術の発展に従って、レコーディングで許容されるタイミングのずれの大きさを縮める必要が出てきたというのは、意図しなかった結果でした。タイトなグリッドに合わせて演奏しなければ(あるいはそう見せかけなければ)、ずれはかなり目立ってしまいます。これが本質的に良くないことだと科学をもって証明することは不可能かもしれませんが、この過程で何かが失われてしまったことは確かでしょう。より自然な音楽的会話は、オーディエンスとのよりよい結びつきをもたらすのでしょうか?また、人間がもたらすタイミングのずれを作品からすべて削除してしまったとき、ミュージシャン同士の音楽的相互作用はそれでもなお何らかの意味を持つのでしょうか?私にとって、ライブの喜びとは、こういった相互作用を目の当たりにすることであり、その瞬間に実際に起こっている何かを目にすることです。バンドをライブで観て感動し、そのライブ・アルバムを聴いて、あのときの感動がとらえられていないとがっかりしたことがあるのは私だけではないでしょう。エレクトロニック・ミュージックのアーティストが、ステージ装飾もほどほどに、あらかじめ用意したWAVファイルをスピーカーから流すだけのライブを行うのなら、その結果として精彩を欠いた覇気のないライブとなるのは痛々しいほど明らかです。また、レコード・コレクションを聴いていて、バンドがジャミング演奏したLPと、費用の高額なスタジオで丹念に構築したLPから得られる雰囲気があからさまに異なるのは予想できることでしょう。コンピューターベースの音楽畑出身ではありますが、私は、長年にわたって自分の音楽をリアルなサウンドにする手法について実験を重ね、できる限り演奏し、カオス的なシステム(ソフトウェアそしてモジュラー・シンセサイザーとして)を構築し、ミュージシャン間に生じる表現反響のようなものをシミュレートしようと試みてきました。しかし、実際のミュージシャンを介在させることなく、納得のいくタイミングを得ることは非常に難しいことです。ホルガー・ヘンニヒの研究で提案されていたモデルを使用して、私は、コンピューターで生成された複数のパートに、まるで実際のミュージシャンが一緒に演奏しているような、人間によるタイミングのリアルなシミュレーションを注入できるLive用ソフトウェアを開発しました。実際のミュージシャン(私のライブで一緒に演奏したジャズ・ドラマーなど)の入力を聴いて、そのタイミングのずれに自然な形で反応することもできます。このような機能がコンピューター・ミュージックにもたらされるのはこれが初めてのことです。今後は、あまりにも整然としていて不自然なサウンドへのごまかしへの言い訳はもうできません。抵抗勢力への私なりの貢献と考えていただければ光栄です。 ジェームス・ホールデンのGroup HumanizerをMaxforLive.comからダウンロードジェームス・ホールデンについて詳しくは、FacebookおよびSoundcloudをご覧ください。